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「スマートウエルネスみつけ」推進に向けた4つの柱

スマートウエルネスみつけの実現へ(2)健康施策4つの柱

久住時男
元・見附市長
概要・テキスト
新潟県見附市で行われている地方創生事業「スマートウエルネスみつけ」の中心は、4つの柱からなる健康施策である。しかし、新潟県見附市長・久住時男氏によれば、この健康施策は、まちの設計や都市の在り方そのものを考え直すことから出発している。(全5話中第2話)
≪全文≫

●健康施策のための4つの柱


 「スマートウエルネスみつけ」で目指されているのは、健康施策です。実は私が市長になった際に健康の話をすると、いろんな議員が「健康なんて税金でやる必要はない」「おかしいんじゃないか」「病気の人が治るなら良いが、健康な人がより健康になるために、お金を出していいのか」という反発がありました。16年前は、このような状況だったのです。こうした反応がある中でも、思い切って施策を進めていきました。これから、そのプロセスについて説明していきます。



 私は健康施策を進める上で、まず4本柱を立てました。食生活、生きがい、健(検)診、運動です。これらは今、全国のどの健康施策でもやられることだと思います。後で説明しますが、大学を含めた施策のための研究会を行っていくと、健康を考えるためには、まちの設計や、都市設計、都市のあり方自体が重要であるということが分かってきました。これらが健康に大きく影響を及ぼしているのです。

 こうした中で、プラチナ大賞を受賞する前の2017年(平成29年)6月に、第1回コンパクトシティ大賞を頂きました。この審査の前提として、まず国の11省庁の課長級以上23人が集まり、2年間、人口減少少子高齢化社会を乗り切る都市設計の方向性が議論されました。2017年(平成29年)3月にその方向性が決まり、これに基づいて全国の1741市区町村が分析されました。5月に10のモデル都市の一つとして、見附市が選ばれました。その後、2017年(平成29年)6月にコンパクトシティ大賞が審査され、第1回の受賞地域として、見附市が選ばれたのです。


●コンパクトシティの発想転換


 従来の国が考える「コンパクトシティ」とは、将来のインフラ維持のために、できるだけ合理的に人口密度を集約するようなまちであり、そうした考えに自治体はあまり賛同できませんでした。私どもは、自治体や地域運営をする際、中心だけが生き残れば良いという発想を持っていません。やはり集落や文化があるところは残し、切り捨てるべきではないと考えています。

 見附市でこうした議論をした際、私は人口が減る以上、中心市街地がコンパクトになるのは仕方がないと言いました。しかし同時に、集落も同じような形で残さなければならないので、その部分もある程度集約する必要を主張し、そこで「コンパクトヴィレ...
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