10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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一番大事な構造改革は将来志向の人材を育成する教育改革

いまアメリカが日本に問う(4)日本が歩むべき道

ジェラルド・カーティス
政治学者/コロンビア大学名誉教授
情報・テキスト
少子高齢化問題は解決策がなく、思い切った移民政策も打ち出せない状況下、日本が今後生き残っていくためには、どのような道を歩むべきなのか。カーティス氏が語る。
時間:09:51
収録日:2014/03/06
追加日:2014/04/03
少子高齢化問題は解決策がなく、思い切った移民政策も打ち出せない状況下、日本が今後生き残っていくためには、どのような道を歩むべきなのか。カーティス氏が語る。
時間:09:51
収録日:2014/03/06
追加日:2014/04/03
≪全文≫

●解決策が見つからない少子高齢化問題


やはり何よりも大変なのは、高齢化。そして女性が子どもを産まないということ。高齢化、少子化問題の解決策は、なかなかないのです。
女性にもっと働く機会を与えるべきだという意見については、そうだと思うのですが、そうなると、働く女性は、余計に子どもを産むことを躊躇するようになります。
また、日本は非常に食べ物がおいしいし、健康食品も多いじゃないですか。それで、いわゆるメタボの問題について、日本では結構騒ぐのですが、ぼくみたいな外国人から見れば、アメリカのように、本当にものすごく太っている人はめったにいません。マクドナルドばかり食べている日本人の中に最近そのような人もいることはいますが、めったにいません。
ですから、本当にobesityという、太りすぎの問題もないから、アメリカ人がなりやすいいろいろな病気にはならないのです。
健康的な生活をして、自分の健康に注意を払い、健康保険制度で毎年検査をしてもらったりするから、ますます高齢化して、ありがたいことに、なかなか死なないのです。ですから、長生きして、しかも子どもが産まれない。それでは、 安倍さんが何かをやろうと思っても、解決策はありません。

●日本が歩むべき道


そして、日本は、大きな移民国にはとてもなれないと思います。オリンピックまでに、建設業で労働者が足りないから、外国人を一時的に入れても、移民をたくさん受け入れる国にはなりません。
ぼくには日本の財界にいろいろな友達がいるのですが、彼らから、安倍さんが総理大臣になってアベノミクスを言い出してから、「アベノミクスがあるから、今までのわれわれの会社の戦略を変える」という話を聞いたことがありません。
要するに、今の会社が生き残るためには、やはりグローバル化、グローバリゼーションに対応していくことです。そして、そのためには、生産のローカライゼーション、つまり外国でもっと生産をすることです。それゆえ、外国での生産をやめて、また日本で生産しようということにはなりません。
日本が歩まなければならない道は、ますますグローバリゼーションをして、外国にローカライゼーションをする。生産拠点を外国に持っていく。ただし、日本の国内では、よりハイテクノロジーの分野に力を入れる。あるいは、高等教育の改革をして、イノベーション能力がもっと強くなるような教育をしたり、また、英語を第二国語のようにして、子どもが小さいときから英語を覚える、ということです。

●「カタカナ禁止」で日本人の英語の発音を向上させる


これは余談になりますが、英語を教えるときに何が日本にとって一番必要かと言えば、絶対にカタカナを使わないことです。
日本人が英語の〝milk〟という言葉を頭で見ると、「ミルク」になってしまいます。〝milk〟にはなりません。それは、カタカナによって、日本人の英語の発音がおかしくなっているからです。
日本人は、みなローマ字を読めるじゃないですか。だから、いっさいカタカナを禁止するのです。例えば、英語のクラスで、英語を教えるときには、絶対にカタカナを使ってはいけないことにする。これを基本にすれば、革命的な影響があると、ぼくは確信しています。
ですから、英語をローマ字で教える。絶対にカタカナを使わない。そうしたら、いきなり日本人の発音がよくなります。

●一番大事な構造改革は教育改革


とにかく、third arrow、三番目の矢である構造改革云々は、やるべきことでは...
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