10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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現代は「三つのM」に振り回されている

人口減少時代の成長戦略

齋藤ウィリアム浩幸
株式会社インテカー代表取締役社長/内閣府本府参与
情報・テキスト
情報技術やロボット産業の急速な発展により、「シンギュラリティ」は確実にもたらされる。しかし考え方を大きく転換すれば、「シンギュラリティ」は少子化時代に適合した事態でもある。内閣府本府参与の齋藤ウィリアム浩幸氏が、人口減少時代を迎える日本に対応した、新たな成長戦略を論じる。
時間:09:24
収録日:2015/02/19
追加日:2015/04/08
情報技術やロボット産業の急速な発展により、「シンギュラリティ」は確実にもたらされる。しかし考え方を大きく転換すれば、「シンギュラリティ」は少子化時代に適合した事態でもある。内閣府本府参与の齋藤ウィリアム浩幸氏が、人口減少時代を迎える日本に対応した、新たな成長戦略を論じる。
時間:09:24
収録日:2015/02/19
追加日:2015/04/08
≪全文≫

●世界を振り回す「三つのM」


── 「シンギュラリティ(技術的特異点)」という考え方自体、よく浸透していないですよね。概念が分かってない。

齋藤 はい。分かってないです。

── その根っこにあるものがソフトウェアだということですね。

齋藤 ソフトウェアです。

── 英語よりももっと大事な機械語を早く教育に入れさせないと、創造力が膨らまない。

齋藤 スーパー・プログラマーをつくれ、とは言わないけれども、やはり基礎は知っておく必要があります。英語を知るということと同じく、やはりプログラミングの構造を知っておかないとまずいのです。

── 江戸時代の読み書きそろばんですよね。時代とともに、読み書きそろばんの中身も変わります。だから今、四書五経だけ読んでいても仕方がなくて、学ぶべきことがソフトウェアになっている。だったら早くやろうということですね。齋藤さんが言われているのは、今の日本に欠けているもの全部ですね。でもそれを理解している人が、議論の場にそもそもいない。これは相当、難しいですよね。

齋藤 難しいです。ダボス会議でも話題になっていて面白いと思ったのが、世の中が「三つのM」で振り回されているということです。

 一つ目のMは、マーケット(市場)です。マーケットがグローバル化されていて、これだけでも、もう頭が痛い。実際に日本の企業は痛い思いをしています。でもそれはそれで、皆さんが慣れていくしかない。二つ目のMというのが、マザー・ネイチャー(母なる自然)なのですね。環境問題は、もう無視できない。温暖化やいろいろな問題が生じていて、社会人としては、それを認識した上で行動しなくてはならない。これを否定する人はもうあまりいないでしょう。

 そして三つ目のMが、ムーアの法則なのです。ムーアの法則で、エクスポネンシャル(急速な)が「シンギュラリティ」につながる。こういうことを説明すると皆、途中で「ホンマかいな」といって終わってしまうのだけど、これは事実なのです。いろいろな歴史を見ていると、エクスポネンシャル・グロース(急速な成長)によって「シンギュラリティ」になるというのは、時間の問題なのです。「これはホンマか」という問題ではなく、「いつなのか」という問題なのですね。

 ダボス会議を含めて、既に世界中で話題になっているのが、「セカンド・ハーフ・オブ・チェスボード」という概念です。「チェスボードの後半」ということです。今からこれをずっと言っていれば、今年の秋くらいにはNHKが話題にするのではないかと、私は思っているのですけどね。セカンド・ハーフ・オブ・チェスボードの恐ろしさに、日本ではまだ誰も気がついていません。

 ファースト・ハーフ・オブ・チェスボード(チェスボードの前半)の段階ならば、倍々に増えていっても、まだかわいい数字なのです。技術発達の度合いはまだ滑らかで、フラットなのです。ところが、セカンド・ハーフの段階になって、技術発達が倍々になると、とんでもないことになります。これがエクスポネンシャル・グロースになる。これはもう証明されていることで、必ず起こるのです。こうなった時点で、世の中がどう変わるか。

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