テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2017.08.15

見た目と強度でこんなに違う!虫歯の治療費

 虫歯になり、歯を削ったりすると、かつては銀色の詰め物をするのが主流でしたが、最近はセラミック、プラスチックなど様々な素材が使われるようになりました。素材や治療箇所によって保険適用となるか自費診療になるかも含め、特徴はいろいろ。そのメリット、デメリットを見てみましょう。(保険適用の場合の自己負担額は全て3割負担の場合で計算)

銀歯とセラミックは何が違う?見た目、費用…

 まずは誰でも知っている銀歯から。銀歯という名称ながら純銀というわけではなく、金銀パラジウム合金という数種類の金属が含まれた合金で作られています。保険適用となるため、自己負担額が数千円と非常に少なくて済むのが最大のメリットです。ただし口を開けた時に歯の治療跡が目立ってしまう他、歯と銀歯の隙間や、銀歯の下に虫歯ができやすくなってしまうケースも。金属アレルギーが起きてしまう可能性もあります。

 小さな虫歯の場合、コンポジットレジンと呼ばれるプラスチックの一種を詰める治療を受けたことがある人も多いでしょう。白っぽい色合いなのでどうしても目立ってしまう銀歯と比べ審美性に優れ、しかも保険適用のため安価で処置を受けられます。一方で時間が経過すると変色しやすく、耐久性の面で比較的弱さもあります。

 コンポジットレジンの変色しやすさ、耐久性の弱さという弱点を補ったものがセラミックインレー。ただし保険適用外となるため自己負担額は高額となり、5万円前後は見ておいた方が良さそうです。セラミック素材は小さな虫歯の詰め物だけでなく大きな虫歯を治療した後の詰め物としても使用されますが、やはりデメリットはコスト。内側を金属にしたメタルボンドクラウンは8万円から10万円程度、内側を人工ダイヤモンドにも使われるジルコニアという素材で加工したオールセラミッククラウンは12万円~15万円程度とかなりの負担になってしまいます。

見た目もコストも大事!そんなあなたにこれ

 保険適用でできるだけ自己負担は減らしたいけれど、見た目と強度を兼ね備えた治療法はないものか。そんな欲張りさんにピッタリなのが硬質レジン前装冠。中身は金属、外から見える部分はレジンでできており、保険適用のため数千円で済みます。ただ、前から3番目(犬歯)の歯までしか使えないのが残念なところです。

 そうした中で2014年4月から、前から4番目、5番目の歯(第一小臼歯、第二小臼歯)の治療でもCAD/CAMハイブリッドセラミックレジン冠という治療法が保険適用となりました。また、2016年4月からは金属アレルギーの患者に限り前から6番目、7番目(第一大臼歯、第二大臼歯)の歯も保険適用となりました。ハイブリッドセラミックレジンは従来使われていたレジンより丈夫なのですが、CAD/CAM装置を持つ歯科医院でしか治療を受けられないため、興味のある方は対応する医療機関を調べてみると良いでしょう。自己負担額は1万円弱となります。

 ここまで各種治療法のメリット、デメリットを見てきましたが、目立つ場所の銀歯は避けたいけれど、奥歯だったらいいかな、そんな考え方をする人もいるでしょう。人によって事情は違いますので正解と言える治療法はありませんが、少なくとも様々な選択肢があることは知っておいて損ではないでしょう。

<参考サイト>
・医療法人社団 伸整会 高木歯科医院
https://www.takagishika.com/
・審美歯科専門サイト きくち歯科クリニック
http://www.kikuchi-shinbi.com/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

OpenAI創業者サム・アルトマンとはいかなる人物なのか

OpenAI創業者サム・アルトマンとはいかなる人物なのか

サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(1)ChatGPT生みの親の半生

ChatGPTを生みだしたOpenAI創業者のサム・アルトマン。AIの進化・発展によって急速に変化している世界の情報環境だが、今その中心にいる人物といっていいだろう。今回のシリーズでは、サム・アルトマンの才能や彼をとりまくアメ...
収録日:2024/03/13
追加日:2024/04/19
桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト
2

「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷

「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷

文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元

日本語の発音は、漢字到来以来一千年の歴史を通してどう変わってきたのか。また、なぜ日本語は「文明語」として世界に名だたる存在といえるのか。二つの疑問を解き明かす日本語学者として釘貫亨氏をお招きした。1回目は古代日本...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/03/08
釘貫亨
名古屋大学名誉教授
3

歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える

歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える

運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」

歴史における「運」とはどういうものだろうか。例えば、富裕と貧困という問題について、「運」で決まるのか、あるいは「運」とは異なる努力、教養、道徳などの要素で決まるのかという点でも、思想家たちの考え方は分かれる。第1...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/04/18
山内昌之
東京大学名誉教授
4

急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(3)インドネシアの成長とトルコの外交力

グローバル・サウスの中でも高度経済成長を遂げているのがインドネシアだ。長期のスカルノ時代とスハルト時代を経てその後に民主化が進んだ、東南アジアで最大のイスラム教国である。また、トルコは多国間に接する地理的特性と...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/17
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
5

ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?

ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?

和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1

日本古来の詩の形式である和歌。しかし、その中身について詳しく知っている人は少ないのではないだろうか。渡部泰明氏が和歌のレトリックについて解説するシリーズレクチャー。第一弾である今回は枕詞についてで、その知られざ...
収録日:2019/03/11
追加日:2019/06/15
渡部泰明
東京大学名誉教授