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DATE/ 2017.03.26

20代・30代・40代独身者の平均貯金額は?

 突然ですが、皆さんはどれくらい貯金がありますか。特に独身者の場合、ほかの人がどのくらい貯金をしているのか、知りたいところですが、周囲にはなかなか訊けないですよね。そこで、金融広報中央委員会発表の「家計の金融行動に関する世論調査」「単身世帯」(2016年)というデータを調べてみました。

20代158万円、30代500万円、40代789万円と順調に貯金

 今回は「貯金のある独身者」、20代、30代、40代それぞれの貯金額をみていくことにします。まず20代の場合ですが、最も多いのは「100万円未満」が34%です。一方「1000万円以上」という人も5.8%いるのは驚きです。20代の平均値は287万円、中央値は158万円となります。

 30代を見ると、「100万円未満」「200万から300万円未満」「500万から700万円未満」「700万から1,000万円未満」がいずれも12.9%で、全体的にばらついています。ちなみに1000万円以上貯金がある人は25.4%と、一気に増えます。平均値は957万円、中央値は500万円となっています。

 40代では1000万から1500万円が17.2%、ついで3000万円以上が14.6%。1000万円以上貯金がある人の割合は実に44.3%にものぼります。平均値は1594万円、中央値は789万円です。

 ちなみに、こういった外れ値(極端な値)がある場合、平均値で考えるよりも中央値で考えたほうがより現実に近いのです。高収入の人は1人で大きな数値を出すことになるので、全体の人数で割ると現実的な数値ではない可能性がでてしまいます。というわけで中央値(データを順番に並べたときの真ん中の値)をみると、20代の158万円から30代で500万円になり、40代で789万円と順調に貯金している印象です。

貯金ゼロの人はどの世代もおよそ半数前後

 ここまでの情報は貯金額がゼロではない人の割合でした。実は貯金額ゼロの人を含めると割合が違ってくるのですが、そのなかで貯金ゼロの人は、20代で59.3%、30代で47.3%、40代で50.1%と、どの世代もおよそ半数前後がまったく貯金なしという状態なのです。

 また、年齢が上がると貯金額の平均や中央値は上昇するのに対して、年齢に対する貯金ゼロの比率はあまり変化していません。ただ、年齢が上がっても貯金をする余裕のない人、あるいはそもそも「貯金は必要だ」とは考えていない人など、その理由はいろいろあるでしょうから単純に判断はできませんが、いずれにしても、貯金がない状況では起業、あるいは結婚といった将来への動きが取りにくくなるといえるでしょう。

貯蓄するためにオススメなのは「自動積立型」

 とはいえ、たとえいま貯金がゼロ、あるいは少なくても、貯金(貯蓄)をする方法を身につけることは可能です。オススメするのは「自動積立型」の貯蓄です。

 給与振込銀行口座での「自動積立定期預金」がもっとも早い方法です。無理のない一定金額を積み立てるので、自分の意志の弱さと戦う必要はなくなります。ただ現在は低金利のため、利息は期待できません。

 少しは利息もほしいということであれば、「投資信託自動積立」というものもあります。ネットの証券会社であれば、いつでも確認できるので意欲がわくかもしれません。証券は多少のリスクを伴いますのでそれを承知の上であれば、買い方によってうまくリスク分散させて利益を得ることも可能です。

 ほかにも保険で積み立てる、確定拠出年金で積み立てる、などいくつもの方法があります。自らの未来の自由を確保するという意味では、積み立てという、ある意味強制的な貯金(貯蓄)方法について、ひとつ考えてみてもいいのではないでしょうか。

<参考サイト>
・金融広報中央委員会:「家計の金融行動に関する世論調査」「単身世帯調査](2016年)
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2016/
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