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ウズベキスタンはいま世界一経済成長率の高い国

ウズベキスタン訪問に学ぶ(1)世界一成長率の高い国

島田晴雄
公立大学法人首都大学東京 理事長
情報・テキスト
いま、世界一経済成長率の高い国。それがウズベキスタンだ。しかし、国の実情は意外と知られていない。今回、千葉商科大学学長・島田晴雄氏率いる「島田村塾」がウズベキスタン視察に赴き、さまざまな機関と議論して得た知見をご紹介する。シリーズ「ウズベキスタン訪問に学ぶ」第1回。(全3話中第1話目)
時間:13:34
収録日:2015/08/20
追加日:2015/09/28
≪全文≫
●ウズベキスタン視察から得た知見を紹介

 今回は、私たち島田村塾が、ウズベキスタンを訪ねた時の観察から得られたさまざまな知見をご紹介したいと思います。島田村塾については、10MTVの読者の方々はもうご存知だと思いますので多言を要しませんが、30代前後の若い事業家の方々、やがて日本を背負って世界で活躍していただかなくてはならない方々が、これから世界で商売する商品は、おそらくモノではなく、ソリューションです。ソリューションは信用がないと売れません。信用の元とは、やはり相互を理解することで、相手の国の歴史と宗教と文化と価値観を勉強しなくてはなりません。そのためにわれわれは一生懸命勉強しているのです。普段あまり行くことはないけれど、理解を深め合うことにいろいろと意味があるのではないかという国を選んで、1年に1、2回お訪ねするのです。

 今年は、ウズベキスタンを選びました。ウズベキスタンは中央アジアの国です。中央アジアは5カ国で、他にはカザフスタン、トルクメニスタン、キルギス、タジキスタン。ウズベキスタンは、それらの国のど真ん中にあって、「二重内陸国」といいますが、海に行くのにどこか別の国々を通っていかなくてはならないため、そう呼ばれています。人口は3050万人で、中央アジア5カ国の人口の約半分がウズベキスタンにあります。領土からいうとカザフスタンが一番大きく、自然資源も多いのですが、ウズベキスタンは人口が多い。しかも若くて、平均年齢は25、6歳だと思います。これから莫大な人口ボーナスが期待されている国です。

 たまたまウズベキスタンの政府関係の方とお知り合いになれたので、いろいろとお願いしたところ、最終的に、視察旅行ではウズベキスタン政府の全面的な協力を得ることができました。政府の方々、政策関係者、そのほか大学も含めて8カ所の機関と真剣な議論ができたのです。首都はタシュケントという立派な都市ですが、週末にサマルカンドとブハラという二つの観光都市を訪ねてから、月曜、火曜とタシュケントでしっかり議論をするという大変密度の濃い旅でした。

 サマルカンドは、皆さんよく知っていると思いますが、シルクロードのほぼ中心に位置しており、古代シルクロードの中心の一つだった場所で、大変な数の遺跡があります。さらにブハラにも遺跡があり、それらも見学してきました。われわれの旅はそのくらいにして、ウズベキスタンのあり方について少しお話ししたいと思います。


●ロシア革命後、ソ連の民族共和国の一つに

 ウズベキスタンは非常に歴史の長い国です。特に、サマルカンドがアジア最大の都市だった時代があります。13世紀から14世紀のティムール王朝時代で、ローマ帝国に比較できるのではないかというほどの王朝でした。ウズベキスタンの人たちは、いまでも「ティムール王朝こそ自分たちの祖先だ」という誇りを持つ努力をされている感じでした。そうでないとやっていられないのでしょう。ウズベキスタンは、ペルシャ、トルコ、ロシア、インドなどの超大国に囲まれ、数百年に1回はどこかに主導権を取られてきましたから。

 サマルカンドやブハラは、彼らが誇る世界遺産です。一時は遺跡がすすけ、茶色になってしまい、ひどかったそうですが、カリモフ大統領になってから遺跡を磨き込み、青空に「ウズベキスタンブルー」のタイルが映える素晴らしい観光地になっています。彼らはそれを誇りに思いながら生きているのです。

 しかし現実には、ロシアとトルコが戦った時代があり、結局はロシアが勝って、この辺りはロシアに組み込まれました。皆さんご存知だと思いますが、ロシアはダボハゼのように周辺の民族を領地にしていきました。1917年にはボルシェビキ革命がありました。ツァー(※ロシア皇帝の称号のこと)を倒して大混乱するかと思ったら、全然そうではなかったのです。日本はそのときにシベリア出兵をしましたし、ヨーロッパも第1次大戦中で大混乱していたはずですが、彼らはたちまちロシア王朝が獲得した地域、民族を、14の民族共和国として組み込んでしまったのです。分かりやすく言うと「奴隷国」にしたわけです。

 いまもそうですが、ロシアは異様に被害者意識が強い国です。もちろんロシアの領土が生命線ですが、領土のかなり外縁にまで利益線を広げ、それをいつも維持しなければならないと思っている。それほど外部への恐怖感が強いのです。ナポレオンに攻め込まれた経験、ドイツに攻め込まれた経験があるので、十分な利益線を保たなくてはならないという気持ちがあるのは分からないではないですが、それにしても残酷な国です。個々のロシア人には素晴らしい人が多いと思うのですが。そうした中にウズベキスタンも組み込まれてしまったのです。


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