10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン

必見! 松下幸之助、慈愛ゆえの「本気の叱責」

松下幸之助の人づくり≪1≫真のリーダーとは(11)「猫に小判」じゃ駄目だ―情熱と真剣勝負

松下幸之助
パナソニック(旧松下電器産業)グループ創業者
情報・テキスト
画像提供:公益財団法人松下政経塾
松下政経塾入塾からはや1年が経過した第1期生。しかし、松下幸之助の耳に届いていたのは、覇気のない塾生たちの様子ばかり。一年次修了式の前日、学びの宝庫である販売実習が身に染みていない塾生のふがいなさに、「猫に小判じゃ駄目だ」と、幸之助は静かに厳しく叱責を下し始めた。塾生たちはもちろん、顔面蒼白だ――。慈愛ゆえの幸之助の「本気のお説教」の凄み、そして翌日の修了式でそれを必死に挽回しようとした若き日の野田佳彦氏の塾生代表謝辞の秘蔵映像は必見!(第1章11話目)
時間:12:11
収録日:2015/06/17
追加日:2015/12/14
画像提供:公益財団法人松下政経塾
松下政経塾入塾からはや1年が経過した第1期生。しかし、松下幸之助の耳に届いていたのは、覇気のない塾生たちの様子ばかり。一年次修了式の前日、学びの宝庫である販売実習が身に染みていない塾生のふがいなさに、「猫に小判じゃ駄目だ」と、幸之助は静かに厳しく叱責を下し始めた。塾生たちはもちろん、顔面蒼白だ――。慈愛ゆえの幸之助の「本気のお説教」の凄み、そして翌日の修了式でそれを必死に挽回しようとした若き日の野田佳彦氏の塾生代表謝辞の秘蔵映像は必見!(第1章11話目)
時間:12:11
収録日:2015/06/17
追加日:2015/12/14
≪全文≫

●「猫に小判」じゃ駄目だ~君らは辛酸を舐めていない~


 君らは辛酸を舐めていないだろ。つまり君らは、心眼が開けていない。経営というものについては心眼が開けていない。だから分からない。(経営は、)人の育て方、人の使い方、お得意先に対しての仕事の仕方、その全部を持っている。

 君、「猫に小判」という言葉があるだろ。猫に小判だったら駄目だろう、君は、その猫に小判の方だ。

 だから、そんなふわふわしたことでは何もできない。それは身に染みていない。経営なら経営ということの、大事なことが、身に染みていない。君が身に染みとったら、ぴーんと皆分かる。それを、うかうかしている。ある程度、まあいいところを取ろうと思っているのだろうけれど、その取ろうと思っている熱意が足りない。熱意が強いと、皆ぴんぴん分かる。それではどこでやっても駄目だ。そういうことでは。

 君、猫に小判になったらいけない。小判の価値判断ができるか。小判の価値判断ができなければいけない。だから帰ってきて、その商売というものはあんなに熱心にやらなければいけない、店員を使っていくのにあそこまで細々とした思いやりを持たないと店員は使えないというようなことを、非常に身に染みて分かったといって報告しなければいけない。10人なら10人の人をこうして養成している。その養成でも、引き伸ばすようにしてやっている。並大抵でない。その苦労を察したなら、呑気なことを言っていられない。

 向こうの人がよく動いているというのは、あの社長の下で、社長以下感激してやっているということ。だから1年もいたら、もう立派に間に合う人間になる。そういう一番肝心要のところ、一つの経営体でも、人使いがうまい会社でなければいけない。人使いが下手な会社は成功しない。人使いというものは、非常に難しい問題。

15、6歳のぼんさん(子ども)でも、どういうふうにどう育てたらいいとか、将来こういう大人になるというようなことをよく考えて、いわば痩せる思いで使っている。その思いを察しないといけない。それを察することのできない人では、とっても経営者になれないと、私は思う。

 店に来るお客さんは、ここの店主は経済学博士で有名な人だからといって、物を買おうとは思わない。経済学博士でなくても、ここのおやじさんは学問も何もないけれど、なんとなくその店に行ったら感じがいいな、丁寧に扱ってくれる、置いてあるものもいいな、と思ったら来る。それが成功のもと。


●お叱りのパンチを受けて皆、しゅんとなった/野田佳彦


 やはり松下さんにとっては、販売店といったら、もういっぱい学ぶべき宝庫みたいな所なのに、「君には猫に小判だったのか」というような言葉を使われたので、これは怖かったですね。

 その頃、お怒りモードが2カ月、3カ月続いていたのです。松下さんの耳に入ってくる言葉は、塾生に覇気がない、元気がなくなっているということで、そして直接話を聞いてみると、その程度かというふうに思ったのだと思います。だから、1年が修了する直前に、総括的に話をされたのですが、特定の誰かが叱られたというよりも、もう皆がしゅんとしたのです。「お前ら、そんなもんか」と。猫に小判というのは特定の誰かに対してではなく、「お前たち、そんな程度でやっているのか」というようなお叱りを受けまして、そんなパンチを皆が受けて、しゅんとなりました。

 それは、22、3歳の大学を出たての、あるいは、多少社会人の経験者もいましたが、2...
テキスト全文を読む
(1カ月無料で登録)
会員登録すると資料をご覧いただくことができます。