●常識が変わっても自分の感覚で選べばいい
浅見 今、そうすべきとか、これが正しいという社会の常識は、数年で変わるじゃないですか。例えば、私が学生の頃、「できちゃった婚」というのは、ものすごく声を潜めて言うような恥ずかしいことでした。それが今や「授かり婚」と言うようになりました。たった数年の間に価値観が大きく変わったのです。
── なるほど、「できちゃった婚」と「授かり婚」ですか。
浅見 当時、そんなことをした人は、針のむしろとまでは言いませんが、でも、やはりまだ恥ずかしい思いをする時代でした。それが今では全く違うというくらい、価値観で変わったのですね。ということは、いい・悪いではなく、本当に自分の好きなスタイルで進んでいけばいいのです。数年後に善悪の価値観が変わっていたりするからです。
── 世の中の「正しいこと」というのは、ある種いい加減ですよね。
浅見 いい加減です。たまたまその時、大人数がそう言っていただけですよね。
── 状況はすぐに変わりますし、しかも、振れ幅がとても激しい時代になってきていますね。
浅見 その社会の常識が変わったとき、いつも自分の「快・不快」、「いい・悪い」、つまり自分の感覚でそれを選んでいた人は、何にもびっくりしませんし、変わりません。
── やはり自分が人生の主人公であるかどうかということですよね。
浅見 その通りです。
── 自分が主人公だと思っていると、そんなに惑わされませんし、どちらがワクワクするか、どちらが「快」かで選んだ方が、たとえ間違ったとしても後悔しないですよね。
浅見 しないですよ。
── 誰かから「これがいい人生だ」などと言われて一生懸命走って、ゴールが近づいた頃になって「どうも違うな」というのとは違います。
浅見 それに、そうなったら、その人のせいにしますよね。
── ええ。ですから、人間関係もうまくいかなくなりますよね。でも、自分が人生の主人公だと思うと、やり方が違ってくるでしょうね。
●トラブルやハプニングも必然かつベストな出来事
浅見 自分が今日考えているプラスのことを思えば、プラスのことがやってくるし、マイナスのことを思えばマイナスのことが起こります。周りの世界は自分がつくっていると思うと、何も怖いものはありません。
私は「偶然」なんて本当に何一つないと思います。どんな小さなことも全て偶然ではないと思っているのです。
── 起きることは全て必然。
浅見 全て必然ですし、ということは、全てベストなのです。一番ベストなことが起こっているということです。
── だいたい自分が強く思う通りに引き寄せてくるわけですね。
浅見 以前に「はっきり宣言する」についてお話ししたように、「こうしたい」のなら、「こうしたいな」ではなく、「こうする」と決めるだけで、必要な方法も人も時期も引き寄せられてきます。
それを感じる一番最初のきっかけは、やはり「自分の本音で選ぶ」ということを日常生活でやり始めることです。すると、「あ、これは全部うそじゃないんだな」と、見えないレベルで全部つながっているという精神世界的な仕組みが分かっていくと思います。
── そこが一番大事なことですね。今、目の前に起きることは全て必然で、偶然はなく、人生は、出会うべき時に出会うべき人と出会うようになっているということですね。
浅見 そうです。ですから、心配しなくてもいいのですね。「こういうことをやる」と思っていれば、それに必要な人は出てきます。
私がよく思うことがあります。夢や望みを実現させるとき、まずイメージをします。そして、実際に自分ができることに進み始めます。すると、必ずとは言いませんが、何か思ってもいなかったトラブルが起こったりするのです。そうなると、「いいことばっかり起こらないじゃないか」と思いがちですが、でも、そうではないのです。その夢や望みを実現させるには、その夢や望みにふさわしい自分にならなくてはいけないわけですよね。そのとき、「あなたがもしこれを実現したいなら、あなたの精神的な部分でここが足りないよ」という自分の足りないところを気付かせて成長させてくれるために、そのトラブルやハプニングが起こるのです。
皆、環境や条件やお金については、夢や望みに近づけるように頑張りますが、人間の心や精神的な部分で、夢や望みに見合った人になろうとはなかなか思いません。また、何にもない日常生活では鍛えることはできません。ですから、それをレベルアップさせるために、トラブルやハプニングが起こる。そう考えると、そのトラブルやハプニングもその夢に必要なことなのです。
── 修行のように、トレーニングしてもらうわけですね。夢に見合う自分にならなくてはいけない。そのままスイスイといく...
(浅見帆帆子著、KADOKAWA/中経出版)