テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2016.12.25

社長になりやすいのは×月×日生まれの〇〇さん!?

 多くの事例の類似点をまとめ、法則や理論を導き出す論法を「帰納法」と言いますが、帰納法を使って社長になりやすい条件を見つけることはできるのでしょうか?東京商工リサーチが約130万人の社長のデータを分析しているので、そこから共通項を導き出してみたいと思います。

元日生まれは社長になれる確率大幅UP?

 全社長(130万人)と売上高100億円以上の大企業社長(1.3万人)のデータがそれぞれまとめられており、持ち家率はそれぞれ90.48%、86.76%、趣味の1位はゴルフで43.54%と62.19%。

 これらはさして意外性がないかもしれませんが、面白いのは誕生日。1年365日なので、1月1日から12月31日生まれまで平均的に社長に昇進するとすれば、どの日も「社長率」は約0.27%程度になるはずです。ですが、全社長、大企業社長ともにトップは1月1日(それぞれ0.86%、0.69%)。全社長の数字で見ると、平均の約3.1倍にまで跳ね上がります。2016年12月現在、現役の実業家でも、電通やテレビ朝日の会長、アサヒ飲料の社長が1月1日生まれです。

 全社長の2位は1月2日(0.60%)、3位が1月3日(0.42%)と正月三が日がトップ3を占める結果となりました。「週刊女性PRIME」の記事「日本人にいちばん多い誕生日はアノ日だった」で、厚生労働省による人口動態調査をもとにどの誕生日が多いか分析しているのですが、1月1日は4年に1度しか来ない2月29日生まれに次いで最も誕生日が少ない日だそうです。3番目に少ないのは1月2日と、「社長率」とは逆のランキングになりました。ただ、このデータは1995年から2014年のデータをもとに出されたものなので、現役社長世代(50~60代がボリュームゾーンでしょうか)の頃は違ったのかもしれません。

社長の人数で見れば、佐藤さん、鈴木さんが多いが…

 名字ランキングもなかなか興味深いです。全社長、大企業社長それぞれ上位から以下の順となります。

全社長:佐藤、鈴木、田中、山本、伊藤、
大企業社長:鈴木、佐藤、田中、加藤、山本

 大企業になると、鈴木さんが佐藤さんを逆転しています。「でもどの名字も元々たくさんいるから、社長も多いだけじゃないの?」。その指摘、ごもっともです。そこで、名字由来ネットが発表している各名字のおおよその人数から、日本全国に存在する各名字の割合を算出し、名字版「社長率」と比較してみます。たとえば、日本人のうち佐藤姓は約1.49%ですが、全社長だと1.39%、大企業社長は1.14%。強いて言えば、佐藤さんはたくさんいるわりに、社長になる率はどちらかと言うと高くないと見ることもできます。

「社長界」の中では加藤さんがもっと多い!

 では、全国に存在する比率以上に社長になる確率が高い名字は何なのでしょうか。トップ20の名字を調べてみると、加藤姓は全国の比率0.70%に対し、大企業社長は0.96%。ランキングだと加藤姓は全国10位ですが、大企業だと4位にジャンプアップします。世の中に加藤さんは結構多いけれど、「社長界」の中での加藤さんはもっと多い。つまり、加藤さんは社長になる確率が比較的高いのです。

 以上の統計から無理やりひねり出すと、「1月1日生まれの加藤さん」は社長になる確率が最も高いと言うこともできるでしょう。もし該当される方がいれば、家は持ち家で、趣味としてゴルフをたしなんでおくと、なおのこと良いのでは。

<参考サイト>
・東京商工リサーチ 「130万人の社長データ」調査
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20160916_01.html
・週刊女性PRIME 日本人にいちばん多い誕生日はアノ日だった
http://www.jprime.jp/articles/-/7984
・名字由来ネット 全国名字ランキング
https://myoji-yurai.net/prefectureRanking.htm
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(4)サウジアラビアとイランの存在感

中東のグローバル・サウスといえば、サウジアラビアとイランである。両国ともに世界的な産油国であり、世界の政治・経済に大きな存在感を示している。ただし、石油を武器にアメリカとの関係を深めてきたのがサウジアラビアであ...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/24
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
2

権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう

権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう

民主主義の本質(5)民主主義を守り育てるために

ポピュリズムや権威主義的な国家の脅威が迫る現在の国際社会。それに対抗し、民主主義的な社会を堅持するために、国際社会の中で日本はどのように振る舞うべきか。議論を進める前提として大事なのは「歴史から学ぶ」ことである...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/23
橋爪大三郎
社会学者
3

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

編集部ラジオ2024:4月24日(水)

ChatGPTを開発したことで一躍有名となったOpenAI創業者のサム・アルトマン。AIの発展によって社会は大きく、急速に変化しており、その中心的な人物こそが彼であるといっても過言ではありません。

そんなアルトマンが...
収録日:2024/04/15
追加日:2024/04/24
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
4

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンス美術の見方(1)ルネサンス美術とは何か

ルネサンス美術とはいったい何なのか。これを考えるためには、なぜその時代に古代ギリシャ、ローマの文化が復活しなければならなかったのかを考える必要がある。その鍵は、ルネサンス以前のイタリアの分裂した都市国家の状態や...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/10/31
池上英洋
東京造形大学教授
5

ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る

ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る

オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え

2016年ノーベル医学・生理学賞の受賞テーマである「オートファジー」とは何か。私たちの体は無数の細胞でできているが、それが日々、どのようなプロセスで新鮮な状態を保っているかを知る機会は少ない。今シリーズでは、細胞が...
収録日:2023/12/15
追加日:2024/03/17
水島昇
東京大学 大学院医学系研究科・医学部 教授