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DATE/ 2017.11.22

コンビニの近くにコンビニができる理由とは?

 住まいの最寄り駅、通勤通学する会社や学校付近、みなさんの生活エリアに欠かせないものと言えばコンビニエンスストアですが、特に都市部では数十メートル歩けば数店が林立していることも珍しくありません。それも地域によっては同じチェーンの店舗が隣接していることも珍しくありません。ふと疑問に思うコンビニ出店のメカニズムとは、どのようになっているのでしょうか。

 特に密集して店舗が多いと言われるのがファミリーマートです。公式サイトでは店舗検索ができますが、例えば東京都豊島区のターミナル駅である「池袋」周辺にある店で検索してみると50店を優に超えています。それも「南池袋東口店」と「南池袋明治通り店」は100mもない距離の“ご近所さん”です。こういった出店について、ウェブサイト「ビジネスジャーナル」でも取り上げており、企業側のニーズに沿った店舗運営をしていることを紹介しています。

「ドミナント戦略」のメリットとは何か

 近隣地域に同一店舗を集中させることをマーケティング用語で「ドミナント戦略」と呼びます。ウェブサイト「商圏大勝」がそのメリットについて、店舗出店計画や配送ルートの効率化を高めることで、経費削減になるとしています。

 ちなみに少しそれますが、立地戦略は都市部だけでなく、いわゆる地方のロードサイド店にもあります。「ダ・ヴィンチニュース」が紹介した「すごい立地戦略」という本の中では、各種業態の店の立地を紹介していますが、コンビニの場合、「買い物を終えた際、駐車場から出やすい立地」であることが大事と紹介。入りやすさはもちろん、出る時に信号待ちなどの合流なくスムーズに出られる場所は“一等地”と言えるでしょう。

ゲーム理論で隣接する理由を説明

 一方、コンビニのない場所が多いのも事実。普通、“密集していないところにコンビニを出さなければいいのに……”と思ってしまいがちですが、「ログミー」に掲載された「なぜコンビニは近くに密集するのか?ゲーム理論でわかりやすく解説」には、ジャック・ド・ハーン氏による解説がなされています。

 その解説から 読み取れるのは、最も人が集まりやすい場所から離れた店舗は限られた客数しか確保できず、結果的に最も立地条件のいい場所に店舗が密集する仕組みになる。 その一方でマーケティング戦略などにより変化を加えて差別化を図ることで、売り上げを伸ばしているということです。

 一見、雑然と立っているように見えるコンビニにも、さまざまな狙いが仕組まれています。自分の行動範囲に新店舗が建設されているのを見たとき、周囲の店舗も見まわしてみると今回挙げたような意図に気づくかもしれませんね。

<参考サイト>
・ livedoor NEWS:ファミリーマートの密集出店のナゾ コンビニ戦略の基本?
http://news.livedoor.com/article/detail/10087418/
・商圏大勝:ドミナント戦略とは?
https://www.cocohore11.com/column/18/
・ダ・ヴィンチニュース:なぜコンビニの近くに別のコンビニができるのか? 立地戦略に隠されたビジネスのヒント
https://ddnavi.com/news/374724/a/
ログミー:なぜコンビニは近くに密集するのか? ゲーム理論でわかりやすく解説
http://logmi.jp/71518

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