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浜松市の外国人は約2万人、定住化の中で活躍する第2世代

浜松市の多文化共生の取り組み(5)共生の時代と浜松宣言

鈴木康友
浜松市長
情報・テキスト
現在、浜松市には2万人を超える外国人が暮らしており、その8割以上が長期の在留資格を有している。彼らは明らかに「移民」であり、また日本で生まれ育った世代の活躍も目立ってきている。こうした現状を踏まえ、浜松市長・鈴木康友氏がインターカルチュアル・シティ(ICC)という新たな都市政策の考え方を紹介する。(全6話中第5話)
時間:11:37
収録日:2016/11/17
追加日:2017/01/25
≪全文≫

●外国人住民の長期滞在化・定住化傾向は強まっている


 続いて「新たな共生の時代と浜松宣言」についてお話しします。改めて浜松市の外国人市民数の状況を振り返ってみます。外国人市民数の推移を見てみると、1988年には3,000人にも満たなかった外国人の数が、1990年の改正入国管理及び難民認定法の施行から急増し、2006年には3万人を超えました。その後、リーマンショックの影響から減少しましたが、ここ2~3年はおよそ21,000人と、横ばい状態が続いています。ちなみに、浜松市における外国人市民数は21,549人です(2016年10月末現在)。

 またすでに説明したように、在留資格別で見てみると、本市の外国人の実に85パーセントが、長期で滞在する在留資格を持っており、定住化が着実に進んでいます。

 外国人の子どもたちにも定住化の影響が見られます。現在、浜松市の公立小中学校には、約1,500人の外国人の子どもたちが在籍しています。外国人住民が最も多かった2008年が1,700人ほどでしたので、200人程度の減少にとどまっています。外国人全体の減少率と比較すると、その割合が圧倒的に少ないことがお分かりいただけると思います。

 家族で移り住んだ外国人の方は、少々の経済的な変化では帰国したりせず、長期滞在しており、究極的には永住を望んでいると考えられます。彼らのこうした状況は明らかに移民です。今後、こうした外国人住民が増えていくことを想定すれば、彼らとの摩擦を避けるためにも、建前上は移民政策を回避している政府の方針を転換しなければなりません。


●「日本生まれ・日本育ち」の外国人住民


 外国人の滞在期間が長期化する中、「日本生まれ・日本育ち」の外国人も増える傾向にあります。平成28(2016)年4月に小学校1年に入学した外国人163人中120人、73.6パーセントが「日本生まれ・日本育ち」の外国人の子どもとなっています。1990年の改正入国管理及び難民認定法の施行から25年以上が経過し、すでに第2世代・第3世代の時代に移っており、多文化共生の安定期に入ったといえます。

 外国人を受け入れると、犯罪が増え治安が悪化するという誤った認識がありますが、決してそのようなことはありません。グラフを見れば分かるように、全国的に見ても犯罪は減少していますし、全検挙件数に占める来日外国人の割合は2.6パーセントにとどまっています。

 静岡県内における過去10年間の推移を見ても、来日外国人の刑法犯検挙は、件数・人員ともに減少しており、浜松市内においても同様の傾向にあります。浜松中央警察署管内では、平成26(2014)年と27(2015)年を比較すると、検挙件数が約44パーセント、70件の減少となっています。


●若い世代の外国人住民の活躍


 次に、多文化共生が安定期に入り、第2世代が活躍している一つの事例として、外国にルーツを持つ「COLORS(カラーズ)」という若者グループの活動を紹介します。COLORSは浜松周辺で活動する、外国にルーツのある若者グループで、「Communicate with Others to Learn Other Roots and Stories」の頭文字をとって「COLORS(カラーズ)」と称しています。

 「同じ境遇にある学生や高校生を応援する活動がしたい」という志から、就職ワークショップの開催や、地元企業の人事担当者や外国にルーツを持つ社会人の先輩たちを招いた就職セミナーの企画運営をしています。また、県内の定時制高校へ出かけ、自身の体験談などを後輩たちへ伝える出前講座も実施しています。

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