テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2017.08.27

なぜ女性は「痩せたい」と思うのか?

 多くの女性が持っている「痩せたい」という願望。「痩せる」ための美容系広告は街中にあふれ、女性誌でも毎回のようにダイエット特集が組まれるなど、今なお、日本人女性は「痩せたい」人が多いことがわかります。

 一方、男性からは「痩せすぎは不健康そう」「女性は多少ふっくらした方がかわいらしい」など「痩せる」ことに対して、あまり好意的ではない意見をよく聞きます。それでも女性が痩せたいと思うのはなぜなのでしょうか。

気になるのは男性の目だけではない

まず、考えられるのは「男性に注目されたい、モテたい」という理由。これは女性に限らず、男性でもよく聞く理由です。しかし、男性はみんな細い女性が好きというわけではありません。それなのに、痩せたいと思うのは、なぜでしょうか?それは、男性にモテたいという気持ちだけではなく、同性、つまり「女性の目線が気になるから」なのです。

女性同士では男性以上にお互いの容姿を気にするもの。グループでいるときにも、体型やダイエットの話はよくあがる話題のひとつです。女性にとっては、そういったグループに自信を持って参加できるかどうかということも重要なのです。

理想の実現も行き過ぎると…

そして、もう一つは女性なら誰もが思う「美しくなりたい」という理由。憧れのモデルやタレントに近づくために、痩せるという人も多いでしょう。ダイエットをして理想の体型を実現するのは良いですが、行き過ぎてしまうケースがあるのもこのタイプの特徴。

その理想が「痩せすぎ」だとしても、本人にその自覚がないとなれば、問題です。痩せるという行為にとりつかれてしまい、摂食障害になってしまう場合もあります。

 「摂食障害の理解と治療のために」というサイトによれば、この病的な痩せたい願望は、ストレスによるものが大きいのだと言われています。弱々しくあることであらゆる失敗の言い訳にできると思い込んでしまう心理、痩せた人たちが華々しく活躍し、自信をつけるような風潮が、病的な痩せたい願望を生むのだといいます。

変わっていく価値観

 このような女性の「痩せたい」願望がある一方で、今それまでの「痩せているのが良い」という価値観が変わっていこうとしています。

THE FASHION POSTのコラム「ファッション誌『VOGUE』がモデルの痩せすぎや低年齢化の問題に声明を発表」によると、CONDE NAST社のファッション雑誌「VOGUE」では、モデルの痩せすぎを問題視し、美と健康とは不可分のものであるという信念のもと、摂食障害があるとみられるモデルは起用しないなどの決まりが作られたとのこと。日本でも「ぽっちゃり系」が支持されるなど、意識改革が始まっています。

 男性の好みも、「痩せていない方が良い」「がりがりだと心配で怖い」という意見が巷に流れつつある今日この頃。好みは人それぞれですが、たしかに細くても、元気のない女性だと魅力的とはいえませんよね。
 
 魅力的な自分になることを目標にするなら、痩せることを目的にするのではなく、健康も美も両立した女性を目指しましょう。

<参考サイト>
・PRESIDENT Online 女はなぜそれほど痩せたいのか
http://president.jp/articles/-/10030
・こまち ダイエットログ 日本人女性はなぜ 「痩せ願望」 が強いのか? 世界の事情と比較してみた。
https://komachi-diet.com/information/japan-woman/
・生活習慣改善 笑えない…メタボが招くこわい病気
https://www.pluswellness.com/dictionary/improvements/chapter3/04.html
・摂食障害の理解と治療のために 6.摂食障害の太りたくない気持ちのなぞ
http://www3.grips.ac.jp/~eatfamily/understand6.html
・日経サイエンス 女性に広がる“肥満恐怖症”
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0211/sp4.html
・THE FASHION POST ファッション誌「VOGUE」がモデルの痩せすぎや低年齢化の問題に声明を発表
http://fashionpost.jp/fashion/fashion-news-event/1111
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える

歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える

運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」

歴史における「運」とはどういうものだろうか。例えば、富裕と貧困という問題について、「運」で決まるのか、あるいは「運」とは異なる努力、教養、道徳などの要素で決まるのかという点でも、思想家たちの考え方は分かれる。第1...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/04/18
山内昌之
東京大学名誉教授
2

多神教の日本と民主主義…議論の強化と予備選挙の導入を

多神教の日本と民主主義…議論の強化と予備選挙の導入を

民主主義の本質(4)日本の民主主義をいかに強化するか

民主主義の発展において、キリスト教のような一神教的な宗教の営みがその礎にあった。では、そうした宗教的背景をもたない日本で、民主主義を育てるにはどうしたらいいのか。人数が多ければ正しいというのは「ポピュリズム」の...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/16
橋爪大三郎
社会学者
3

急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(3)インドネシアの成長とトルコの外交力

グローバル・サウスの中でも高度経済成長を遂げているのがインドネシアだ。長期のスカルノ時代とスハルト時代を経てその後に民主化が進んだ、東南アジアで最大のイスラム教国である。また、トルコは多国間に接する地理的特性と...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/17
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
4

ロシアによるウクライナ侵略で国際政治はどう変わったのか

ロシアによるウクライナ侵略で国際政治はどう変わったのか

ウクライナ侵略で一変した国際政治(1)歴史的経緯とNATOの存在

ロシアによるウクライナ侵略によって、国際政治は一変したといわれる。だが、具体的には何がどう変化したのか。この問題について大事なのは、両国のみならずヨーロッパとロシア、さらにアメリカも含めた各国の関係、その歴史的...
収録日:2022/05/10
追加日:2022/05/27
小原雅博
東京大学名誉教授
5

なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る

なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る

チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由

「心理的安全性」は近年もっとも注目されるビジネスバズワードの一つともいわれている。その背景には、コロナ禍におけるリモートワークの増大、社会全体が未来予測の難しい「VUCAの時代」に入ったことがある。職場環境が多様に...
収録日:2022/04/26
追加日:2022/07/23
青島未佳
一般社団法人チーム力開発研究所 理事