10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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年功序列制と実力主義、グローバルに考えて見直すべきは?

世界標準の危機(5)年功序列の落とし穴

齋藤ウィリアム浩幸
株式会社インテカー代表取締役社長/内閣府本府参与
情報・テキスト
内閣府本府参与として、政府の各種委員会に数多く携わる齋藤ウィリアム浩幸氏は、その出席者の「高名さ」が、新たな息吹を改革案に吹き込むことを阻害し、変化を妨げていると話す。厳しい現実と戦う必要があるからこそ、若くても実力のある者に改革を担当させ、相応の対価を払う「実力主義」が求められる。(全8話中第5話)
時間:03:57
収録日:2015/11/19
追加日:2016/01/21
内閣府本府参与として、政府の各種委員会に数多く携わる齋藤ウィリアム浩幸氏は、その出席者の「高名さ」が、新たな息吹を改革案に吹き込むことを阻害し、変化を妨げていると話す。厳しい現実と戦う必要があるからこそ、若くても実力のある者に改革を担当させ、相応の対価を払う「実力主義」が求められる。(全8話中第5話)
時間:03:57
収録日:2015/11/19
追加日:2016/01/21
≪全文≫

●「若さ」と「新しさ」に欠ける政府主催の委員会


齋藤 霞ヶ関で、私にはよく意味が分からないと思うことがあります。いろいろな委員会に出ます。私ももう数えきれないぐらい、いろいろと委員をしているのですが、そういうものに参加すると、私が一番若いという可能性が高いのです。

── それは間違いないでしょうね。

齋藤 例えば教育の委員会などに出ると、私が一番若いのです。隣にずらっと30人ぐらい座っているのですが、私の年齢の倍ぐらいの人たちがずらっと並んでいるのです。そこで、日本の教育制度をどう変えようとかといった真剣な議論をするのです。

 私は本当に意味がないなと思うのは、彼らの意見です。年功序列があったり、名誉があったりするから、その人たちを呼んでくるという気持ちは分かりますよ。馬鹿にもしていませんし、私よりも断然頭が良いし、もう経験も知識も知恵も圧倒的にあるのですが、ああいう議論で、日本の教育をどう変えていこうかというと困ったことになります。

 教育だけではないですけど、教育は分かりやすいのです。人間は結局、自分が慣れている例を出すのです。自分をそこまで持ってくることができた成功例を出してくるのですよね。ただ、私が横で聞いていると、それはその時にはそうだったかもしれないが、と思います。それが続いているから、今、駄目になっているのではないか。もちろん本人には言えませんが。彼らが言うことのウェイトが、当然私よりも数百倍も大きいから、そこに新しい情報など入ってきません。キラキラしていないですね。

 外の人の話を聞いていて、やはり常に自分をプッシュして、常に新しいことを学ぶとか、常にキラキラさせるというものでないといけないと思います。もう安全牌で、自分たちが今までやってきた成功事例を出してくるというのは、気持ちは分かりますが問題です。歴史物だったらいいですが、これからそれを直そうとしているのに、毎回放り出してもゼロから進まないというあのやり方は、私は問題だと思いますね。

 改革なのだから、新しいことを取り入れるところがないといけない。いつもこういう委員会をやると、これは何を目的としているのだろうかと思ってしまいます。新しいことのインプットがやはり弱い。


●見直すべきは年功序列制だ


齋藤 年功序列と、実力主義で測るか測らないかということは、すごく議論になることだとは思うのですが、グローバルに考えると、もう少しこれ(年功序列制)は見直していいと思うのです。極端な例ですが、私はシンガポールの科学技術庁の委員をしているのですが、その政府の先端のところで、外国の人を呼ぶというのも、そもそもそこですごいのです。日本ではあり得ないですよね。

 その中で、私は直接、向こうの大臣とやりとりをするのです。日本の場合ですと、大臣が会ってくれるなんて、いろいろな理由があって普通だったらあり得ません。しかもシンガポールのその大臣は、私より年下なのです。もともと、関係する産業から来ている人です。そして給与を聞くと、1億円以上なのです。(実力主義とは)そういうようなことですよ。やはり皆さん頑張って経験もしているし、それに対してきちんと対価が払われている。こういうところでは皆、頑張ります。死ぬ思いでやりますよね。
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