10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録
このエントリーをはてなブックマークに追加

人間関係とはすべからく個人と個人の付き合い

「肩書」と「組織」にしがみつく世代

齋藤ウィリアム浩幸
株式会社インテカー代表取締役社長/内閣府本府参与
情報・テキスト
教育再生実行会議に有識者として参加する齋藤ウィリアム浩幸氏は、日本人にホビーとボランティアの経験が欠けていることが問題だと指摘する。共通の話題がなく、個人同士で関係を築けない人が多いため、定年前後の世代は肩書と組織にしがみつこうとする。彼らは国際会議に出ても、積極的に話すことを恐れ、相手にされないのだ。
時間:06:54
収録日:2015/02/19
追加日:2015/05/07
ジャンル:
≪全文≫

●日本には肩書にしがみつく弊害がある


── 日本は本来、アントレプレナーがいっぱいできる社会なのでしょうね。岩盤になってしまっているような大きい会社からやるより、ゼロからつくった方が早いですよね。

齋藤 確かに、うるさいことは言わないで、あと数年で退職金が出るのだから、そのままでいいという年配の人の気持ちも分かります。でもそういう人は、本当はさっさと引退して、次の世代にやらせるべきなのです。しかし、日本だと肩書が無くなると、ノーバディー(凡人)になってしまいます。通勤に車もいいよねとか、何々報酬があるとか、相談役になったら家にいなくてもいいとか、そういう問題があって、なかなか変わらないのです。

── 30年くらい、家の中でも居場所をつくってこなかったから、肩書が無くなると困りますね。

齋藤 ホビーもないし、ボランティアもできない。

── 友だちもいなくなってしまう。

齋藤 そうすると奥さんとしては、話が違う、やっと自由になったと思ったら、夫が家に帰ってきてしまったという話になるわけです。

── それだと余計に、肩書にしがみつきますよね。だからこそ、外資が出てきて、モチベーションとインセンティブを変えてくれるのです。それで競争相手が強くなってしまったら自分たちも変わらざるを得なくなります。そちらの方が早いのでしょうね。

齋藤 リタイアする人たちに、ボランティアとホビーがあったらどうなっていたかといえば、次の世代をヘルプしているはずです。でも、それがないから、若い人を支援しようという気持ちも、他の国に比べるとないのです。そんなことをやっているよりは、相談役などになって、以前の部下と何かをたくらんだりする方が楽しいのです。

── ボランティアとホビーの経験がない。

齋藤 ないのです。それをやろうともしないし、できないのです。

 私が日本に最初に来た時の話ですが、大きな電機メーカーの部長はいろいろな経験を持っていますので、その経験をベンチャーで生かしたらどうか、ウィン・ウィンではないかと思い、話してみたら、大げんかになり、もう駄目でした。

── 駄目なのですね。

齋藤 駄目です。そういう人は、入ってきても「秘書はどこだ」という話になるのです。ベンチャーだから秘書なんていないのに、です。あるいは、車はどこだとか、そういうところで衝突するのです。若い人がベンチャーをやっていると、息子のような人の話は聞いていられないとなって、崩壊してしまいます。

── なるほど。齋藤さんは経験談がいっぱいあるわけですね。これをやったらどうだろうとか。

齋藤 一応、実験をやった結果ですね。

── それで結論は教育にいったわけですね。

齋藤 どの問題でも線を引くと、本は教育ですよ。

── なるほど。確かにホビーとボランティアをやっていないというのは、驚くべきことですね。

齋藤 60代になってもそれを反映してしまって、問題になっていますよね。

── 確かにそうかもしれない。

齋藤 共通のホビー、共通の会話、共通のボランティアができないことが、大きい原因だと思います。

── そういった共通のものを夫婦でつくっておかないと、コミュニケーションが成り立たないですからね。子どもは独立していきますから。


●国際社会で「付き合えない」日本人


齋藤 それもありますが、国際会議に出ると、日本人は日本人だけになって...
テキスト全文を読む
(1カ月無料で登録)
会員登録すると資料をご覧いただくことができます。