10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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シェア大幅引き上げの外国株式は米国と新興国の比率大

年金改革(3)GPIF運用変更が市場に与える影響

高島修
シティグループ証券 チーフFXストラテジスト
情報・テキスト
GPIFの運用変更、国内外株式の大幅引き上げは、市場にどう影響するのか。2014年10月の発表以降の動きと現状を分析し、今後の動向を見通す。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が語るシリーズ・年金改革、第3回。
時間:10:26
収録日:2015/04/23
追加日:2015/04/30
≪全文≫

●運用変更は続行。基本ポートフォリオ目指す


 最後の第3部です。年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund=GPIF)による公的年金のアロケーションの変更、資産運用方針の変化によって、市場にどういった影響が出てくるのかについてお話しします。画面では資料の3枚目をご覧いただいており、先ほど説明した基本ポートフォリオを真ん中に示してあります。

 繰り返しになりますが、国内債券を35パーセント(これは考え方によるのですが、従来は短期資産やキャッシュとして扱われていたものも、明示されていないものの大半はここに入っているだろうと目されています)、国内株式を25パーセント、外国債券を15パーセント、外国株式を25パーセントという水準に持っていく話になったわけです。

 こういった中、GPIFの運用資産は実際にどうなっているのか。最新状況である昨年の2014年12月末の運用報告の数字に基づくと、国内債券の比率が43パーセント、短期資産が4パーセント、国内株式が19パーセント、外国債券が13パーセント、外国株式が19パーセントとなっています。ということは、この数字は、目標としている基本ポートフォリオからまだ比較的遠い数字になってしまっているということです。

 この12月の数字に至るまでに、昨年の2014年9月からどういった変化が起こっているのかというと、昨年9月末の時点では、国内債券が49でした。これを今回、12月末に43まで引き下げました。そして国内株式が9月末の18パーセントから今回19パーセント台へと上昇。外国債券は12パーセントから13パーセント、外国株式は17パーセントから19パーセントへ引き上げられています。

 こういった運用の変更を10月の発表をまたいで行ってきましたが、昨年12月の段階では、まだ基本ポートフォリオには満たない状況です。ですから、おそらく今も運用の変更が行われていますし、なおかつ、今後もまだ続いていく可能性が高いと考えます。


●外国債券、外国株式の国・通貨比率に着目


 ただ、この運用の変更には、注意すべき点がいくつかあります。

 まず、外国債券と外国株式です。海外資産を増やしていくという観点においては、両者はもちろん同じなのですが、重要なことは、このGPIFは、他の公的年金等と同じようにベンチマーク運用をしているということです。つまり、あるベンチマークに向けて外国債券なり外国株式の比率を変えていくという傾向があります。ですから、それぞれのベンチマークの中において、どういった国、どういった通貨が数多く占めているのかが重要になります。

 外国債券、外国株式ともにベンチマークにはいくつかあります。まず外国債券では、最も代表的なものが、弊社が出しているシティ世界国債インデックス(World Government Bond Index)でしょう。略してWGBY(ウィグビー)と業界では呼んでいます。このWGBYが最も有名なベンチマークとして使われており、おそらくGPIFもこれを一番中心的に見ているだろうと思っています。このWGBYという外国債券のインデックスにおいては、アメリカが約4割、ヨーロッパ、ユーロ圏が約4割を占めていて、残り2割がその他となります。

 一方で、外国株式のベンチマークは、これもいくつかありますが、有名なものには、MSCIコクサイ・インデックス、上場インデックス世界株式(M...
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