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DATE/ 2017.10.24

カレーチェーン店「ココイチ」人気の秘密

 チェーン店のカレーといえば「ココイチ」というほどに圧倒的な認知度でファンの多いCoCo壱番屋。2017年10月16日時点での店舗数で比較すると、3位「ゴーゴーカレー」69店、2位「上等カレー」74店に大差をつけて1262店の展開となっています。

 これほどの多店舗展開を可能にした人気の秘密はどこにあるのでしょう?

「お客さま目線」の経営戦略

 一度「ココイチ」のカレーを食してみるとわかるのですが、これといった大きな特徴のない味に驚かされます。その一方でトッピングの多彩さにも驚かされます。かつてSNSでも話題となったトッピングの「全部のせ」写真を目にした方も少なくないのではないでしょうか。

 こうしたSNSに牽引された認知度もさることながら、「ココイチ」を圧倒的なチェーン店トップに押し上げたのは、徹底的な「お客さま目線」から導かれた経営戦略にあるようです。

 そして導かれたのが、唐揚げに温玉をのせて、チーズをかけ、辛さは2カラで…というような「マイカレー」を可能にするカスタマイズ感覚による注文のスタイルです。

美味しさより飽きさせない工夫

 こうしたカスタマイズは他のお店でも実現しているサービスなのですが、「ココイチ」をここまで拡大させた秘密は、飽きさせないルーの工夫にあると考えられます。それは、家庭のカレーでもなく、美味しさを追求したカレーでもなく、毎日食べられるカレーを追求した創業者の感覚にありました。

 平凡で主張しないカレールーこそが、トッピング欲の刺激とともに、毎日でも通いたくなるリピート率に大きく貢献しているといってよいでしょう。

 食費を切り詰めたい学生やサラリーマンにとって、通いやすく自分好みにカスタマイズ・ローテーションできるお店は貴重です。

リピートしたくなるカスタマイズ感覚

 同様の感覚で、意外な組み合わせでメニュー化されている「すきや」もまた店舗数で、老舗「吉野屋」に750店以上の差をつけて牛丼チェーンではトップの座についています。

 また、フレンチドレッシングにごまだれドレッシング、カルビソースにポン酢というようにメニュー以外で味覚の変化が楽しめる、調味料によるフルコースも可能にしている「松屋」も3位につけています。

 結論として、コーヒーチェーンなどもそうかもしれませんが、カレーや牛丼をはじめ外食チェーン店にとって、リピートしたくなるカスタマイズ感覚が人気のポイントの一つになっているということでしょう。

<参考サイト>
・デジタルアドバンテージ社:チェーン店一覧
https://www.d-advantage.jp/ja/gis/quote#food/famires

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