●アベノミクスが脱却を目指すデフレ経済の特徴
皆さん、こんにちは。スガシタパートナーズ代表取締役の菅下清廣です。今回は、前回、前々回に引き続き、日本の株式市場の波動に基づいて今後の相場展開を予測してみたいと思います。
私は前回、もし今度の解散総選挙の結果、アベノミクスが国民の大多数に支持されるなら、アベノミクス相場第2ステージが始まるだろうと予測しました。それはなぜかと言いますと、アベノミクスとはデフレ脱却を掲げている政策だからです。日本経済がデフレを脱しなければ、皆さんの賃金も上がりません。雇用も拡大しません。株価も上がらず、不動産も値上がりしません。大企業も設備投資を積極的にできない。多くの人が現金を持って何も消費しない。なぜなら、将来に希望が持てないからです。こういう20年があったのですね。これがデフレ経済の特徴です。
●金融緩和から引締め政策へ-デフレ脱却で景気回復段階に入ったアメリカ
こうなっては大変だということを世界中の人々が知っています。2008年のリーマン・ブラザーズ・ショック以降、アメリカもヨーロッパも、全て日本のようにデフレ不況に陥る可能性があったのです。
そこで、アメリカは歴史的な金融緩和を続けて、今回デフレを脱却し、適度なインフレに向かい、そして雇用と景気が改善するというステップに今、アメリカは入ってきています。ですから、QE(Quantitative easing 量的金融緩和政策)1、QE2、QE3といわれたアメリカの歴史的な金融緩和を、2014年10月に終了したのです。金融緩和から、いずれ金融引き締め、利上げへと、今こういう段階に入ってきています。
●注目される選挙結果-アベノミクスが支持されればさらなる円安、株高へ
このように、デフレを脱却しなければ日本経済の再生も復興もあり得ないのです。そういう意味では、私はアベノミクスを支持します。デフレを脱却しなければ、日本経済は強くならない。そのような点で、私は今回の選挙結果に注目しているところです。
前回も申し上げましたように、アベノミクスが支持されれば、一層円安、株高になります。そういう政策をとっているからですね。そして、日銀が物価目標を2パーセント、インフレターゲットを2パーセントの公約を実現するということになりますと、株高、円安が加速します。早ければ、2015年の5月、6月頃までにも日経平均株価が2万円を超えていく、こういうイメージで今、私は株式市場を見ているわけです。
●2015年の株式市場のテーマ「円安、インフレを買う相場」から見る有望企業
12月5日の当社主催の年末特別セミナーでもお話ししたのですが、来たる2015年に、株式市場が活況を呈して株価が上がっていくのならば、どういう企業が活躍するか、どういうセクターが有望かというお話を、今日はしたいと思います。
2015年の株式市場のテーマは、一言でいいますと「円安、インフレを買う相場」になります。「円安、インフレを買う相場」と私が言って、すぐに思い出す代表的な企業を2社挙げてください。どこですか。代表的な企業です。
円安と言えば、トヨタです。インフレを買うと言えば、三菱地所です。したがって、トヨタや三菱地所の株を買うような、こういう相場展開が始まります。インフレによって恩恵がある、資産インフレが起こる。そのことがプラスになるような企業。円安のメリットを享受できるような企業です。
「円安と言えば、輸出関連」と考える方が多いのですが、それだけではありません。もちろん円安になれば、トヨタのようにこの円安のメリットによって利益が増え、売上が伸びるという企業も多数ありますが、円安で一番大きな意味は「脱デフレ」にあります。円安とは、脱デフレなのです。
なぜかと言うと、円高というのは円の価値が上昇します。キャッシュの価値が高まるわけです。なので、企業も個人もキャッシュ、円、現金を大事にして、消費や投資が起こらないというわけです。ですから、どんどん円高になるということは、どんどんデフレになるということにもなります。
したがって、2015年、さらに円安になれば、これはデフレ脱却を確実にしていく、輸出関連も潤うということで、円安、インフレのメリット、享受を受ける企業の業績は格段に良くなるはずです。
●今後の株式相場のキーワードは「イノベーション」
そして、この円安、インフレを買う相場の中で、特に多くの投資家の資産を増やすものは何かと言いますと、キーワードはイノベーションです。
アメリカの株式市場を見ても分かります。一番値上がりしている株式、企業は何ですか。例えば、アップルとかグーグルとかツイッターなどですね。これらインターネット関連です...