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日本人は “空気を読まない”方が良い!?

日本の再生戦略―パッションとビジョン

齋藤ウィリアム浩幸
株式会社インテカー代表取締役社長/内閣府本府参与
情報・テキスト
1980年代のアメリカで弱冠10代からベンチャー企業を起こし、日本企業の支援の下で成功を収めた齋藤ウィリアム浩幸氏は、今、日本の次世代を支援する活動を行っている。その齋藤氏が、日本人の意識を変え、日本を再生させる方法を説く。
時間:19:32
収録日:2014/07/25
追加日:2014/09/26
≪全文≫

●日本で次世代の支援をしないと罰が当たる


―― 今回は、日本の再生戦略についてお話しいただければと思っています。齋藤さんはアメリカで育ちながら、日本経済が一番パワーを持っていた1980年代に、日本企業との関わり合いの中でベンチャー企業を起こし、成長させました。それから20年以上経って、なぜ日本経済がこのような状況になってしまったのか、というところから始めていただいてもよろしいでしょうか。

齋藤 それは今、私が日本に来ているいきさつにもつながるのですが、私はまだティーンエイジャーだった大学生時代から、日本のさまざまな大企業に大事な仕事をいただいてきました。正直、その頃関わった皆さんにはかなり迷惑をかけました。納期もあってないようなもので、予算はいつもオーバーしていました。

 それでも私たちを信じていただき、支援していただけたからこそ、幸いにしてビジネスを成功させ、会社を売却することができたのです。しかし、そのまま引退生活を送るのはつまらないので、次に何をしようかと考えて、ここまで来ることができました。それは日本企業のおかげです。

―― 10代の齋藤さんにけっこう重要なパーツの作成をお願いしてしまうなど、80年代の日本企業の人たちはおおらかだったのですね。

齋藤 そうです。少々老けて見えたのが有利に働いたのでしょうし、電話やファックスを使って、ひそかに遠隔操作でエンジニアたちに頑張ってもらうなどの工夫もして何とかやってきた側面もあるのですが、確かに今よりも余裕はありました。その余裕のおかげで心強い支援があった一方で、いろいろと厳しい指導を受けたことも事実ですが。

 会社を売却した後、何をしようかと考えたとき、10代はともかくとして、今の日本の20代に私のようなチャンスがないことが気になりました。そこで、次世代の支援という恩返しをしないと罰が当たると考えて日本に来たのです。しかし来てみると、知らないうちに日本が元気を失ってしまっており、日本人として悲しかったです。


●もともと備わっている日本人の意識を磨けばよい


―― 80年代に齋藤さんが出会った日本と、2004年にやって来て見た日本では、景色がずいぶん違っていましたか。

齋藤 世代間の差を感じます。今でも私が付き合っている友達は、多くが1世代、2世代上の方々です。同年代以下の友達はそれほど多くありません。今まで付き合ってきた人たちは、まだ成功の思い出が残っているといいますか、自信があるといいますか、80年代とあまり変わっていません。ただ、これからマスとなり、日本を変えていくはずの同世代より下の人たちには、少し元気が感じられません。

―― その状況に対して、齋藤さんは、そのマスの人たちを元気にしようと、さまざまな形のトライアルをされています。

齋藤 私としては、80年代当時、本当に日本にいてよかったと思っています。振り返って考えると、日本の20年前は、アメリカも含めて他の国から憧れられていました。教育システムは整備されている。皆、頭が良い。産業もすごい。工場や研究室の設備は最新で、政府や法律などもそれなりにしっかりしている、さらに治安が良くて、安全・安心が担保されている。

 では、その日本が20年で何が変わったかといえば、実は蓋を開けると、物理的には何も変わっていません。土地が少なくなったわけではないですし、むしろ産業は以前より良くなっている。教育面でも、若者たちは20年前よりも頭が良くなっている。変わったのは、意識です。日本人は、自信の持ち方や、果敢にトライするハングリーさをどこかで失ってしまいました。

 そう考えると、日本は他の国に比べれば、まだラッキーな状況です。やはり日本人で良かったと思います。教育システムやインフラなどを一から作り上げるには、何十年の間、何兆円もかけなくてはなりません。それらが全部そろっているのですから。

 皆さん、意識改革はそれほど簡単ではないとよく言いますが、私は、別に意識を新しくつくる必要はないと思います。そうではなく、皆さんにもともと備わっている意識や可能性を磨けばよいのです。必要なのはその意識改革だけですから、他の国に比べれば大したことではありません。その点、日本はグローバル競争において、非常に有利な立場にあると思います。


●“失敗”を“経験”と置き換えた方が良い


―― 齋藤さんは、頼まれたら何事にも“Absolutely,Yes”と答えるとお聞きしています。これはすごいことだと思います。

齋藤 半分冗談で言いますが、私はもう“Yes,Yes”としか言わない病気にかかっているようなものです。ただ、本当に何事もやってみないと、何が起こるか、どんなことにつながるかは分かりません。ご縁というのは本当に不思議なものですから。

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