テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2018.05.24

気温差5度以上で要注意!寒暖差疲労とは?

 春は寒暖差の激しい季節です。寒暖差が激しいと体調を崩す人も多いですが、その原因のひとつである「寒暖差疲労」という症状をご存じでしょうか。今回は、その寒暖差疲労について解説します。

寒暖差疲労とは

 暑い時には汗をかくなど、人間には外気温に合わせて体温を調節する機能が備わっています。この体温調節の役割を担うのが「自律神経」で、自律神経が正常に働くには、一定以上のエネルギーが必要となります。

 気温差が激しければエネルギーの消費も激しくなり、エネルギーが枯渇すれば当然、体は疲れてしまいます。こうした「寒暖差によって疲労が蓄積した状態」を、寒暖差疲労と呼びます。

前日比から5度以上で黄信号

 寒暖差疲労が起きやすくなる気温差は、前日比から5度以上だといわれています。

 季節の変わり目やエアコンのきいたオフィスの出入りなど、常に気温の変化にさらされている現代の日本人は、いわば自律神経がフル回転している状態。特に昨今は異常気象による寒暖差も激しいため、寒暖差疲労の常態化が懸念されているのです。

寒暖差疲労は病の入口になる

 疲労を感じたら、無理せず休むことが第一です。しかしこれを放っておくと、体の機能を整える自律神経が弱まり、

・バテやすくなる
・体がいつも冷える
・だるさが続く
・常に眠気がある
・疲れがなかなか取れない

 といった体の不調が起きやすくなります。免疫力も低下するので感染症にかかりやすくなり、深刻な病気につながる可能性も。

 寒暖差疲労は、放っておくと大変危ない症状なのです。

寒暖差疲労を溜めないコツ

 寒暖差疲労を溜めないためには、急激な体温の変化を起こさないこと、つまり体温の変化をできるだけゆるやかにすることが肝心です。

 特に春から夏にかけては、汗やエアコンによって外気温と体温のバランスが崩れやすい季節。食べ物や飲み物は常温以上のものを摂るようにする、余分な汗はタオルで拭く、ある程度の暑さであれば服装で調節するなどして、体の機能を弱めないようにしたいところです。

 ただし、体感温度と実際の気温はかなり違うこともあります。特に暑くないから、まだ真夏ではないからといってエアコンをかけずにいると、知らず知らずのうちに熱中症を起こすおそれも。

 エアコンを上手に使いつつ、できればリビングや風呂場、トイレなどに温度計を設置し、実際の温度を確認しながら過ごすとよいでしょう。

夏と冬の気温差が100度!?世界のビックリ寒暖差

 「寒暖差に注意」という天気予報が日常茶飯事になりつつありますが、それでも世界から見れば日本の気候は比較的おだやかです。都心であれば夏の気温は30度、冬は0度程度ですが、世界には夏と冬の気温差がなんと100度近くになるという場所があります。それが「世界で最も寒い定住地」、ロシア・サハ共和国のオイミャコン村です。

 オイミャコン村の冬の気温は、マイナス50度は当たり前。1924年にはマイナス71.2度になったという記録も残っています。一年のほどんどが冬で雪に閉ざされていますが、ごく短いながら夏もあり、最高で30度ほどになることも。しかし夏でもまれに0度を下回る日もあるそうで、夏冬はおろか、日中の寒暖差も激しい地域として知られています。

 非常に過酷な場所のように見えますが、村にはガソリンスタンドや図書館、空港もあり、500人もの人が日々の暮らしを営んでいます。寒すぎて菌やウイルスが生存できないため、カゼなどの感染症がほとんどないのだとか。

 オイミャコン村に住む人に「今日は昨日よりも5度以上の気温差があるから、寒暖差疲労に気をつけましょう」などと言ったら、不思議な顔をされそうですね…。

体調を崩さないよう寒暖差疲労に注意を

 オイミャコン村の人はさておき、おだやかな気候に慣れた我々は5度程度の気温の変化でも、体調を崩しがちです。寒暖差疲労に注意して、日々を過ごしましょう。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

OpenAI創業者サム・アルトマンとはいかなる人物なのか

OpenAI創業者サム・アルトマンとはいかなる人物なのか

サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(1)ChatGPT生みの親の半生

ChatGPTを生みだしたOpenAI創業者のサム・アルトマン。AIの進化・発展によって急速に変化している世界の情報環境だが、今その中心にいる人物といっていいだろう。今回のシリーズでは、サム・アルトマンの才能や彼をとりまくアメ...
収録日:2024/03/13
追加日:2024/04/19
桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト
2

「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷

「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷

文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元

日本語の発音は、漢字到来以来一千年の歴史を通してどう変わってきたのか。また、なぜ日本語は「文明語」として世界に名だたる存在といえるのか。二つの疑問を解き明かす日本語学者として釘貫亨氏をお招きした。1回目は古代日本...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/03/08
釘貫亨
名古屋大学名誉教授
3

歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える

歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える

運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」

歴史における「運」とはどういうものだろうか。例えば、富裕と貧困という問題について、「運」で決まるのか、あるいは「運」とは異なる努力、教養、道徳などの要素で決まるのかという点でも、思想家たちの考え方は分かれる。第1...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/04/18
山内昌之
東京大学名誉教授
4

急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(3)インドネシアの成長とトルコの外交力

グローバル・サウスの中でも高度経済成長を遂げているのがインドネシアだ。長期のスカルノ時代とスハルト時代を経てその後に民主化が進んだ、東南アジアで最大のイスラム教国である。また、トルコは多国間に接する地理的特性と...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/17
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
5

ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?

ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?

和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1

日本古来の詩の形式である和歌。しかし、その中身について詳しく知っている人は少ないのではないだろうか。渡部泰明氏が和歌のレトリックについて解説するシリーズレクチャー。第一弾である今回は枕詞についてで、その知られざ...
収録日:2019/03/11
追加日:2019/06/15
渡部泰明
東京大学名誉教授