10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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掃除、明るく元気、2割の効率化

再生ハウステンボス―三つのポイントで人を動かす

澤田秀雄
株式会社エイチ・アイ・エス 代表取締役会長兼社長 最高経営責任者(CEO)
情報・テキスト
誰もが尻ごみしたハウステンボスの再生にいよいよ乗り出した株式会社エイチ・アイ・エス代表取締役会長・澤田秀雄氏。社長として社員に最初に話した三つのポイントがその後の再生につながるのだが、それは難しい企業戦略やマーケティング理論ではなく、実にシンプルで分かりやすいものだった。「失敗」すら味方にする澤田流企業再生の秘訣を語る。(2015年3月5日開催島田塾第122回勉強会澤田秀雄氏講演「挑戦する勇気、失敗する価値」より、全5話中第2話目)
時間:11:10
収録日:2015/03/05
追加日:2015/04/09
誰もが尻ごみしたハウステンボスの再生にいよいよ乗り出した株式会社エイチ・アイ・エス代表取締役会長・澤田秀雄氏。社長として社員に最初に話した三つのポイントがその後の再生につながるのだが、それは難しい企業戦略やマーケティング理論ではなく、実にシンプルで分かりやすいものだった。「失敗」すら味方にする澤田流企業再生の秘訣を語る。(2015年3月5日開催島田塾第122回勉強会澤田秀雄氏講演「挑戦する勇気、失敗する価値」より、全5話中第2話目)
時間:11:10
収録日:2015/03/05
追加日:2015/04/09
≪全文≫

●ハウステンボスのスタッフにした最初の話


 どのようにハウステンボスを再生したかということに、若干ご興味があると思いますのでお話しします。

 私は、4月が新学期ですから4月1日にハウステンボスに入りました。テーマパークは生まれて初めてやる事業ですから、とりあえず行ってみて自分が半分やらないと分からないし、出来ないと思って、4月1日に入ります。最初にやったのは、約1000人のスタッフがいるのですが、そのスタッフを全員集めました。365日オープンしていますから、半分ずつのシフトで500人ずつ二回に渡ってお話をしました。

 最初に話したのは、「今まで私はいろいろな会社を手掛けて、いろいろな会社を再建してきたので、今から私の言うことをやっていただいたら、黒字になります。皆で黒字にしましょう」ということでした。また、9年間ずっとボーナスが出ていなかったわけですから、「黒字にして、皆でボーナスを取りましょう」と、やる気が出るようにうまいことを言って話したのですが、皆は、「また何言ってんだ、この社長。また新しい社長が来て、分からんことを言って、2年か1年で帰るんだろう」という雰囲気で、しーんとしているのです。笑いも出ないですし、これはもう大変だなと思いました。

 元気と笑顔がなくて、私が話しても全然、笑顔はないのです。なんだか暗いなと思ったのですが、「今から言う三つ、これだけやってもらったら黒字になって年末はボーナスが出ますから、だまされたと思って聞いてください」と言いました。


●大事なのは仕事への自覚と夢や目標を持つこと


 そこで、普通でしたら難しい話、ランチェスター戦略とかマーケティングなどの話をするのですが、もうそういう話をしても全然分からないだろうと思ったので、そういう話は一切しない。ややこしい経営の話もしない。今から言う三つだけやってください、そうしたら黒字になりますよ、と言って、その前座に、「皆さん、何のためにこのハウステンボスをやっておられるのですか」と聞いたのです。

 そして、「皆さんは、素晴らしい仕事をされているのです。お客さまに喜んでいただく、楽しんでいただく、ひいては、感動していただく、こういう素晴らしい仕事をしているのですから、それをまず自覚してください。そのためには、そんなに暗い顔をせずに、ちょっと笑顔でよろしく」と頼んで、とりあえず、素晴らしい仕事をされているのだから、一緒に元気にやりましょうということをお話ししました。

 あとは、「では、5年後にはどういう会社にしてみましょう」ということをお話ししました。私は、夢とか目標が結構大切だと思っています。やはりゴールのない走りは、走れないのです。たとえ50キロでも、ゴールがあるから走れるのです。ゴールというのは、目標とか夢なのですね。夢のない事業はないのですし、目標のない事業もないのです。やれる、やれないはちょっと置いておくことにして。ですから、私は、そこで夢と目標をきちんと話したのです。本当にできるのかな、という顔はされていましたけれども、ここを、いずれ素晴らしい観光ビジネス都市にしますから、と言って、どんどん夢と目標を話しました。その内容はちょっとカットしますが。


●スタッフにお願いしたことの第一は「掃除」


 そのように前座を話しまして、「では、今から三つ言いますね」と続けました。まだ何か言うのかなという感じで、皆、静かに聞いていました。

 その、最初の一つ目。私は、たくさん...
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