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DATE/ 2017.08.30

電子タバコは路上喫煙OK?健康への影響は?

 世間は完全に嫌煙の方向に進んでいて、喫煙者にとっては肩身の狭い思いをすることが多いのではないでしょうか。昔のようにオフィスで自由にぷかぷかとタバコの煙をくゆらすことはできず、限られた喫煙スペースで吸う。これでは完璧な気分転換をしたくてもしきれないところ。そんな喫煙者にとって“救世主”とも言える存在が「電子タバコ」です。

電子タバコとは?

 電子タバコとは簡単に説明すると、液体を発熱させることによって霧状のニコチンを作り出し、通常の紙巻きタバコのような感覚を楽しめる嗜好品となっています。1960年代から開発されていた商品ですが、本格的に実用化されていったのは21世紀に入ってのこと。特に禁煙ムードが高まる欧米で人気を博しています。

 人気の火付け役となったのはアメリカの「フィリップ・モリス・インターナショナル」から発売している「iQOS」(アイコス)です。入手が困難なほどの人気商品となっていますが、他企業もこの流れに追随。日本たばこ産業の「プルーム・テック」、ブリティッシュ・アメリカン・タバコの「glo」(グロー)といった「加熱式タバコ」が発売されています。

23区内で電子タバコ“OK”なのは……

 ここ数年で一気に一般化しつつある電子タバコ。ただ喫煙者、そして自分はタバコを吸わないけど煙が気になる、という人にとって気になるのは、吸う場所や健康への影響です。果たして通常のタバコと同じような環境なのでしょうか。

 ウェブメディア「ビジネスジャーナル」は、電子タバコにも前述した加熱式タバコ以外に「リキッド」という液体を熱して上記を吸引する「VAPE」という、法的には“タバコと認められていない”存在についても言及。東京23区ではどこまで路上喫煙が許容されるのかをリサーチ。その棲み分けは以下のようになっています。

<加熱式タバコ、電子タバコは全面的に禁止>
 大田区、渋谷区、品川区
<加熱式タバコについては禁止>
 杉並区、荒川区、千代田区、北区
<電子タバコへの規定はなし>
 新宿区、墨田区、台東区、中央区、目黒区、江戸川区、板橋区、豊島区、世田谷区、葛飾区、江東区、文京区、港区、中野区、練馬区、足立区

 規定がない区も豊島区や足立区のように喫煙所で吸うことを推奨したり、「マナーの範囲で吸ってほしい」と暗黙の了解を求めているところが多いのです。

 吸える場所と同時に気になるのは、健康面。タバコと言えば肺がんや心筋梗塞などを引き起こす要因として見られていますが、ウェブサイト「Engadget日本版」はフィリップ・モリスの社員に直撃しています。返答としては「『アイコスの健康影響については科学的研究を継続中』ですが、アイコスから出る上記に含まれる有害性成分の量が紙巻きたばこの煙に含まれる量に比べて約90%低減されている」と話しています。また大手コーヒーチェーン「スターバックスコーヒー」も、店舗によっては吸引可能なところもあるとのことです。

 とはいえ電子タバコも、通常のタバコと同じく嗜好品の一種。吸いすぎればそれは依存に繋がる可能性があります。適度な気晴らしとして使用するのが、一番いい付き合い方であることは間違いありませんね。

<参考サイト>
・日本経済新聞:加熱式たばこ、世界で増産
http://www.nikkei.com/article/DGKKASDZ24HTI_U7A720C1TJ1000/
・Business Journal:電子たばこ、電車内で喫煙や爆発事故など続出で社会問題化…なぜスタバはOK?吸える場所リスト
http://biz-journal.jp/2017/04/post_18724_2.html
・Engadget:アイコス(IQOS)の秘密をフィリップ・モリスの中の人に聞いてきた
http://japanese.engadget.com/2017/07/31/iqos/

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