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力を出せずに負けたと気付けたことが大事

清宮克幸の「監督術」(4)敗北の教訓を活かす

清宮克幸
ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機ジュビロ 監督
情報・テキスト
4年前まで2部との入替戦を行っていたヤマハ発動機ジュビロを監督として日本選手権優勝に導いた清宮克幸氏。優勝の要因は、ある試合に敗北したことにあったという。就任時のエピソードを交えながら、清宮氏にその要因について聞いた。清宮氏による「監督術」シリーズ第4回
時間:09:06
収録日:2015/04/09
追加日:2015/07/09
4年前まで2部との入替戦を行っていたヤマハ発動機ジュビロを監督として日本選手権優勝に導いた清宮克幸氏。優勝の要因は、ある試合に敗北したことにあったという。就任時のエピソードを交えながら、清宮氏にその要因について聞いた。清宮氏による「監督術」シリーズ第4回
時間:09:06
収録日:2015/04/09
追加日:2015/07/09
≪全文≫

●監督就任時にプロ選手が残った幸運


── やはりすごいですね。トップリーグ11位で入替戦をやっていたチームが、4年後に日本選手権の決勝戦で勝ってしまうわけですから、これは劇的な話です。

清宮 多くの人にそう言っていただけますね。

── あれは、なかなかない風景ですよね。清宮さんがヤマハ(ヤマハ発動機ジュビロ)に行かれた時、すぐに入替戦をやっていたから、かなりびっくりしました。そんなチームに行って大丈夫なのかなと。あの時、下手をして負けていたら2部ですよね。

清宮 2部からスタートです。

── 2部から上がっていくのは大変ですよね。

清宮 すごく遠回りになっていましたね。

── 主力選手も居なくなっていましたね。

清宮 そうですね。後は歳を取っていくだけです。

── プロフェッショナル契約をしていた人が皆、居なくなってしまい、五郎丸歩選手を含め何人かが残ったくらいですよね。

清宮 いえ。居なくなったのは社員の選手です。

── 社員が居なくなったのですか。

清宮 はい。そしてプロの選手たちが社員として残ったのです。

── それはどうしてですか。

清宮 プロの選手たちは、契約が遅いのです。大体4~5月が契約時期なので、来季の状況を見てから移籍しても間に合うのです。社員の移籍は、スタートが4月なので、2~3月までに話を決めないといけません。

── 普通の会社と同じなのですね。

清宮 そうなのです。社員として移籍しますから。とにかく社員選手の移籍は、話をもらったら直ちに契約しなければいけません。そうすると、2月にシーズンが終わって、あっという間に契約のサインをしていくわけです。例えば、ヤマハの社員だった人がトヨタの社員になるとか、NTTの社員になると言ったら、家族もそんなに反対はしないではないですか。

── それはそうですね。

清宮 ですから、先に社員から行き先が決まっていったのです。残ったプロ選手たちも、すでに話は来ていたので、そろそろ行き先を確定しなければという状況だったのです。

── そこに清宮さんが現れたと。

清宮 それに近い感じかもしれません。ぎりぎりですよ。

── 清宮さんがヤマハに来るタイミングが少しでも遅れていたら、間に合わなかった可能性はありますよね。

清宮 かもしれませんね。ぎりぎりですね。


●言わないと行動に責任が生じない


── でも、清宮さんの場合、「俺たちは日本一になるんだ」という感じでヤマハに来られました。早稲田大学の監督の時も、「俺が優勝させてやる」という感じで入ってこられたわけですし、そこが普通の日本の監督さんと違いますね。

清宮 でも、僕は、言わないと行動に責任が生じないと思ってしまうのです。言わずにはいられないという思いがあるのですね。

── 有言実行で、その方が分かりやすいですよね。

清宮 言ったことができなかったら去るか、あるいは、やり直せばいい。そんな感じはありますね。

── でも、清宮さんはプロフェッショナルですよね。

清宮 プロとしてやらせていただいているので、言うべきことは言う。やはり言葉を濁したくないのです。そういう思いはあります。

── でも、幸いなことに、五郎丸選手、大田尾竜彦選手、三角公志選手など、早稲田大学の時に清宮さんから薫陶を受けた選手が結構いましたね。

清宮 そ...
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