10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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君たちの時代、2050年にはどうなっているか

2050年の世界を考える―プラチナ条件(2)エネルギー自給

小宮山宏
東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長
情報・テキスト
2014年8月3日開催「プラチナ未来人財育成塾@会津」におけるプラチナ構想ネットワーク会長・小宮山宏氏講演「2050年の世界を考える」を収録。次の世代を担う中学生たちに向けて、小宮山氏が熱く語りかける。(全17話中第9話目)
時間:04:25
収録日:2014/08/03
追加日:2014/10/03
2014年8月3日開催「プラチナ未来人財育成塾@会津」におけるプラチナ構想ネットワーク会長・小宮山宏氏講演「2050年の世界を考える」を収録。次の世代を担う中学生たちに向けて、小宮山氏が熱く語りかける。(全17話中第9話目)
時間:04:25
収録日:2014/08/03
追加日:2014/10/03
≪全文≫

●2050年、エネルギー消費量は半分以下に減るはずだ


 僕はエネルギーの専門家です。自分の専門の職業として、エネルギーの仕事をしてきました。その僕がずっと以前から提案しているのは「エネルギーを自給する国になろう」ということです。

 「日本には資源がない」と言われますが、よくよく考えてみてください。今の日本で使っているエネルギー量を100とすると、将来はどうなるのか。君たちがやがて迎える2050年までには、確実に半分以下に減るでしょう。このことは賭けてもいいぐらいです。

 今の大人は誰も、そういうことを言いません。長期的なことを考えていないのです。君たちはぜひ考えてください。なぜかというと、ここには「人工物」と書きましたが、家の数も車の数も飽和しているからです。


●エネルギー効率が上がるから、ガソリン消費は毎年減る


 先に「日本の車の数は5800万台から増えない」と言いました。12年経つと古い車がスクラップになって、新しい車に替わるということでしたね。そうすると、どうなるでしょう。12年前に売れた車と、去年あるいは今年売れた車では、ガソリンの食い方が全然違うということになります。これを「エネルギー効率が上がる」と言います。

 僕は、10年以上使った車を7年前に買い替えました。すると、それまで東京で8キロ/リットルだったのが、今は22キロ/リットルで走るようになったのです。ガソリンの消費量は3分の1、半分以下になっているというわけです。

 車の数は増えない。燃費はよくなる。そうなると、ガソリン消費は減ります。事実、すでにガソリン消費量は年間1.5パーセントぐらいずつ減っています。

 君たちの時代、2050年にはどうなっているか。1.5パーセントずつ40年間減れば、それだけで60パーセントの減少になりますね。

 後で出てきますが、家のエネルギー消費も減ります。これは、いくらでも減らすことができるのです。


●燃料自給の可能性は高い。では今何をするべきか


 このようにして、エネルギー消費は減っていき、再生可能エネルギーである太陽や風力や地熱やバイオマスや水力を総動員すれば、これくらいエネルギーを供給することは十分に可能です。

 そうすれば、70パーセントの自給率は簡単に達成できますし、そのときのエネルギーはとても安価になります。今はまだ少し高価ですが、最初にお金を払って太陽電池をつくっておけば、後はもう君たちの時代にもずっとそれが発電し続けてくれますから。

 これが、今何すべきか、ということなのです。

 僕たちが子どもの時代、「日本は資源のない国だから資源を買わなくてはならない」と言われました。そのために製品を売ってお金を儲ける。これが「加工貿易」という考え方で、社会科の教科書にも出ていました。君たちもそう習っているでしょう。

 しかし、それはうそです。今、君たちの時代にそう教えるのは、うそになります。これからは、加工貿易ではやっていけない時代になります。それについては、もう少しして最後に言いましょう。
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