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アベノミクスが前進すれば2002年以来の安値の可能性も

円・ドル相場を読む(2)中・長期の見通し

菅下清廣
スガシタパートナーズ株式会社 代表取締役社長/国際金融コンサルタント/投資家
情報・テキスト
マーケットは、量的金融緩和の追加と消費税増税見送りを好感して、株価が上がり、円ドル相場は円安トレンドに入っている。今の円安、株高のトレンドの行方を左右するのは、今回の総選挙の結果だと語る菅下清廣氏。すでに自民党の圧勝という結果は出ているが、相場に影響を及ぼすのはそれだけではない。来年、円ドル相場の波動はどんな動きを見せるのか、菅下氏が占う。(後編)※投資は自己責任でお願いいたします。当サービスで配信している内容からお客様に損失が生じたとしても、責任は負いかねます。
時間:10:02
収録日:2014/12/08
追加日:2014/12/19
ジャンル:
≪全文≫

●量的金融緩和の追加と消費税増税見送りによって円安トレンドへ


 皆さん、こんにちは。スガシタパートナーズ代表の菅下清廣です。今回もまた、前回に引き続き、円ドル相場の波動についての解説と予測をいたします。

前回、短期のトレンドは10月を境に円安トレンドに入った、つまり、10月が円ドル相場の転換点となったと、お話ししました。その理由は、言うまでもなく日銀のQE2、追加の量的緩和があったからです。

 そして、さらに年末にかけて、安倍政権が「消費税増税を見送ってデフレ脱却を確実なものにする」というメッセージを市場に送りました。マーケットは、これらを好感して、株価が上がり、円ドル相場は今、円安トレンドに入っているわけです。短期的には、2007年6月の124円14銭を目指しているところです。

 このシリーズの最初に、「波動には二つの種類があり、一つは、価格の波動、もう一つは、時間の波動」と申し上げました。価格の波動とは、分かりやすく言えば、過去の山・谷、すなわち、過去の高値・安値、過去の天井・底を意識することになります。ですから、マーケットは、次の円の安値として、2007年6月の124円14銭を意識しているのです。つまり、マーケット・モメンタムとして、相場が意識するところは、この2007年の安値なのです。

 もちろん、為替市場に参入し、為替を取引している多くの人々は、このチャートを見て知っています。ですから、ターゲットは124円。2015年に、さらに円安が中長期的に進むとすると、2002年2月の135円、あるいは、1998年の147円が次第に次のターゲットになると予測します。

 しかし、12月8日に121円台をつけたのは、かなり時間的に急ピッチな円安です。相場は、急ピッチに動くと、必ずその後、反動があります。波動からいって、円安相場はどこかで調整され、一度円高に振れて、その後、円安となり、再び円高を目指すというのが、相場のリズム、波動です。今後も円安トレンドは続きそうですし、株高も続きそうです。


●選挙の結果によって、為替相場はいったん円高に振れる可能性がある


 では、何がそういった今の円安、株高のトレンドの行方を左右するかと言いますと、一番近いところでは、12月14日の解散総選挙の結果です。

 選挙の結果、主要各紙が予測していますように、自民党が単独で300議席をとるような圧勝なら、今の株高、円安のトレンドはそれほど大きく変化しないと思います。多少、利益確定売りといった微調整は入っても、大きな流れは変わらない。年末年始に向かって、このまま株高、円安が続くと予測します。

 しかし、もし選挙の結果、予想ほど自民党が勝てなかった場合、マーケットは調整を入れる可能性があります。自民党が予想通り勝ったのか、あるいは、それほど勝てなかったのか、そのボーダーラインがどこなのかは、はっきり分かりません。ただ、少なくとも、公示前の自民党の議席数は295ですから、この295を大きく下回る場合には、為替相場もいったん円高に振れる可能性があります。

 ですから、10~15議席ぐらいまでのマイナスなら、おそらく今のトレンドは変わらないのではないでしょうか。この辺りは、選挙結果を見た後のマーケットを見定めてからになります。


●円安相場が続くかどうかは、デフレ脱却にかかっている


 選挙結果の後の相場は、「相場に聞け」ということになりますが、今のトレンドでは、中長期的には円安が続きます。しかし、それは、自民党が勝利して、安倍政権の支持率が高く続いて、アベノミクスが前進することが前提にあります。アベノミクスが前進することは、日本経済がデフレから脱却することですので、デフレを脱却しない限り、この円安、株高のトレンドは続きません。

 日本経済がむしろデフレ気味になると、株は安くなり、円は高くなります。例えば来年の前半に、日銀がインフレ・ターゲット2パーセントを達成できるかどうかによっても、円ドル相場に大きな影響があります。達成できない場合は、デフレ脱却が停滞しているということで、嫌気される可能性があります。

 また、日銀が公約した2パーセントの達成目標がほぼ実現できないということになると、日銀の信認の問題も出てきますので、金融市場、為替市場に動揺を呼ぶかもしれません。

 もちろん、黒田東彦総裁は、いかなる手段に訴えても、公約している2パーセントは達成すると公言されていますから、もし来年の前半に2パーセントのインフレ・ターゲット(物価目標)が難しいようであれば、おそらく日本版QE3が出るのではないでしょうか。もしQE3が出れば、さらなる円安、おそらく130円台という相場が視野に入ってくると、私は予測します。とにかく、円安相場が続く...
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