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高速画像処理の分野では、日本が世界をリード!

高速ビジョンが創る未来(7)夢のイノベーションに向けて

石川正俊
東京大学大学院情報理工学系研究科 教授
情報・テキスト
ひと言でいえば、「速さ」がSF映画に出てくるような夢のロボットや技術へのブレークスルーを可能にした。では、その先には、どんな未来がつくられていくのか? 東京大学大学院情報理工学系研究科教授・石川正俊氏がシリーズ最終話として、日本のイノベーションの未来を語る。(全7話中最終話)
時間:03:30
収録日:2016/01/07
追加日:2016/08/20
≪全文≫

●高速画像処理データベースを公開


 このように、高速の画像処理と高速のアクチュエータ、高速のコンピュータをつなげることによって、高速の機械システム、ロボットやヒューマンインターフェース、あるいは、検査装置ができることが分かってきたと思います。こういったシステムは、ロボットや検査装置だけではなく、他にもいろいろと応用の展開が期待されています。

 抽象的に言いますと、速いセンサー、速いコンピュータ、速いアクチュエータの組み合わせは、それ全体でシステムを速くします。システムを速くすると、人間の気が付かないスピードでいろんなことができるということになりますので、人間をサポートするためには重要です。安全を守るにしても、安全を守るだけスピードを速くすることが必要です。機械システムが、安全を認識してそれを回避するだけのスピードを持っている必要がありますので、このスピードは重要だと思っています。

 こういったものは、今までの画像処理に不満を持っていた人たちが、高速の画像処理でブレークスルーを実現しようとする力になっており、さまざまな分野で高速の画像処理が展開されています。

 こういったものに関して、高速に使うことを実際の実験レベルでやりたいのですが、なかなかその高速の映像は今のところ得にくいのです。そこで、われわれの研究室では、高速の画像処理の研究用に、高速の画像処理のデータベースをつくっています。そこへアクセスしていただければ、高速の画像が手に入りますので、高速の画像を使うとこんなにもうまく制御できるということがご理解いただけるかと思います。


●高速画像処理の分野で世界をリードする日本


 また、ここ何年かの間に、半導体の進歩はイメージャーの感度を上げています。感度が上がるということは、高速性も増すということです。つまり、高速性がさらに進んだイメージャーが出てくるのです。それに合わせてコンピュータとアクチュエータをつくれば、もっと速いシステムは実現されるということで、いろいろな新しい応用も考えられています。

 この分野は、世界的に見ても、わりと日本が中心になって進めているものです。イメージャーの世界シェアも日本が高いですし、高速の画像処理でも、日本が世界をリードしていると、われわれは思っています。

 世界的には、例えば、人工知能の応用であったり、ディープラーニングといわれている学習機能をいろいろと入れようといった動きが多々ありますが、基本的なイメージャーと画像処理のところから、正しく、かつ高度の認識を引き出そうということを考えているのがわれわれのスタンスで、その上にある、人工知能のマシーンで自動車を動かそうというのは、まだまだ難しい面が多々あります。よって、きちんと自動車、あるいは、ロボットを動かすところから積み上げていくアプローチを、われわれは取りたいと思っています。この高速の画像処理が、それらに対するブレークスルーを実現するのではないかと考えているのです。
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