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DATE/ 2017.02.11
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業種別にみる2016年「平均年収ランキング」

 転職サービス「DODA(デューダ)」では、国税庁の統計より半年以上も先駆けて「平均年収ランキング2016」を発表しています。ただし、国税庁は該当年12月31日現在、民間事業所に在籍するすべての労働者を対象とした調査(公務員以外の給与所得者はすべて該当)。デューダの統計は2015年9月~2016年8月末までの1年間に、DODAエージェントサービスに登録した約27万人のデータを元に、正社員として就業する22~59歳までのビジネスパーソンの平均年収と生涯賃金をまとめたものという違いがあります。

 つまり、ホワイトカラー以外の業種はもちろん、そもそも転職希望がない人のデータは含まれていないので、この点は留意してみていきましょう。

●2016年平均年収、高い業種はメディカル、金融、メーカー


 2016年の平均年収は、前年比プラス2万円の442万円という数値が上がっています。国税庁調べの420万円(平成27年度)より20万円以上も高いのは、最初に記したデータ特性によるものでしょう。

 デューダでは、「業種別」「職種別」のランキングも公表しています。業種と職種の違いは何?と思われるかもしれませんが、業種は「事業の種類」、職種は「職務の種類」を指すもの。例えば同じ「営業」という職種でも、メーカーの営業職と百貨店などのサービス業における営業職では業種が違うとみなすのです。

 また、国税庁では慣行にしたがって、業種を以下の14に分けています。1.建設業、2.製造業、3.卸売業・小売業、4.宿泊業・飲食サービス業、5.金融・保険業、6.不動産・物品賃貸業、7.電気・ガス・熱供給・水道業、8.運輸業・郵便業、9.情報通信業、10.医療・福祉、11. 学術研究・専門・技術サービス業・教育・学習支援業、12.複合サービス事業、13.サービス業、14.農林水産・鉱業です。

 デューダの統計では、業種分類は10になります。平均年収の高い順に並べるとこうなります。

1.メディカル:529万円
2.金融:485万円
3.メーカー:479万円
4. IT/通信:479万円
5.総合商社:454万円
6.建設/プラント/不動産:421万円
7.インターネット/広告/メディア:417万円
8.専門商社:408万円
9.サービス:379万円
10.小売・外食:363万円

●医薬品メーカーは◎で福祉・介護は△のメディカル分野


 国税庁、デューダをともに、これらのカテゴリーは一般には「業界」と呼ばれる大まかなもの。例えばトップ3の業種のなかでも、明暗はさらに分かれます。

 1位のメディカル業種の中で平均年収より上位に入るのは、医薬品メーカー、医療機器メーカー、CRO/SMO(新薬開発)/CSO(営業)などに限られています。病院/クリニック、福祉・介護、バイオ関連の業種では平均年収に届かない人も多い様子です。

 金融の場合は、投資/投資顧問、信託銀行、証券会社、損害保険、都市銀行、リースなどが平均年収以上のゾーンに入り、生命保険、消費者金融、地方銀行、クレジット/信販は平均以下のゾーンです。上位の中でも投資/投資顧問の人たちは前年比26万円増の平均年収701万円を記録しています。

 メーカーはどうでしょうか。上位グループは電子/電気部品/半導体、家電/モバイル/ネットワーク機器/プリンタ、自動車/輸送機器、機械/電気機器、化学などが平均年収以上。平均年収以下の下位グループに入ったのは、ゲーム/アミューズメント機器、鉄鋼/金属、紙/パルプ、食品/飲料/化粧品、日用品/文具/オフィス用品、繊維などです。

●理容/美容/エステの年収は全業種中のワースト?


 平均年収で下位に位置付けられたカテゴリーの動向はどうでしょうか。残念ながら、小売/外食に分類されるレストラン、量販店/ホームセンター、百貨店などの業種は、平均年収以上を確保していません。

 しかし、サービス業はそうでもありません。マーケティング/リサーチ、エネルギー、コンサルティングファーム/シンクタンクなどの業種で働く人たちは年収の上位グループ。理容/美容/エステ、ホテル・旅館・宿泊、冠婚葬祭、旅行、スポーツ・ヘルス関連、士業関連、人材サービスなどの業種の人たちが下位にランキングされています。

 特に理容/美容/エステは、全67業種中最低の294万円とカウントされています。ただし、これには男女賃金差という慣例も潜んでいます。あくまで各世代全体のデータになりますが、男女の平均年収差は、20代では50万円、30代で111万円、40代で191万円、50代で283万円。理容/美容/エステは女性の多い業界のため、その影響が大きいと言えるでしょう。

 また、冒頭でもお伝えしたように、これはあくまでも「転職を希望している人たち」の平均年収です。高年収で有名な総合商社の商社マンやテレビ局社員などが転職サイトに登録しているとは、考えにくいですよね。


<参考サイト>
・DODA(平均年収ランキング2016)
http://inte.co.jp/r/rd.php?aid=a5840cae5c48ed
・国税庁(平成27年分民間給与実態統計調査結果について)
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2016/minkan/
(10MTV編集部)