10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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「始まりはチーム、発展はグループ」 日本人が苦手なのは?

イノベーションを起こすチームの力

齋藤ウィリアム浩幸
株式会社インテカー代表取締役社長/内閣府本府参与
情報・テキスト
なぜ日本人はチームづくりが苦手なのか? どうすれば世界を牽引するイノベーションを、日本で生み出すことができるのか? 10代でベンチャー企業を起こし、世界と渡り合ってきた齋藤ウィリアム浩幸氏が、世界に通用する組織の活かし方を語る。
時間:11:03
収録日:2014/07/25
追加日:2014/09/10
≪全文≫

●創発はチームで起こし、運営はグループで


── 齋藤さんはチーム力についての本(『ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く』2012年/日経BP社)を出版されました。あの本は非常に重要なことを指摘されていると思います。中でも齋藤さんの考えるグループとチームの区分けについて、それらは必要な時期が違うという点について、お話をお願いできればと思います。

齋藤 最近よくイノベーションやグローバルというテーマで講演に呼ばれます。また大学の授業でも教えたりしていますが、イノベーションというものは、S字型のカーブを描いて普及していきます。最初はSの字の下の方です。新しく出た製品で、マーケティングシェアも少ない。主にお金持ち、オタクといったコアな層が買います。それがだんだん緩やかに伸びていき、やがて急成長する段階があります。これがSの字の真ん中あたりです。広く一般に広がり、普通の家庭の人が買うようになる段階です。そしてSの字の上の方になるとお年寄りなども買うようになり、いずれSの字が徐々に低迷して、また次の世代に移っていくというパターンです。過去、およそどんなイノベーションもこのパターンを描いてきました。

 人間の歴史を見ると、そのイノベーションのSの字の始まりは、ほとんどがチームです。

 私が考えるチームの概念はこうです。2人、もしくは、2人以上の人が集まり、ある開発をして新しい産業を生む。そのチームというのは、イエスマンの集まりではありません。歴史上の事例を見ても、文系と理系の組み合わせなど、活発に議論する2人が集まり、お互いの強みと弱みを補完しあい工夫しあう、そういうチームが何か新しいものを生んで、S字型のイノベーションを実現する。この集まりが私がチームと呼ぶものです。

 チームの運営の仕方を、私はリーダーシップと呼んでいます。それで、ここが大事なところなのですが、リーダーシップがチームを動かすものだということは重要なキーになります。なぜかというと、リーダーシップの元にある語、ルートワードは〝lead〟で、辞書で引くと分かるように、「新しいことをする、新しいことを学ぶ」ということです。チームが新しいことを学び、発明をする。

 そして、それがだんだん安定し、S字カーブの真ん中の急成長する段階ではグループが大事になってきます。この段階では、グループで、例えば大量生産やコストダウンや小型化や品質アップというようなことに取り組みます。日本はここが非常に強いです。そして、そのグループ運営をするのがマネージメントなのです。というのも、マネージメントのルートワードは〝manage〟、つまり「運営する、管理する」という意味です。ルールや規制を決めたり、大量生産のシステムを構築したりといった、S字型カーブでいえばちょうど中央あたりの段階です。日本はこのグループ運営が得意だということで有名になりました。

 以上のようなことを、私はこれまでにも説明してきました。

 今回、ここで言いたいことは二つあります。一つに、やはりリーダーシップとマネージメント、この二つの言葉は使い分けなければなりません。今申し上げたように、イノベーションのライフサイクルとして、リーダーシップがチームを動かして新しい発明が生まれる。それを量産化するグループは、マネージメントという方式で運営をするということです。


●イノベーションのサイクルは、どんどん短くなっている


齋藤 もう一つは、その中で結局いま何が起こっている...
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