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「21世紀の新しい成長モデル国」への目標数値

2050年の世界を考える―プラチナ条件(6)2050年に資源自給国家を目指す!!~一緒に未来を創ろう

小宮山宏
東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長
情報・テキスト
2014年8月3日開催「プラチナ未来人財育成塾@会津」におけるプラチナ構想ネットワーク会長・小宮山宏氏講演「2050年の世界を考える」を収録。次の世代を担う中学生たちに向けて、小宮山氏が熱く語りかける。(全17話中第13話目)
時間:04:12
収録日:2014/08/03
追加日:2014/10/07
≪全文≫

●未来への提案-資源自給国家の実現


 これが僕の君たちに対する提案です。国にも提案していますよ。一生懸命しています。それは、「資源の自給国家を目指そう」ということです。

 「エネルギー70パーセント」というのは今、お話しました。「鉱物資源70パーセント」というのは、「70パーセントぐらいはきちんとリサイクルしましょう」という意味です。

 そして、食料は、今40パーセントの自給率ですが、70には上げられます。ちゃんとやろうということです。

 それから、木材は、日本は今25パーセントしか自給していないのです。国土の65パーセントの森林があるのに、もう森林のうちの5分の1ぐらいしかちゃんと林業をやっていないのです。ですから、先ほど言ったように、山崩れもあちこちで起きる。ちゃんと林業をやっている所では、山崩れなど起きないですから。ですから、「日本でちゃんと林業を復活しよう」という提案です。これはできます。もう本当にできるのです。そうしたら、木材資源を100パーセント自給して、山崩れなど起きないような国をつくることができます。

 水がある。これは日本にとって大きいことです。もしかすると、21世紀最大の資源になるかもしれません。もう世界中で、水争いが起きることは分かっています。もう水争いが起きているのです。水争いが戦争になる可能性は、もう10カ所ぐらいすぐに思い浮かびます。水が豊富だということは、もしかすると日本の最大の資源かもしれないのです。


●加工貿易という旧モデルから脱して21世紀の新しいモデルを創ろう!


 ですから、加工貿易など君たちの時代には成り立たないでしょう。なぜか? もう論理も明確なのです。なぜかというと、20世紀、君たちのお父さん、お母さんの時代に加工貿易が成り立ったのは、資源が安くて工業製品が高かったからなのです。

 なぜなのだろう? それは、10パーセントの先進国が工業を独占していたからです。9割の国は工業をやっていないから、工業製品を買うために、一次資源、資源を売る以外なかったのです。

 ですから、ソニーが一番元気だった頃、トランジスタラジオという小さなラジオ一つが、コーヒー豆の大きな3袋と等価交換されたのです。あれが、典型的な工業製品と一次資源との交換、工業製品が高くて一次資源が安かった時代ですね。

 しかし、もう違います。中国も工業をやっている、インドでも工業が始まった、タイなどは、もうがんがん工業をやっているという時代ですから、資源は安く買えないし、工業製品を高く売ることができないのです。資源と工業製品との差がもう接近しているのですね。

 そのようなときに、2050年の責任を持つ君たちの時代が、加工貿易などといった僕が小学校のときに習ったようなモデルで成り立つはずがない。それは、20世紀のモデル。21世紀というのはこういうモデルです。今、僕が言ったモデルですよ。

 ですから、僕もやります。2050年まで僕は死なないから。一緒にやります。ですから、「一緒に未来を創りましょう」というのが、僕の一番言いたいことです。
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