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DATE/ 2018.01.12

幸福学の第一人者が教える、幸せになるためのエクササイズ

 「幸せ」とは何でしょう。『実践・脳を活かす幸福学 無意識の力を伸ばす8つの講義』(前野隆司著、講談社)には、「幸せな人とは、夢や希望や強みを持ち、つながりと感謝を持ち、前向きかつ楽観的に、自分らしく生きる人」、「あるいは、自分を信じ、他人を信じて生きている人」とあります。

 他方、「不幸な人とは、夢や希望や強みを持てず、孤独でうしろ向きかつ悲観的で、人の目を気にしすぎる人。自分を信じられず、他人を信じられない人」とあります。

 あなたは「幸せな人」でしょうか、それとも、「不幸な人」でしょうか。たとえ今、不幸な人だとしても、前野氏は誰もが幸せな人になれると述べています。この前野氏の著書をもとに、幸せな人になる方法を探っていきたいと思います。

 前野氏はロボットや脳科学の研究を経て、「人間にかかわるシステムならばすべて対象」「人間にとって必要なものを創造的にデザインする」という方針のもと、理工学から心理学、社会学、哲学まで、分野を横断して研究する、幸福学の日本における第一人者です。主な著書に『脳はなぜ「心」を作ったのか 「私」の謎を解く受動意識仮説』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』(講談社)があります。ちなみに、『実践・脳を活かす幸福学 無意識の力を伸ばす8つの講義』は「どうすれば人は幸せになれるのか」という問いに対する決定版として執筆したと、まえがきに綴っています。

現代人が陥っている5つの病

 現代人は5つの病に陥っているといいます。それは、どうせやっても無駄と考える「学習性無気力」、自分の能力なんてこんなものと考えてしまう「学習性無能力」、どうせ自分にはこの困難は解決できないと思い込む「学習性問題解決能力欠乏感」、かなわない夢なんて持っても無駄と決めつける「学習性夢欠乏症」、どうせ自分は幸せになれないと思ってしまう「学習性幸せ拒絶反応」の5つです。そして、誰でもこうした思い込みを捨て去り、幸せになれるというのが前野氏の考え方です。

 では、実際に幸せな人になるためにどうすればいいのでしょう。次に挙げる4つの因子を高めていけばいいといいます。

幸せの4つの因子とは

 幸せの4つの因子とは、「やってみよう!」「ありがとう!」「なんとかなる!」「ありのままに!」。驚くほどにシンプルで分かりやすい表現ですね。それぞれの因子の内容は次のように説明されています。

 まず第1因子「やってみよう!」は、コンピテンス(強み)、社会の要請に応えること、人生が変化、学習、成長に満ちていること、自己実現できていること、など自分の自己実現や強み、成長に関連した因子。第2因子「ありがとう!」は、人を喜ばせることや親切などの利他性や、愛されていること、感謝していることのように、人とのつながりに関連した因子。第3因子「なんとかなる!」は、前向きで楽観的であることに関連しており、第4因子「ありのままに!」は、人の目を気にしすぎず自分らしく生きていることに関連しているということです。

 第1因子から第4因子までをまとめると、次のように言うことができます。「(1)夢や目標や強みを持ち、(2)つながりや感謝や利他性を大事にし、(3)前向きかつ楽観的に、(4)自分らしく生きている」となります

4つの因子を高めるエクササイズ

 大事なのはここからです。幸せになるために、どうやって4つの因子を高めていくかという話です。ここでは、一番簡単な方法をご紹介します。

 次の第1から第4因子に関する問いに答えるというものです。
・第1因子に関する問い:あなたの夢や目標を、身近なものから壮大なものまで3つ書き出してください。
・第2因子に関する問い:家族、友人、職場や学校の人、世界中の人から町、日本、世界、宇宙まで、感謝することを3つ書き出してください。
・第3因子に関する問い:あなたが前向き楽観的にやっていること、やろうと思っていることを3つ書き出してください。
・第4因子に関する問い:あなたが、あなたらしく、ありのままにできていないことを「これからは自分らしく〇〇する」のように反転して3つ書き出してください。

 前野氏は、4つの因子を高める最も簡単なエクササイズとして、以上のことを書き出すだけであなたは変わり始めると紹介しています。それは、自分の声を耳で聞いたり、書いた文字を目で見たりすることによって、記憶として今まで以上に明確に定着させることができるため、その結果、無意識のうちに、あなたの夢や目標に関係のある情報に触れたとき、自然と目がいったり、何か行動に移しやすくなると考えられるからです。

 書くだけで幸せに一歩近づくことができる。そして、筋トレと同じように、何度も繰り返すことで幸せ力は高まる。また、家族や友人、同僚など複数人で一緒に行うのも効果的とのこと。こう聞くと、幸せになるのは決して難しいことではないと気づかされます。大事なのは、エクササイズですから、とにかく試してみることではないでしょうか。

<参考文献>
『実践・脳を活かす幸福学 無意識の力を伸ばす8つの講義』(前野隆司著、講談社)
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062208154

<関連サイト>
ヒューマンシステムデザイン研究室
http://lab.sdm.keio.ac.jp/maenolab/index.htm
前野隆司氏のホームページ
http://lab.sdm.keio.ac.jp/maeno/index.html

(10MTV編集部)

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