テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2016.11.22

今年の冬のボーナス平均額は〇〇万円!

 忙しさとはうらはらに、サラリーマンにとって期待の高まる時節となりました。今年の夏のボーナス民間平均額は、厚生労働省「毎月勤労統計」によると、前年比2.3%増の36万5,008円。では、冬のボーナスの平均額は一体どうなるのでしょうか?

大手企業の冬のボーナスは4年連続して増加する!?

 11月4日、経団連発表「2016年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況」(回答は71社の組合員)によると、平均は92万7,892円=前年比0.84%増となり、4年連続で増える見通しとなっています。

 細かく見ていくと、製造業は平均93万5,134円で前年比0.84%増、非製造業は平均71万3,523円で前年比0.21%減となっています。そして、それぞれ業種別では、以下のようになっています。

自動車:99万266円(前年比1.01%増)
化学:88万6094円(前年比2.13%増)
食品:88万1552円(前年比8.91%増)
電機:85万5014円(前年比0.63%増)
造船:83万338円(前年比3.85%減)
商業: 81万2880円(前年比2.80%減)
セメント:77万5058円(前年比1.17%減)
非鉄/金属:75万7470円(前年比2.13%減)
紙/パルプ:69万7772円(前年比3.21%増)

ということで、前年から増加傾向にあるのは「自動車」「化学」「食品」「電機」「紙/パルプ」で、逆に減少しているのは「造船」「商業」「セメント」「非鉄/金属」です。

中小企業の冬ボーナスは2年ぶり増加!?

 上場していない中小民間企業=規模5人以上については、こんな予測があります。

 11月8日、三菱UFJリサーチ&コンサルティング発表「2016年冬のボーナス見通し」によると、1人当たり平均支給額の予測は37万1,676円=前年比0.4%増。伸び幅は大きくはありませんが、2年ぶり増加となっています。

ちなみに厚生労働省「毎月勤労統計」から過去3年間のデータを見てみると、以下となっています。

<民間企業:過去3年間の冬の賞与(事業所規模5人以上)>
2015年:平均370,367円
2014年:平均375,431円
2013年:平均366,865円

 大手と比較するとさみしくはなりますが、増加傾向は喜ばしいことです。

国家公務員の冬ボーナスは一昨年以上に!?

 では、最後に気になる国家公務員のボーナスについてです。こちらも先に過去3年間のデータ(厚生労働省「毎月勤労統計」から)を見てみましょう。

<国家公務員:過去3年間の冬の賞与>
2015年:平均約658,600円
2014年:平均約691,600円
2013年:平均約571,800円
※一般職国家公務員(管理職を除く行政職職員)の平均支給額

 ということで、今年の冬のボーナスですが、こちらも三菱UFJリサーチ&コンサルティング発表「2016年冬のボーナス見通し」によると、管理職と非常勤を除く一般行政職国家公務員の場合ですが、冬ボーナスの1人当たり平均支給額は69万8,500円=前年比6.1%増と、2年ぶりの増加が予想されています。

ちなみに、内閣官房内閣人事局の発表によれば、夏のボーナスは約 63 万100 円=前年比1.6%増で、これは「職員の平均年齢の低下(36.7歳→36.4歳)等により平均給与額が減少した一方、昨年の人事院勧告に基づく給与法の改正により、支給月数が0.05月引き上げられた(1.945月→1.995月)こと」によるものだそうです。上記のボーナス予測はこうしたことを踏まえてのものということです。

 大手企業ほどではないですが、一昨年の平均支給額を上回りそうとのことです。

全体的には昨年よりもアップが期待できそう

 このように、業種的な格差はあるものの全体的に昨年より期待できそうな冬ボーナス。企業の業績は必ずしも好調といいがたく、このパフォーマンスの背景にある、労働需要、基本給の増加による統計数値であることを忘れないようにしたいところです。

 気になる使い途についてですが、2017年、米国トランプ大統領就任からの経済的な影響も見据えつつ、円高傾向から国内個人消費を促進させることで市場の活力を取り戻したい契機でもあります。

<参考サイト>
・厚生労働省「毎月勤労統計」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html
・日本経済団体連合会「2016年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況」
https://www.keidanren.or.jp/policy/2016/098.pdf
・三菱UFJリサーチ&コンサルティング「2016年冬のボーナス見通し」
http://www.murc.jp/thinktank/economy/forecast/bonus/bonus_1611.pdf
・内閣官房内閣人事局「平成28年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/pdf/h28_bonus.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(4)サウジアラビアとイランの存在感

中東のグローバル・サウスといえば、サウジアラビアとイランである。両国ともに世界的な産油国であり、世界の政治・経済に大きな存在感を示している。ただし、石油を武器にアメリカとの関係を深めてきたのがサウジアラビアであ...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/24
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
2

権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう

権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう

民主主義の本質(5)民主主義を守り育てるために

ポピュリズムや権威主義的な国家の脅威が迫る現在の国際社会。それに対抗し、民主主義的な社会を堅持するために、国際社会の中で日本はどのように振る舞うべきか。議論を進める前提として大事なのは「歴史から学ぶ」ことである...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/23
橋爪大三郎
社会学者
3

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

編集部ラジオ2024:4月24日(水)

ChatGPTを開発したことで一躍有名となったOpenAI創業者のサム・アルトマン。AIの発展によって社会は大きく、急速に変化しており、その中心的な人物こそが彼であるといっても過言ではありません。

そんなアルトマンが...
収録日:2024/04/15
追加日:2024/04/24
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
4

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンス美術の見方(1)ルネサンス美術とは何か

ルネサンス美術とはいったい何なのか。これを考えるためには、なぜその時代に古代ギリシャ、ローマの文化が復活しなければならなかったのかを考える必要がある。その鍵は、ルネサンス以前のイタリアの分裂した都市国家の状態や...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/10/31
池上英洋
東京造形大学教授
5

ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る

ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る

オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え

2016年ノーベル医学・生理学賞の受賞テーマである「オートファジー」とは何か。私たちの体は無数の細胞でできているが、それが日々、どのようなプロセスで新鮮な状態を保っているかを知る機会は少ない。今シリーズでは、細胞が...
収録日:2023/12/15
追加日:2024/03/17
水島昇
東京大学 大学院医学系研究科・医学部 教授