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サブスクリプションビジネスで顧客をつかんだオイシックス

IoTの活用とサブスクリプションビジネスの可能性

伊藤元重
東京大学名誉教授
概要・テキスト
コマツ製作所本社ビル(IoTを活用している企業の事例として)
東京大学名誉教授で学習院大学国際社会科学部教授・伊藤元重氏が、IoTで拡大するビジネスチャンスについて、複数の事例を交えながら解説する。鍵となるのは、IoTによって顧客と密接に迅速につながること。そこに「サブスクリプション」のモデルが加わることで、一気にビジネスチャンスは広がるという。
時間:14:16
収録日:2016/11/30
追加日:2016/12/26
タグ:
≪全文≫

●センサーでビジネスチャンスにつなげるIoT


 今、技術革新がいろいろ起こっている中で、「IoT」がいろいろなところで話題になっています。“Internet of Things”ということで、「モノのインターネット」と訳されていますが、モノだけではなく、いろいろなものがセンサーにつながることによって、社会や経済が変わってくると言われています。

 これは多くの人が感じていることです。先日、お台場の東京ビッグサイトで、10万人以上の人が来場するという工作機械業界の展示会が開催されました。そこでお話しした担当者の方も、「今年のキーワードはIoTだ」と仰っていました。具体的には、工作機械に全部センサーを付けて、そのセンサーで何ができるかということが大きなポイントになる、という話でした。

 ご存じのように、コマツ(株式会社小松製作所)は、建設機械にセンサーを付けることによって、例えば中国に売った建設機械がどこで稼働しているかとか、実際に動いているかとか、あるいは故障などのトラブルがあるとしたら、それはどこで起こっているのか、といったことをリアルタイムで分かるようにすることで、ビジネスを広げていきました。つまり、「お客さんとつながる」ことの中から、その延長線上にビジネスが出てきたのです。

 建設機械がつながるのなら、農作業の機械もつながってきます。例えば、農耕器具などでも単に耕作するだけでなく、作物の状態やその他いろいろなことが分かってくるということです。あるいは工場自身がセンサーでつながることによって、工場のいろいろなオペレーションや運営を連動させていくことも可能で、ドイツで今、実験的に行われている“Industry 4.0”も、その形の一つです。モノづくりも孤立した工場や機械の中で、それぞれが運営するのではなく、つながっていくことで得られる情報やシステムを共有することになるのだろうと思います。


●定期購読的なビジネスモデルを最近「サブスクリプション」と呼ぶ


 そういう中で、今回、IoTに関して一つ話題を提供したいのですが、以前にも同じコンセプトでお話ししたかと思います(2016年9月17日配信「サブスクリプション・ビジネスーデマンドサイドから考える」)が、もう一度ぜひお話ししてみたいと思うのは、いわゆる「サブスクリプション」(subscription)というビジネスモデルについてです。

 サブスクリプションとは日本...
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