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非常に多い耕作放棄地を減らしていくことも一つの方法

2050年の世界を考える―質疑応答(4)日本の食料自給率を高める方法

小宮山宏
東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長
情報・テキスト
 
2014年8月3日開催「プラチナ未来人財育成塾@会津」におけるプラチナ構想ネットワーク会長・小宮山宏氏講演「2050年の世界を考える」を収録。次の世代を担う中学生たちに向けて、小宮山氏が熱く語りかける。(全17話中第17話目)
時間:02:48
収録日:2014/08/03
追加日:2014/10/11
≪全文≫

●カロリーベース食料自給率70パーセントは合理的な目標


―― 先ほど先生は、「2050年までに食料自給率を70パーセントにする」とおっしゃっていましたが、日本では今、日本古来の食事よりも、その後に入ってきた欧米型の食事の割合が多くなってしまい、米の消費量が減ってきているという現実があります。その中で、私たちは日本の食料自給率を高めるためにどのようなことができるのでしょうか。

小宮山 できることはたくさんあると思います。まず、今は社会的な要因から耕作放棄地が非常に多い。それをなくしていく方法もあるでしょう。また、最終的に販売された食料のうち35パーセントが捨てられているというような統計もあり、もう少し有効に使った方がよいという議論もされています。それから、病虫害のために田畑でつくる食料の3分の1くらいが失われているという話もあり、そういった問題がたくさんあるので、これらを解決して、良い状況にしていく方法が一つあるでしょう。

 それから、日本の食料自給率ですが、これにはカロリーの話とお金の話があります。今まで話してきたのはカロリーの話の方で、「日本で消費されている食料品の全カロリーに対して、日本で生産しているカロリーはどのくらいか」を計算したものです。なお、お金の話の方では7割くらいの食料自給率に達しています。

 では、何が食料自給率の計算の分母として大きいのかというと、その一つに牛や豚、鶏などの飼料となる穀物があります。実は、この飼料穀物をもう少し日本で生産できるのではないかということが最近議論されています。

 ですから、「これだけやれば解決する」といった単純な処方箋はないのですが、さまざまな努力をしていけば、カロリーベースの食料自給率70パーセントは合理的な目標だと言われています。僕は、農業の専門家ではないのですが。
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