10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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リスクと失敗を教えないから皆が保守的になる

現代日本の「自信喪失」と教育の「失敗」

齋藤ウィリアム浩幸
株式会社インテカー代表取締役社長/内閣府本府参与
情報・テキスト
日本はこの25年間で、何も変わっていない。変わったとすれば、自信を失ったことである──教育再生実行会議分科会に有識者として参画する齋藤ウィリアム浩幸氏は日本の現状をこう分析する。自信をなくしたために、親は保守的になり、子どもも将来に夢を抱けない。そして、そもそもの原因は教育にある。日本の教育再生の秘訣が、「ボランティア」と「ホビー」にあるという齋藤氏の真意は何か。
時間:13:23
収録日:2015/02/19
追加日:2015/03/25
日本はこの25年間で、何も変わっていない。変わったとすれば、自信を失ったことである──教育再生実行会議分科会に有識者として参画する齋藤ウィリアム浩幸氏は日本の現状をこう分析する。自信をなくしたために、親は保守的になり、子どもも将来に夢を抱けない。そして、そもそもの原因は教育にある。日本の教育再生の秘訣が、「ボランティア」と「ホビー」にあるという齋藤氏の真意は何か。
時間:13:23
収録日:2015/02/19
追加日:2015/03/25
≪全文≫

●自信を失った日本


── 次の話で、教育再生実行会議でいろいろな方とディスカッションをずいぶんやられていますね。この会議の有識者メンバーでもあるアフラック創業者の大竹美喜さんが、「齋藤さんの話が一番面白い」とおっしゃっていました。実際に参画され、やられてみて、どうですか。いろいろな分科会も始まっています。

 齋藤さんがすごく面白いと思うのは、80年代の日本のいろいろな企業に電機メーカーに育てられた側面があることですね。その時に、非常に前向きで、立派で、リスクを取ってくれるような人たちと出会っているわけですね。それと、齋藤さんが、なぜこんなに日本に元気がなくなってしまったのだろうと思ったことが、日本に戻ってこられた契機になっている。80年代の日本人を育てた仕組みから、今の、あまり夢を抱かない人たち、何がやりたいというわけではなく、とりあえず将来、年収1000万円くらいもらってればいいというような人になってしまったのは、どういう変遷で見ていけばいいのでしょうか。

齋藤 そうですね。明治維新から日本の教育制度があまり変わってないというのがおかしいと思います。あのような会議に私のような変わった人を入れるというだけでも進歩だと思うのですが、こういう話をどう実行までもっていくかというのが、これからの課題ですね。

 私は日本に対して厳しいことを言うので、「齋藤さん、意識改革はすごく難しい。そんなに簡単にできない」と、質問がよく来ます。しかし私は「いやいや違います」と言います。70年代80年代、日本はそれができていました。いま私が言っている話、5Whysやチームワークは、もともと日本でできたもので、それをアメリカが使いこなして、成長しています。日本は、それを変な風に忘れているのです。バブルというのかもしれませんが高度成長の時期は、私からすれば、日本もいろいろなことをやってきたと思います。企業もできて、インフラも素晴らしいものができていました。安全安心の国でもあったし、教育システムもそれなりに頭のいい人をつくってちゃんと輩出していました。そして政府も、それなりにうまく動いていました。

 では25年前と今とで何が違ったかというと、ふたを開けると実は何も変わってないのです。インフラはさらによくなっている。企業がなくなったというわけではない。これには良い面も悪い面もありますが。政府は政府でそれなりに頑張っています。ヨーロッパや中東などに比べると、まだいいくらいですよね。そしてまだ安全安心といえる国です。

 では何が変わったのか。私から見れば二つありますが、一つは言い訳です。いろいろ見ていると、すぐ誰かのせいにします。企業ですと、9・11やリーマン・ショック、3・11などです。株主総会の前に想定問答を準備しますが、最後に「そういった想定外のために駄目だった」というエクスキューズ(弁解)を準備していると感じます。そういうエクスキューズをする中で、「今年はたまたま悪かった、来年は取り戻す」といって、ずるずると知らないうちに25年進んだ結果だと私は思います。何が一番足りていないのかといえば、私は自信を失っただけだと思うのです。皆さんの能力は変わっていない。頭脳も変わっていない。インフラも変わってない。政府の環境も変わっていない。やはり自信の持ち方だと思います。

 自信の持ち方の原因をさかのぼれば、残念ながら、やはり教育ではないかと私は思います。どうリスク・テーキングするとか、どうリスクを超えるとか、失敗を恐れな...
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