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心を込めた対話が、人と人との問題を解決する

人間力をつけるために(9)すべては対話から

浜口直太
経営コンサルタント
情報・テキスト
人間力をつけるための9個目のポイントは、対話を重視することである。経営コンサルタントの浜口直太氏はそう述べる。社会における全ての問題は、人と人との間で起きるから、解決には対話が必要である。対話においては、言葉で理屈を示す以上に、言葉に心を込めることが重要である。(全10話中第9話)
時間:10:30
収録日:2018/03/19
追加日:2018/05/31
ジャンル:
≪全文≫

●人間は人と人との間に生きる存在だから対話が重要


 皆さん、こんにちは。9回目になりましたが、今回は、「すべては対話から」始まるということが、人間力をつける際の大前提だという話をします。

 われわれは結局のところ人間なのですが、人間という字は人の間と書きます。人間は、人と人がいるから、その間で成り立っているということです。人間は、たった一人では何もできないし、生きていくことはできません。

 動物も人間も群れをなして暮らしています。前にもお話しましたが、動物の欲求の中で特に基本的なものに、食欲と性欲に加えて、集団欲というものがあります。動物や人間は、集団から離れて一匹ないし一人でいる時間が長くなると、精神が壊れていってしまうと言われています。そういうことで、人間というものは、周りに他の人がいないと成り立たないということがいえます。


●人間社会で起きる問題は、全て人と人との間の問題である


 人間社会では、さまざまなトラブルが生じてきます。それらは全て、人と人との間のトラブルです。経済の問題や、国と国との国境の問題、あるいは戦争もそうですが、これらも全て人間の間の問題です。一見するとこれらは、お金の問題であったり、国の境の問題であったりするように、思えるかもしれません。しかし実のところ、これらは全て、人間対人間の問題です。ですから、お互いに妥協をすることができれば、すなわち、落としどころさえ見つけることができれば、解決することができます。

 したがって、人間力においては人間と人間との関わり合いということが大事です。そして、その関わり合いの鍵となるのが対話力です。これは、もろもろのこと全てにおいてそうです。対話とは言葉を発して話すことです。行ってみれば、それはコミュニケーションを取ることです。


●外見や表情や声がコミュニケーションの70パーセントを占める


 これは法則としてよくいわれていることですが、コミュニケーションにおいては何に基づいて判断がなされるかといいますと、言葉の部分はたったの30パーセントで、残りの70パーセントの要素は、外見や表情や声です。皆さんは今、私の話を聞いてくれていますが、実は、私の言葉の中身よりも、話している声の調子であったり外見であったり、そういったところで、判断が結構なされています。

 声や表情などが70パーセントということですから、同じ言葉を発する場合でも、暗く元気なく話しているときと比べると、たいした内容ではなくても堂々と話していると、これはすごく説得力があります。ですから、前にもお話ししましたが、明るく元気に話すことが重要なのです。

 これは応用されてしまうと本当に困るのですが、詐欺に引っかかってしまう人がよくいます。世の中には、怪しい講演もいっぱいありますが、そういったものに引っかかってしまう人もいます。私は、なぜ多くの人が詐欺に引っかかってしまうのかと思い、怪しい講演やセミナーに行ってみたことがあります。

 すると、そういった怪しい講演などに共通するのは、本当に変なことを言っているのですが、それを堂々と語っているということです。当たり前のことを諭すように、100パーセント間違っていないという確信を持ってしゃべっているのです。そうすると、最初は怪しそうに聞こえても、人間というものは不思議なもので、自信満々に語られてしまうと、受け入れてしまうのです。

 そのようにして世の中には、変な宗教であったり、変な集団であったり、間違ったリーダーによって引っ張られている人が出てきます。特に有名なものが、ドイツのアドルフ・ヒトラーです。ヒトラーはスピーチの達人でした。正々堂々と本当にうまい表現を使っていて、気付いたら彼の周りの人は皆ファンになっていました。多くの人が彼のスピーチに魅了されたのですが、それは、スピーチの中身よりも、正々堂々としゃべっていたことによります。仮にヒトラーが元気なくしゃべっていたら、全く説得力がなかったと思います。


●人を動かすコミュニケーションは、理屈ではなく心がこもっている


 コミュニケーションには、それだけの力があります。人間は感情的な動物ですので、論理的に話をされても理解はできますが、それで説得されて行動に移すかというと、そうでもありません。人間が本当に行動するときというのは、本音で語られて、心から感動したときです。つまり、心や情を伝えることが非常に重要となります。ですから、本当に相手を説得して動かしたいと思うときには、理屈を言っただけでは無理です。多少の理屈や理論は大事ですが、最後に人を動かすのは心の方です。特に、心のこもった、愛のある言葉です。

 愛がこもっていれば、それは表情や声に現れてきます。しかし、愛がなければ、言葉はそれだけで一人歩きして...
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