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DATE/ 2017.05.16
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なぜ人は高い「スタバ」に行くのか

 日本でもおなじみ、アメリカのシアトル発コーヒー店、スターバックス。1996年、銀座松屋通りに一号店ができてから増えに増えました。2017年3月31日の時点で、全国に1260店舗。コーヒー一杯のお値段がそう安くはないスタバに、なぜみんな行きたくなるのか。その理由を探っていきましょう。

●大事にすべきは空間づくり


 カフェに行く多くの人は、もちろんコーヒーを飲みに来ているのですが、もっと重要なのは、そこでくつろぐために来ているということです。コーヒーの味や価格でいえば、もっと良いところがある、という意見が出るのはもっともです。しかしそれでもスタバが選ばれる理由は、落ち着いた色合いの内装で全席禁煙、お客さん一人一人に対する臨機応変な対応、姿勢などのサービスが行き届いていることが挙げられます。

 つまり、そこで過ごす人にとって「心地よい空間」を作り出すことで、人気を勝ち得たといえるでしょう。これは意外と大事なことです。そこがオシャレな空間であれば、それだけで人に刺激を与え、あるときには安心感を与えます。「その場所にもう一度行きたい」と思わせることにスタバは成功しているのです。

 早い! 安い! うまい! のように、わかりやすい看板を立てお客さんを呼び寄せるのは、一つの方法です。しかし、すべてのお店がそのやり方でうまくいくわけではありません。ターゲットを絞り、重点的なサービスをおけば、その分高くなっても人はやってくるのです。安いことよりも静かにおいしいコーヒーを飲むことに重きをおく人は、雰囲気や接客態度、サービスが良ければまた来ようと思います。「高い」と思うのは、それがコーヒーの値段だけだと考えてしまうからです。

●「ドヤリング」という言葉も生まれた


 カフェに来る人の目的はさまざまです。純粋にコーヒーを楽しむ、ゆったりとくつろぐ、読書を楽しんだり、仕事をするためにパソコンを開いたりという使い方をする人もいるでしょう。

 そのカフェでパソコンを使っている人に対して、「ドヤリング」と揶揄する風潮が、ネットを中心に数年前から広がり始めました。「ドヤリング」とは、「どや顔をしている(現在進行形)」という意味で、主にオシャレなカフェ(スタバ)でスタイリッシュなノートパソコン(MacBookAir)を使っている人が、自分自身を「できる人・かっこ良い人」だと演出している、ととらえ、その自己顕示を揶揄した言葉です。そう思われてしまうのが恥ずかしくて、あえてスタバでMacBookAirを使うのを避けるという人もいるのだとか。

 スターバックスの公式サイトでは、経営理念の一つとして、「感動経験」を提供するということを掲げています。また、価値観として

「お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられるような文化をつくります。」

と記しています。もっとも重要視しているのは、お客様ともに創り出す徹底して心地よい空間なのです。ドヤリングと揶揄するのを止めて、お互いに「心地よい空間」を求めて来ているのだと思えばいやな気持ちはしないのではないでしょうか。

 ただ、いくらくつろぎの空間でも、コーヒー一杯で長時間ねばっていると、他にも「感動経験」を求めたい人たちからその機会を奪ってしまうことになるので、節度というものは必要です。迷惑をかけないという客側の姿勢があって、快適な空間は作られるのです。
 

●その人気に陰りも…?


 こうして見ていくと、スターバックスが「心地よい空間」を武器にここまで大きくなったのも頷けます。しかし、Business Journalのコラム「スタバ劣化で行く意味消失…ただ高いだけ、顧客満足度もドトール以下に転落」では、

「店舗数の拡大に伴ってバイトが増えたことで、自慢のホスピタリティの質も明らかに落ちている」

 と言及しながら、スタバ人気が陰ってきていると指摘しています。
 
確かに、人気が出たことで新しい客層が増えて、お店が騒がしくなったりすると、落ち着いた空間が好きで通っていた人は「昔と違う」と感じて離れてしまうかもしれません。ここは商売としても難しいところです。

 しかし、2016年には「お茶」にも本格参入し、毎シーズン発表される新商品は、出るたびにテレビの情報番組で紹介されるなど、そのブランド力はいまだ抜群です。人気が衰えたとしても、絶対に離れないお客さんも多く存在するでしょう。「スタバ」に「スタバ」らしさがある限り、その価値が消えることはないのです。


<参考サイト>

・スターバックス OUR MISSION
http://www.starbucks.co.jp/company/mission.html

・Business Journal スタバ劣化で行く意味消失…ただ高いだけ、顧客満足度もドトール以下に転落
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16289.html
(10MTV編集部)