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東京-名古屋間を40分で結ぶ夢の超高速鉄道

東海道新幹線50周年と海外展開(2)21世紀の新たな飛躍 超電導リニア(SCMAGLEV)

葛西敬之
東海旅客鉄道(JR東海)代表取締役名誉会長
情報・テキスト
東京-名古屋間を40分で結ぶ超電導リニア(SCMAGLEV)。21世紀の新・鉄道革命として50年以上にわたり開発を進めてきた。その技術の強み、開発経緯、海外展開、社会的インパクトとは。JR東海の葛西敬之名誉会長が語る。(後編)
東京-名古屋間を40分で結ぶ超電導リニア(SCMAGLEV)。21世紀の新・鉄道革命として50年以上にわたり開発を進めてきた。その技術の強み、開発経緯、海外展開、社会的インパクトとは。JR東海の葛西敬之名誉会長が語る。(後編)
≪全文≫

●21世紀の新たな飛躍「超電導リニア(SCMAGLEV)」


 鉄の線路の上を鉄の車輪で走る鉄道とその進化形である高速鉄道(新幹線)が完成した一方で、今度はさらなる新技術、21世紀に独特の飛躍した技術が、いよいよ技術的に完成して、今これから現実にそれが建設されようとしています。それが超電導磁気浮上式鉄道(超電導リニア)です。

 超電導磁気浮上とはどういうことかを簡単に説明します。ある種の金属の温度をどんどん下げていくと、最終的にある一定のところで電気抵抗がゼロになります。この現象を超電導現象といいます。今われわれが使っているチタンと銅の合金、ニオブチタン合金というもので作った線材の場合、マイナス263℃で超電導現象を起こします。そうすると、絶対零度がマイナス273℃ですから、液体ヘリウム(マイナス269℃)を使った冷凍機の中にニオブチタン合金のコイルを入れておくと、超電導磁石になります。超電導磁石は抵抗がゼロですから、電気抵抗がありません。ですから、どんなに大きな電流を流しても熱を持ったりすることはありませんし、比較的細い電線でも大量の電流を流すことができるので、小型の磁石が大変強力な力を持つのですね。そこで、この超電導磁石を動力源として浮上させ、かつ走行させようという仕組みが、超電導磁気浮上式鉄道です。現在、山梨県で実験線全区間43キロメートルが、実用線のスペック、スペシフィケーションで完成して、盛んに走行実験をしています。

●東京-名古屋間を40分で結ぶ夢の超高速鉄道


 この技術の開発に着手したのは1962年でした。東海道新幹線が開業する2年前です。そのときに、東海道新幹線で東京-大阪間が3時間になるのであれば、その次には1時間のものを作ろうという目標で開発に着手したのです。しかし、国鉄は経営が悪化したために、あまりはかばかしい開発ができませんでした。

 JR東海になってから、その計画をわれわれが引き継いで、山梨に18.4キロメートルの、いずれは実用線として使える土木構造物を使ってシステムの研究をし、コアシステムが完成して、そして今約43キロメートル、実用コアシステムで超電導磁気浮上式鉄道が出来上がっているということなのです。

 この超電導磁気浮上式鉄道は、まず東京~名古屋間に建設しようとしています。中央新幹線の東京~名古屋間は290キロメートル弱ありますが、東京の中で土地を買うことはもう不可能ですから、大深度地下を利用します。大深度地下とは、公共的な目的のために使う場合、40メートルよりも深いところは地上の土地所有者の所有権が及ばないという法律です。これを利用して、東京、神奈川は大深度地下に敷設、そして所々でモグラのように地表に顔を出します。山梨の甲府の駅は地表です。東京は地下。神奈川も橋本の駅が地下。そして南アルプスをトンネルで抜いて、飯田で地表に顔を現わし、恵那をまたトンネルで抜いて、中津川で顔を出し、それからまたあとはトンネルを抜きながら、最後、愛知県は大深度地下に入って名古屋駅に結ぶというルートで、東京~名古屋間を40分で結ぼうという計画が進んでいます。

 工事に全面的に着工するのが、おそらく今年の秋頃ではないかと思っています。そのうち実験線43キロはすでにできていますから、7分の1はもう完成しているということになります。ですので、あと7分の6を作らなくてはいけないということになります。

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