10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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少子化の原因は、経済ではなく教育にあった?

「平和ボケ」の代償~優秀過ぎる日本の課題~

齋藤ウィリアム浩幸
株式会社インテカー代表取締役社長/内閣府本府参与
情報・テキスト
日本政府の優秀さは、日本を豊かで安全な国にした。しかし、そこには、硬直した教育システムや非婚化・少子化といった、思わぬ逆説が待ち構えていた。内閣府本府参与・齋藤ウィリアム浩幸氏が、グローバルな視点と独自の時代認識から、「優秀過ぎる」日本に蔓延した「平和ボケ」の代償を語る。
時間:10:27
収録日:2015/02/19
追加日:2015/04/15
日本政府の優秀さは、日本を豊かで安全な国にした。しかし、そこには、硬直した教育システムや非婚化・少子化といった、思わぬ逆説が待ち構えていた。内閣府本府参与・齋藤ウィリアム浩幸氏が、グローバルな視点と独自の時代認識から、「優秀過ぎる」日本に蔓延した「平和ボケ」の代償を語る。
時間:10:27
収録日:2015/02/19
追加日:2015/04/15
≪全文≫

●マシン・エイジ2.0の新たな需要


── 今の日本だと、車なんて年間450万台しか売れません。消費税の増税が先に控えていれば少しは伸びますが、ベースメント(基底)は、せいぜい2人に1台ですよね。そんなところでやっていても、仕方がないですよね。「シンギュラリティ(技術的特異点)」が進むと、現在の多くの仕事がなくなるけれども、代わりにクオリティー・オブ・ライフの部分で、新たな需要はいくらでも出ますね。

齋藤 確かに、雇用はどうするのだとよく聞かれます。おっしゃる通り、車というものが発明された時、馬車を運転していた人には、申し訳ない状態になりました。しかし、そうなれば、馬車の運転手は何か違うことをしていると思うのです。

 「シンギュラリティ」はそこがさらに変わります。日本が大事にしている車産業は、今いろいろなところから攻撃されているため、先にやられてしまうかもしれないと心配していますが、それは別として、人工知能が発達すれば自動運転ができるようになります。ただ、「自動運転は面白いと思う」というのは、マシン・エイジ1.0でしか考えていない人たちの発言です。マシン・エイジ2.0の発想から自動運転がどう社会を変えるかを考えると、ますます皆が車を買わなくなるでしょう。そして、駐車場という概念が無くなります。デパートの地下に大きな駐車場を作る必要が無くなるのです。

 なぜかというと、「シンギュラリティ」が進むと、あと20年で状況が大きく変わるからです。例えば、私が彼女を連れてデートに行きたいとき、どこかに電話してフェラーリを予約するとします。仮に私が運転してフェラーリでちょっと自慢したいと思ったら、電話をすれば、フェラーリが家の前まで自動的に運転してきてくれるのです。そして、乗り込んで運転し、デパートに着いてドアを開け、そのままにしておけば車は自動で帰るのです。そうしたら、一時的に車を止めておく場所も要らないし、駐車場も要らない。保守点検も要らないし、ガソリンも入れなくてよくなります。そうしたら、どんなに世の中が変わるでしょうか。ガソリンスタンドが無くなり、駐車場が無くなります。そういうところでがらっと変わるように、世の中を考えていかないといけないのです。車はシェアリング・エコノミーの中でますます無くなっていきます。また、デパートでたくさん買い物をして、フェラーリには入り切らないけれどSUVなら入るとなったら、SUVが数分後に来て荷物を入れて帰る、というような世界になります。これは考えるだけで頭が痛くなりますよね。

── 生活のクオリティーが、ものすごく上がりますよね。

齋藤 そうです。私の孫の時代になったら、「え、おじいちゃん、高速道路を運転していたの?」と言われるかもしれません。それがどんなに恐ろしく、どんなにばかげたことになるか。

── その変化を面白いと思うか、不安だと思うか。やはりそこなのでしょうね。

齋藤 これは事実なのです。ですから、仕方がないのです。そこから逃げるというのは、あり得ない。だったら、行動パターンを変えていくしかない。そう考えると、始めは教育ではないかという気がします。


●優秀過ぎる日本の「平和ボケ」を実感


── 齋藤さんのような人は、吉田松陰のような存在だと思うのです。

齋藤 うーん。

── 黒船がやってきて、何が起きるかを考えた。あるいは、横井小楠や佐久間象山かもしれない。これはもう仕方がないと見切りを付ける。だってもう産業革命は...
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