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DATE/ 2017.10.17

なぜ日本人には「がん」が多いのか?

 よく知られていることですが、日本人の死因で最も多いのは「がん」です。「がん」は1980年代から現在にいたるまで、ずっと死因トップの座に居座り続けています。

 2017年9月20日の日本経済新聞によると、国立がん研究センターは「2017年にがんと診断される人は101万4000人」、「がんで死亡する人は37万8000人」になると発表しました。どちらも過去最多であり、人生100年時代と言われるほど長寿化が進む日本では「高齢化を背景に、今後も患者は増加する見通しだ」としています。

 それにしても、なぜ日本人にはこんなにも「がん」が多いのでしょうか。

医療が発達しているから「がん」が多い?

 「がん」が日本人の死因第1位である本当の理由、というPRESIDENT Onlineの記事では、2つの理由から日本人にがんが多い理由を説明しています。

 まず、日本が世界を代表する長寿国であることを理由として挙げています。これは上述した日本経済新聞の解説とも合致しています。

 それから、「日本の医療が発達していること」をもうひとつの理由として挙げています。「矛盾しているようですが」と前置きしつつ、「医療技術が発達すればするほど、がん以外の病気で死ぬことが少なくなるのです」と説明しています。

高齢化、食事の変化、不適切な治療法

 「週刊現代」の記事「研究 欧米ではどんどん減っているのに なぜ、日本人ばかりががんで死ぬのか」では、「がんの死亡数が増え続けているのは、先進国では日本だけ」、また「30年で2倍に増えた」という実態を伝え、増加の原因として第一に「高齢化」、つづいて「食事の変化」「不適切な治療法」を挙げています。

 「不適切な治療法」というのは、日本では体に負担の大きい手術を特別にありがたがる「手術信仰」が根強く、時に手術より有効な放射線治療や抗がん剤治療の普及が遅れてしまっているという意味です。

AI活用でがんの早期発見見逃しリスクを大幅削減

 他方、がん治療の技術に関して朗報もあります。BUSINESS INSIDER JAPANでは「AI活用でがんの見逃しリスクを大幅削減」という記事を報じています。

 日本は、がんの早期発見を導く内視鏡技術が世界でもトップレベルなのですが、医師の技術格差によって24%もの早期発見の見逃しが起こっているのだそうです。今回の記事は、AIによって、その見逃しを補完できるようになるであろうことを伝えています。

 技術の進歩に従って、PRESIDENT Onlineの記事とは逆に、これからは「医療が発達すればするほど」がんが減っていくことを大いに期待したいですね。

<参考文献・参考サイト>
・日本経済新聞:がん診断101万人 今年、高齢化で最多に 国立がんセンター予測(2017/9/20)
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO21298590Z10C17A9CR8000/
・国立がん研究センター:2017年のがん統計予測
http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html
・PRESIDENT Online:「がん」が日本人の死因第1位である本当の理由
http://president.jp/articles/-/17280
・BUSINESS INSIDER:「AI活用でがんの見逃しリスクを大幅削減」
https://www.businessinsider.jp/post-104951
(10MTV編集部)