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DATE/ 2017.10.06

お金持ちに信頼される「営業マン」の特徴とは?

 営業マンにとって最重要課題はお客さんに信用されることです。とりわけ、「お金持ち」のお客さんに信用されることは、大幅な業績アップに直接結びつきます。そこで今回は、富裕層から信頼を得るための対処法を探っていきたいと思います。

30代は「若いけれど」が鍵になる

 2017年8月発売の雑誌『PRESIDENT』では、「お金持ちに信頼される人、相手にされない人」というテーマで、少数限定の個人富裕層や法人を顧客として資産運用のアドバイスなどを行う株式会社ワンハンドレッドパートナーズ社長の百武資薫氏のインタビューが掲載されています。

 百武氏によると、20~30代ならば、「若いけれどよく勉強している」「若いけれどよく考えてくれる」など「若いけれど」が良い評価につながると述べています。

 「若くても見どころがある人間なら、育ててやりたいという気持ちが、彼らにはあるから」だそうです。ただし、「身なりや時間といったエチケットやマナーには極めて厳しい」らしく、その点は注意が必要です。

40代は「若いけれど」が通用しなくなる

 40代になると、さすがに「若いけれど」では通用しません。その人の仕事人としての真価が問われることなります。「重要なのは、こちらの話を聞いてもらうのではなく、相手の話をよく聞くこと」、そして、「休日に自宅へ呼んでもらえるほどの関係」になるまでコミュニケーションを深めていけるかが勝負になります。

 また、先方に情報を提供する際は、「最新・最先端のものでなければ、興味を持ってもらえません」。つまり、「テレビや雑誌、インターネットで得られるレベルの情報」に富裕層は関心を示してくれないのです。

 他方で、仕事とは関係のないプライベートな話を気兼ねなく打ち明けられて、不安や悩みを解消してくれる便利屋のような存在が重宝されます。

秘訣は売り込む気持ちを捨てること

 プレジデント社の書籍『プロフェッショナルセールスマン ? 「伝説の営業」と呼ばれた男の壮絶顧客志向』では、在籍11年間で3080件の保険契約を獲得したプルデンシャル生命の伝説の営業マン・甲州賢氏の徹底した顧客志向が紹介されています。「Business Journal」では、本書にもとづいて、「甲州氏は、お客さまの利益のために考えうるあらゆることを一貫して行い、商品ではなく自分を売込み、信頼関係を築いていった」と解説しています。

 営業マンにとって大切なことは、まず「相手を知ること」、そのうえで「相手のために何ができるのか」を考えていくことです。商品を売ることが営業マンの仕事ではありますが、商品を売り込こもうという気持ちでいると、相手は警戒感を持ちます。

 「Business Journal」は、甲州氏の意外な食習慣にも言及しています。スケジュールが詰まっていて、忙しい時に食べる天丼は、てんぷらの衣をきれいに外して食したのだそうです。不思議に思われるかもしれませんが、実はこれもお客さんのため。

 もし、定食屋の使用している油が古くてお腹を壊したら、お客さんに多大な迷惑がかかります。「そんなことでお客さんのアポイントに遅れたらタイヘンだろ」と甲州氏。ここにも徹底した顧客ファーストの信念を見ることができます。

 信頼される営業マンとは、売り込もうという気持ちを捨てて、お客さんの「望みを叶えようとする」人なのかもしれません。それが信用、そしてビジネスにつながっていくのでしょう。

<参考文献・参考サイト>
・「PRESIDENT2017年8/15号」(プレジデント社)
・『プロフェッショナルセールスマン ? 「伝説の営業」と呼ばれた男の壮絶顧客志向』(神谷竜太著、プレジデント社)
・“伝説の営業マン”は天ぷらの衣を剥がして食べる。なぜ?
http://biz-journal.jp/2017/08/post_20377.html
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