10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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50年前に通訳として参加した東京オリンピック

私の東京オリンピック体験“誇りと感動”(1)

島田晴雄
公立大学法人首都大学東京 理事長
情報・テキスト
2020年東京オリンピックの開催が決まったが、島田晴雄氏は遡ること50年前、学生でありながらトップ通訳として東京オリンピックを支えた体験を持つ。新たな感動の祭典への期待をこめつつ、当時の貴重な体験と豊富なエピソードを語る。(前編)
時間:14:57
収録日:2013/10/10
追加日:2014/03/06
≪全文≫

●オリンピック誘致でみせた日本のプレゼン力

みなさん、こんにちは。島田晴雄です。今日は、一つみなさんに楽しいことをお話したいと思います。
つい先頃、2020年のオリンピックが東京で開かれるということが決まりました。これは本当にグッドニュースです。日本の国民全体が、大変喜んだことと思います。安倍総理も運がいいし、猪瀬都知事も運がいいし、よかったと思います。
日本は今、アジアの諸国、特に中国と韓国とは、少々険悪な関係になっています。韓国などは、日本の邪魔をするようなことをいろいろ言ったりしていましたが、見事に東京のオリンピック招致が決まりました。これはすばらしいことです。
最終投票まではスペインが勝つのではないかと言われていたにもかかわらず、なぜ東京が事実上の逆転勝利をしたのか。これは多分プレゼンがすばらしかったからだと思います。高円宮妃のあの本当に控えめな、しかし、しっかり人のハートをつかむスピーチ。まず、「東日本大震災の際にみなさん応援してくださってありがとう、日本は見事に復興しつつあります」と伝えた、このありがとうの心がすばらしかった。
そして、滝川クリステルさんの、「お・も・て・な・し」。全文フランス語でのスピーチでした。また、スポーツ選手もみな頑張って、すばらしいプレゼンをした。プレゼンの力で日本が勝ったような感じです。
私の記憶では、日本人はプレゼンで世界のコンペに勝つということは、あまりなかったのではないかと思います。ものづくりでは日本はすぐれていますから、ものづくりの分野で何度も何度も賞は取っていますけれども、プレゼンの仕方で世界の人の心を魅了して、しかも投票させたというのは、おそらく明治維新以来、近代史で初めてではないでしょうか。そういう意味でも、日本は変わりつつあるのかもしれません。

●オリンピックに向けて-慶應ボート部コックスとしての貴重体験

さて、なぜ東京オリンピックの話をするのかと言うと、実は私は50年前の東京オリンピックのときには、足掛け3ヶ月オリンピックと付き合ったのです。それはどういうことかと言うと、当時アマチュアの青年たちの若人の祭典ということで、オリンピックを支える通訳が、全国から応募した学生さんの中から選ばれることになりました。私は全国から応募した2千人ほどから選ばれた通訳の中のトップ10人の1人にたまたま選ばれまして、そのおかげですばらしい経験をさせていただいたのです。
あの当時そこまでオリンピックと付き合った人は、今はそうたくさん現存しておられないので、私の思い出話も少し皆様の参考になるかと思い、お話をいたします。
それからもう一つお話したいのは、ボート部のコックスという存在についてです。実は私は体が小さいのですが、スポーツが好きなものですから、高校の時代にボート部にスカウトされまして、コックスをやれということになったのです。慶應高校でのことでした。
そもそも、慶應大学というのは、ボートの名門です。これまでオリンピックに、単独の大学で出場した経験があるのは、実は日本では慶應大学だけなのです。慶應大学はヘルシンキオリンピックに出ました。それから、メルボリンオリンピックにも、慶應だけのクルーが出ているのです。あとは、全国混成チームです。それほどの名門なので、東京オリンピックも慶應を中心に編成しようということになって、一番前で漕いで調子を決めるファーストストローク、それからコックス、キャプテン、そういう人は慶應から出そうということになりました。私は全国代表チームのチ...
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