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DATE/ 2017.09.10
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ゲームの大会で賞金を稼ぐ「プロゲーマー」とは

 時代が移り変われば仕事もまた移り変わるものです。ネット技術の進歩やグローバル社会が進むことによって、新しい職業が次々と生まれています。その中で、「プロゲーマー」という職業をご存じでしょうか。その言葉の通り、「ゲーム」を仕事にしている人たちのことです。

 子どもの頃、「ゲームは1日1時間」「ゲームばっかりやっていないで勉強しなさい」と、口を酸っぱく言われた方も少なくないでしょう。保護者から「学業の仇」のように言われてきたゲームですが、最近ではプレイすることが職業として確立されつつあるのです。

●競技人口1億人、1億円プレイヤーも


 「eスポーツ」といわれるものがあります。日本では聞いたことがあるという人はまだまだ少ないかもしれませんが、これは「エレクトロニック・スポーツ」の略で、コンピュータゲームやビデオゲームを競技として捉えた言葉です。

 「たかがゲームを“スポーツ”だなんて……」と思われる方も多いかもしれませんが、あなどるなかれ、全世界でのeスポーツの競技人口は約1億人。これはテニスの競技人口と同じ規模。野球の競技人口3000万人の3倍以上もの数字になります。

 格闘ゲームやシューティングゲームなど種類もさまざまで、主に対戦機能のついたゲームがeスポーツの種目として取り扱われます。全世界で大会が開催されており、2015にアメリカのシアトルで開かれた『The International 2015』という大会では、賞金総額が22億円にものぼりました。個人で億単位を稼ぐ参加者も存在し、もはや「たかがゲーム」の世界ではなくなっているのです。

 一方、日本はゲームの一大生産国でありながら、なかなかeスポーツが広まりを見せません。その背景には、やはりゲームへの偏見と、“ゲーム”というシステムで勝敗を決めることが賭博法に違反するといったことがあげられます。

●日本の「プロゲーマー」とは?


 日本で「プロゲーマー」を指す場合、それはバックにスポンサーのついているプレイヤーのことをいいます。企業と契約せず、個人で大会参加をしているプレイヤーはいわゆるアマチュアというくくりになるのです。もちろん実力さえあれば、個人でも大会の賞金で生活することはできますが、大規模な大会は海外での開催が主なため、旅費や宿泊費などを個人でまかなわなくてはならないという側面もあるのです。

 イメージとしてはプロゴルファーに近い職業形態といえるでしょう。個人で大会に参加するけれど、身につけているTシャツやヘッドフォンに企業ロゴを入れて、宣伝活動もする。旅費や宿泊費をスポンサーにまかなってもらったり、月々にまとまったスポンサー料がもらえることもあるでしょう。サポートの代わりに、賞金の何割かをスポンサーに収める契約を結んでいるプロゲーマーもいます。また、YouTubeなど、広告収入のある動画サイトに出演し、そこで得た広告料も大きな収入源になっています。

「プロゲーマー」というと、「パチプロ」と何が違うのかと思う方も多いかもしれませんが、プロゲーマーは企業からのきちんとしたバックアップがあり、:プレイヤーにはそれに見合う実力が求められているのです。

●まだまだ黎明期のeスポーツとプロゲーマーという仕事


 国内初のプロゲーマーが生まれたのは2010年のこと。現在もプロ格闘ゲーマーとして世界の第一線で活躍している、梅原大吾さんがそのパイオニアとして有名です。年数だけ見れば、まだその歴史が浅いことがわかりますが、2016年には専門学校に「eスポーツ」のコースが開設されるなど、着々と新しい世代のプレイヤーが誕生しているのです。

 しかし、競技人口が同規模のテニスでイメージするとわかりやすいですが、トッププレイヤーになれる人はほんの一握りです。「ゲームで食べていくなんて安直」と思われがちのeスポーツ、プロゲーマーの世界ですが、その背景にはプレイヤーたちの血の滲むような努力があります。

 しかし、まだまだプロゲーマー、eスポーツの世界は黎明期にあります。これから競技としての認知度が上がれば、職業としてもより多くの人に認められるようになるのではないでしょうか。


<参考サイト>
・eスポーツコミュニケーションズ
http://www.esportscom.jp
(10MTV編集部)