10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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自動運転もディープラーニングを使えば実現可能に!

ディープラーニング最前線(3)自動運転と自動翻訳技術

松尾豊
東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 特任准教授
情報・テキスト
ディープラーニングの可能性は、ロボットの認識面だけでなく、自動運転や自動翻訳技術にもその領域を広げている。「ディープラーニングがすごいというより、その先に広がる世界がすごい」と確信する東京大学大学院工学系研究科准教授・松尾豊氏にAI研究の最先端と、この先の展望を解説いただいた。(全4話中第3話)

※テキストの文中に参考動画(YouTube)へのリンクがありますので、併せてご覧ください。
時間:08:15
収録日:2016/04/20
追加日:2016/08/16
タグ:
≪全文≫

●運動系のディープラーニング:ぶつからない車


 次に運動系ですが、運動系の研究もいくつか出てきています。以前にUC Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校)の「だんだんうまく動けるようになるロボット」をご紹介しましたが、その後もいろいろ出てきています。これはトヨタ自動車とPreferred Networksが共同で行っているプロジェクトで、自動運転の車をディープラーニングプラス強化学習によって学ばせるというものです。今年の年初にあった「CES(セス)」というアメリカの展示会で展示されました。

 白い車が自動運転の車で、赤い車が人間の運転している車です。人間が相当乱暴な運転をしているにもかかわらず、自動運転の車の方がぶつかるのを上手に避けながら動いています。


【参考動画1】

Autonomous robot car control demonstration in CES2016
https://www.youtube.com/watch?v=7A9UwxvgcV0


 このように、人間の側が無茶をしても、自動運転の方は上手に避けようとします。これはなぜかというと、試行錯誤をして、何回もぶつかった経験があるからです。ぶつかった経験を重ねながらぶつからないように学習した結果がこれなので、今度はぶつからないように一生懸命運転するわけです。


●箱の中から目的のものを取り出すのは意外に難しい


 こちらは、最近Googleが発表した研究です。ロボットアームを用いて、物がたくさん入った箱の中から目的のものをつかむという研究です。ここでは、ロボットが14台並列に並んで、つかんでは落とし、つかんでは落としということで、つかむ練習を行っています。

【参考動画2】

Large-scale data collection with an array of robots
https://www.youtube.com/watch?v=iaF43Ze1oeI


 これもディープラーニングによる認識に強化学習を加えるという、先ほどと同じ技術を使っています。そうすると何ができるのかというと、たくさんものが入った、こういう箱の中から目的のものを見つけて取り出すことができるようになるのです。

【参考動画3】

One-shot grasping often leads to failed grasp attempts
https://www.youtube.com/watch?v=Q9tDHuidzak


 一見したところ、子どもでも簡単にできることなので、大したことはないように思えます。しかし、信じられないかもしれませんが、これが今までのロボットには難しくて到底できなかったことなのです。

 なぜかというと、彼らにはまず目的のものがどこにあるかを認識することができなかったからです。次に、見つかったとしてもそれをどうやって持つのかということが実は難しいのです。丸いものや長いものでは、それぞれに持ち方が違うからです。長いものを長い方向で持ってしまうと、持ちきれない。どの部分を持つかということも含めて学習する必要があります。そ...
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