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DATE/ 2017.12.07

2018年を占う最新時事キーワード10

社会人必見!2018年のビジネスや社会を占う、以下10個のキーワードの中から、あなたはいくつ説明できますか?

デジタルディスラプション
働き方改革
・サービソロジー
ブロックチェーン
・シェアリングエコノミー
・フェイクニュース
北朝鮮問題
・全世代型社会保障
人生100年時代
ドローン

デジタルディスラプション

“手紙からeメールに始まった「デジタルディスラプション(デジタルテクノロジーによる破壊的創造)」の動きは、一度起こると後戻りできず、既存の産業やエコシステムを破壊しながら進む点に特徴がある。デスクトップPCからタブレットやスマホ、CDから音楽配信。書店はAmazonに、自動車産業はUberに、ホテル業界はAirbnbに、瞬く間に侵食されているのが実情だ。”

「Change or Die(変革か、死か)」ユニクロ柳井氏の危機感を共有できるか

 「デジタルディスラプションに海外同様の危機感を持つ日本人経営者は、柳井正氏ぐらいだ」と国際企業戦略を教える一條和生教授(一橋大学大学院)は言っています。ビジネスの軸足は「モノからコトへ」完全に移行しました。透明な価格と哲学ある経営は、若者の支持を集めるにも欠かせず、企業存続にもつながります。追いつかれないためには社員の意識改革、それを徹底するのはトップの役割だということです。

<参考動画>
オンラインSPA(製造小売業)が業界を変える

働き方改革

“長時間労働抑制、非正規雇用格差是正、兼業・副業の普及拡大。これらが2016年8月に安倍政権が閣議決定した経済対策の目玉、「働き方改革」の中身である。成長率達成も少子化対策も、日本人の働き方と無縁ではないからだ。今後の「成長と分配」の好循環を実現する策の成否を握るのは、働く人の立場や視点を取り込めるかどうか。シンプルだが重要な課題だ。”

「人生三毛作」と考えると「40歳」で折り返す意味と意義がよく分かる

 働き方改革の目的は、国際競争に勝つ生産性の構築にあります。企業に余力のない現在、スキルアップは個人の課題ですが、社会の変化はあまりに速く、ストレスも多いのです。そこで40歳で「蓄積から転換」に切り替えることを奨めるのが柳川範之教授(東京大学大学院)。高齢時代の人生を「三毛作」ととらえれば、それぞれ別の仕事で活躍ができます。そう考えてこそ、多様な働き方が実現できるのです。

<参考動画>
「40歳定年制」とは?『人生三毛作』で考える

サービソロジー

“勘や経験に基づいたこれまでの経営から、科学的・工学的アプローチを用いてサービスイノベーションのプロセスを創出しようとするのが「サービソロジー」。2012年、サービス学会設置の際に誕生した造語である。今や日本経済の4分の3を占めるサービス産業の生産性を向上させることは、国民一人当たりGDPを引き上げることにもつながる。”

「モノ作り立国」の考えを、サービス中心にシフトするには

 「モノ主体の経済はガラパゴス携帯を生み、サービス主体の経済がスマホやタブレットを生んだ」と解くのは村上輝康氏(産業戦略研究所代表)。2010年代の主流は、顧客と企業が響き合う「価値共創」に集約されています。日本のサービス生産性を向上させるには、高度成長時代に形成された「モノづくり」中心の産業価値観を変革していく必要がありそうです。

<参考動画>
サービス産業の生産性を上げれば日本経済は様変わりする

ブロックチェーン

仮想通貨ビットコインの基盤として開発された情報管理技術。複数の参加者が「ブロック」と呼ばれる単位データを一定時間ごとに生成し、チェーン(鎖)のように連結しながら保管していく。各ブロックには、タイムスタンプと、前のブロックへのリンクが含まれるため、データを遡った変更ができず、自律的管理が可能。システム構築にかかるコストも低いことから、仮想通貨以外の分野にも応用が始まっている。”

メガバンクや中央銀行の主導する暗号通貨も出回ってくる?

 中央管理なしに仮想通貨が送金できるブロックチェーン。政府や金融機関には打撃のはずだが、逆に金融機関がブロックチェーンを戦略的に取り込む動きが活発化しています。藤井達人氏(三菱UFJフィナンシャル・グループ プリンシパルアナリスト)によれば、主要各国の中央銀行が発行する通貨と等価で交換できる「ユーティリティ・セトルメント・コイン(USC)」の共同開発もその一つ。2017年9月には国際決済銀行による「中央銀行暗号通貨」レポートも発表され、研究が進んでいるのです。

<参考動画>
仮想通貨は金融市場にどんな影響を与えるのか?

シェアリングエコノミー

“物や場所、スキル、情報などを共有・交換して利用する社会的な仕組み、あるいはそのサービスのこと。「共有型経済」とも呼ばれ、原材料の循環、資源再生、製品寿命の延長、所有からシェアへの転換、製品のサービス化などの方法論が根幹にある。近年、SNSなどを活用して、個人間の貸し借りを仲介するシェアリングサービスがいろいろと登場している。”

典型的な成功例はAirbnbとUber

 学習院大学で経済学を教える伊藤元重氏が2015年末に注目したシェアリングエコノミーは、2年で大きく世界に広がっています。典型的な成功例はAirbnbとUberで、その基盤は情報技術。見方を変えれば、自動車業界はアップル、ホテル業界はFacebook、金融業界はGoogleにしてやられたともいえるでしょう。社会も経済も変動する時期こそ、ビジネスチャンスは多いのです。

<参考動画>
企業はIoTやAIにどう対応すべきか?

フェイクニュース

“うそやでたらめの情報でつくられた、事実ではないニュースのこと。主にSNSなどインターネットを通じて拡散されるが、それによって社会的な混乱を招いたりする場合もある。2016年、イギリスEU離脱に関する国民投票やアメリカ大統領選では、多くのフェイクニュースの拡散によって、投票行動に大きな影響を与えたという批判もある。”

ソーシャルメディアの「負」の活用が、トランプ陣営勝利を生んだ

 2016年の米大統領選をソーシャルメディア上の情報戦として分析しているのは吉田正紀氏(元海上自衛隊佐世保地方総監)。根拠のないフェイクニュースをはじめ、短時間での情報の陳腐化、同じ信条の人の意見ばかりに接する「エコーチャンバー」効果、ジャーナリストや報道機関の権威失墜等々。トランプ陣営が有効活用したSNSの負の側面は、彼の暴言同様に効果を発揮したということです。

<参考動画>
ソーシャルメディアの負の側面を活用したトランプ陣営

北朝鮮問題

“北朝鮮による一連のミサイル発射および核開発に関する問題。北朝鮮は、2017年8月29日に日本上空を通過する弾道ミサイル発射実験、9月3日に6度目の核実験を行ったが、これは北朝鮮がアメリカまで届く核兵器を保持する可能性が非常に高いことを示している。11月6日、トランプ米大統領は日米首脳の共同記者会見で北朝鮮の核・ミサイル開発に対して「文明世界と国際平和の安定に対する脅威だ。傍観しない。戦略的忍耐の時代は終わりだ」と発言した。”

核恫喝する北朝鮮は、自国の破壊を賭けても地位を保全している?

 北朝鮮問題を「独裁政・寡頭政・民主政」という古代ギリシアからの歴史的観点に重ねるのは山内昌之氏(歴史学者)。金正日氏の独裁政治は、無責任な軍事挑発により自らを戦争の瀬戸際に追い詰めています。事態をより深刻にしているのは核所有によるパワーバランス。自国の破壊を賭けてでも核を使用するのでしょうか。そのジレンマにおいて鍵を握るのは、金正日氏に他なりません。

<参考動画>
総選挙の論点の一つともなった北朝鮮の脅威への対応

全世代型社会保障

“安倍政権が「高齢者中心から全世代型へ」転換するとしている社会保障制度。「世代を問わず一人ひとりが安心して暮らせる社会を実現するため、子どもからお年寄りまで、切れ目なく全世代を対象とする社会保障の充実」を図るとして、具体的な対象分野を社会保障4経費(子ども・子育て、医療・介護、年金)としている。”

全世代を包摂する社会保障システム構築に増税は避けられない?

 劇的に社会構造が変化した日本には、全世代型社会保障が求められています。しかし、これを実現するには高負担を国民に納得してもらう必要があると、島田晴雄氏(首都大学東京理事長)は話しています。異常膨張した財政債務の克服、高齢者急増による負担増への対応に長期の大幅増税が必要な今こそ、日本が新しい安心社会を築くための痛みを受け入れる時期なのかもしれません。

<参考動画>
日本が直面する財政危機のリスクを回避する方法とは?

人生100年時代

“長寿時代の生き方を説いたベストセラー『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著。2016年10月日本語版発刊)で注目となった言葉。安倍政権は人生100年時代を見据えた経済・社会システムを実現するための政策のグランドデザインにかかる検討を行う「人生100年時代構想会議」を2017年9月より設置している。”

長寿社会を大きな市場とし、高齢社会対応産業を基幹産業に

 100年生きるには、個人の覚悟も社会の整備も必要だ、と話すのは秋山弘子教授(東京大学高齢社会研究機構)。個人の課題は、人生100年の多様な設計。社会の課題は、ソフト・ハード両面でのインフラ整備。両方のキーとなるのが、産業界の柔軟な対応です。長寿社会を大きな市場とし、高齢社会対応産業を基幹産業に育てるのは、長寿フロントランナー日本のミッションなのです。

<参考動画>
人生100年時代を迎えた日本の3つの課題

ドローン

“遠隔操作や自動制御によって無人で飛行できる航空機のこと。英語の「drone」とは,ハチの羽音、あるいは雄蜂を意味する言葉で、そこから転じて小型無人機に使われるようになった。もともと無人偵察機や無人攻撃機など軍事目的に開発されたが、立ち入りのできないインフラの点検や宅配、農薬散布など、民間ビジネスへの応用が進んでいる。”

ドローンは便利?危ない?どこでどう飛ばせばいいの?

無人航空機ドローンの普及には恩恵とリスクの両側面があります。そこで過去に起きた事例の原因分析を生かすドラッカー流未来予測を勧めるのが航空宇宙工学を教える鈴木真二教授(東京大学大学院)。安全性確保のための厳重な規制で技術発展が阻害されては、人類は進歩しなくなります。ヒューマンエラーの予防も複雑な機器操作の問題も、過去に学ぶことは多いのです。

<参考動画>
新技術導入の成功・失敗例にみる今後のドローンのあり方

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