10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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内向きならば、世界標準の警鐘を「輸入」せよ

世界標準の危機(8)「ネットワーク」の効用

齋藤ウィリアム浩幸
株式会社インテカー代表取締役社長/内閣府本府参与
情報・テキスト
外国に行って学んだりビジネスをしたりする人は減り、世界最前線の情報と感覚は日本に入ってこなくなった。だとすれば、強烈なメッセージを日本に持ち込み、聞かせればよい。重要なのは、どんな形であれ「ネットワーク」を拡大させることだ。内閣府本府参与・齋藤ウィリアム浩幸氏が至った境地とはどんなものだったか。(全8話中最終話)
時間:04:24
収録日:2015/11/19
追加日:2016/02/01
外国に行って学んだりビジネスをしたりする人は減り、世界最前線の情報と感覚は日本に入ってこなくなった。だとすれば、強烈なメッセージを日本に持ち込み、聞かせればよい。重要なのは、どんな形であれ「ネットワーク」を拡大させることだ。内閣府本府参与・齋藤ウィリアム浩幸氏が至った境地とはどんなものだったか。(全8話中最終話)
時間:04:24
収録日:2015/11/19
追加日:2016/02/01
≪全文≫

●「行かない」ならば「持ってこよう」


齋藤 海外留学をする人も本当にだいぶ減ったし、海外に進出する人もだいぶ減りました。最近では、買収なども少し増えてきましたが、やはり海外とのアクティビティはすごく減っていますよね。そういう意味で、今回の国際会議を頼まれたときに、私にとってすごく良かったのは、日本が海外に出ないのであれば、海外のメッセージを日本に持ってくるしかないなと思えたことです。

 本当に最初は、国際会議と言われたから、日本人は2割ぐらいに抑えておこうかなと思っていろいろ企画して、海外からいろいろな人を何百人も呼んできたのです。結果として日本人は4割ぐらいにはなったのですが、言語はオール英語です。戦いましたよ。「なぜ日本の税金を使って日本でやるのに、英語でやるのか」と言われた。そういう部分も維持しながら、海外からのきついメッセージを、生で聞かせる。NHKなどのメディアも取り上げたのですが、やはり行かないのなら、ここ(日本)に持ってくる。どんどんそういうことをしないといけないと思いましたね。


●広く多様なネットワークが個人と組織の価値を高める


齋藤 今年の夏に、『ネイチャー』にある面白い論文が出たのです。このネイチャーに出るのも面白いなと思ったのですが、その論文の著者たちが測ったのは、人の価値、組織の価値です。それらは、ネットワーク間でつながっています。彼らが何をやったかというと、人の場合ですからLinkedinのデータを使って、友達間を測ったのです。何年スパンかは忘れたのですが、それを測っていると、ネットワークが広く多様性がある人は、成長がない人に比べて、もうグラフ化できる(相関する)のです。

 だから、人の価値、組織の価値はネットワークの大きさによって決まってくる。同じ慶応とかではなく、その広さ、あるいは分野の違いやいろいろな国の違いなどで、その人の成長、肩書きの変わり方、給料もそのネットワークの大きさに連動しているのです。

 企業もそうなのです。企業も、いくつもの取引先とやり取りをしているところと、たったの一つのどこかの下請けというのだと、圧倒的に株価が違うのです。売上の成長も違うのです。


●ブロークン・イングリッシュを携えて、外に出よ


齋藤 私はそれをさらに引いて、国もそうではないかと思うのです。これは仮説ですが、言葉がすごく大事なのです。なんだかんだ言っても、良い悪いをおいておいても、他国とつながっている言葉というのは、やはり英語なのです。その英語というネットワークを通じて、いろいろな人と会話し、友達をつくり、いろいろな取引関係ができます。英語ができる・できないだけで、国の成長率というのは明らかに違いが出てくるのです。日本語を使っていても、世界ではあまり使われないというグラフになっていて、英語や中国語はこう(上向きに)なっている。経済のGDP云々と同じく、グラフ化できるのです。だから、同じネットワークではなく、いかに違う、いかに多様性があるネットワークをつくれるかということとその成長とは、国でも企業でも個人でもすごくつながっている。これはもう、科学的に証明されています。

 世界の共通語は、英語ではなくブロークン・イングリッシュです。にもかかわらず、国際会議やそういう場所に出ても、日本人は、以前は違ったと思うのですが、いま見ていると、失敗をしたくないから、知らない人に声をかけたくない。ひどい場合は、逃げて日本人同士で集まって、海外にいるのに日本...
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