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DATE/ 2017.12.06

まだ間に合う!「ふるさと納税」の方法とお得な返礼品

 平成21年度に始まった「ふるさと納税」。年々右肩上がりの利用率で、平成28年度のデータでは、1271万件、約2,844億円(ふるさと納税額+控除額)まで伸びています。

 とはいえ「めんどくさそう…」なイメージが先行して、まだ試したことのない人もいるのではないでしょうか。ふるさと納税専用のサイトも増えましたし、ワンストップ制度などルールが整備されてきたので、ぜひチャレンジしてみましょう。今回は12月31日まで間に合うふるさと納税の簡単な手順とオススメの返礼品についてご紹介します。

ネットショッピングと変わらない?その手順

 ふるさと納税の手順は、楽天やアマゾンで買い物をするのとほとんど変わりません。まず自分が利用したい「ふるさと納税サイト」を選び、会員登録するところから始めましょう。最低2,000円の自己負担金でどれだけ「ふるさと納税」できるかが常に把握でき、「ワンストップ特例申請書」などもダウンロードできます。

 人気のふるさと納税サイトは、「ふるさとチョイス」(全国のお礼品を網羅)、「さとふる」(電話等のサポートが充実)、「ふるなび」(Amazonギフトと連動)など。また、「楽天ふるさと納税」や「ANAのふるさと納税」のように、楽天ポイントと連動したり、マイルが貯まるようなサービスも始まっています。

 「楽天ふるさと納税」の場合、楽天会員情報が利用できるので、新たに情報登録する必要もなく、「寄付して、お礼品がもらえて、ポイントが貯まる」と大人気。ただし、いくらショッピング感覚でおこなえても、ふるさと納税は買い物ではない点を、お忘れなく。「配送が遅い」「梱包がイメージと違う」などのクレームはちょっと違います。

忘れてはいけない「控除上限額」と「ワンストップ特例」

 ふるさと納税は納税の「お礼の品」として自治体から特産品や特典がもらえるわけですが、最低でも2,000円は自己負担しなければいけません。できるだけ自己負担を抑えるためには、自身の控除上限額を知る必要があります。これは、寄附した人の年収や家族構成などによって異なるので、サイトで確認しましょう。早見表もありますが、細かく条件を設定してシミュレーションすることもできます。

 そして、この控除を受けるために忘れてはいけないのが「ワンストップ特例」の申請です。ワンストップ特例は、確定申告を行わずに、寄附金の控除を受けられる仕組みです。確定申告をしないサラリーマンは年間に5つまでの自治体であれば、この制度を活用することができます。多くの場合、その申請書は各サイトでダウンロードできますが、ふるさと納税の際に、自治体からの送付を希望することもできます。この申請書とマイナンバーおよび本人を確認できる書類の写しを各自治体に送付すれば、申請完了です。逆に確定申告をする人は、自治体からの「受領証明書」を集めておいて、自分で確定申告をする必要があります。医療費同様、前の年の1月~12月に寄附した分を、翌年の確定申告で提出すればOKです。

還元率で選ぶなら、やっぱりお米、肉、生鮮特産品

 目移りしてしまうほど沢山あるお礼の品の決め方の1つの基準が、「還元率」です。還元率とは、寄附金額に対する、お礼の品の返戻率。例えば「缶ビール350ml×24本」ケースは、定価では5,000円程度。泉佐野市では、オリジナルの「70周年記念パッケージ」を作って、1万円の寄附をくれた人へのお礼としています。この場合、還元率はおよそ50%になるわけです。

 還元率の相場はおよそ30~40%程度ですが、なかには、還元率100%超えと言われる返礼品もあります。福岡県飯塚市「飯塚のお米詰め合わせ」(2kg×3)がその一例で、市価10,800円のお米が、寄附金額10,000円(実質負担は人によりますが、最低では2000円)でお礼として送られてくるのです。驚異の108%です。

 他にも山形県南陽市の「はえぬき」(5kg×3)が寄附金10,000円で還元率98.7%、新潟県新発田市の「越後菅谷殿様米」(特別栽培コシヒカリ5kg)が寄附金10,000円で還元率97.2%。「そろそろお米を買わなくちゃ」というときは、まずふるさと納税サイトを探してみるのが得策のようです。

 このように還元率が高くてお得感があるのは、やっぱり地方の生鮮特産品。青森のリンゴや和歌山のミカンなど季節の果物をはじめ、和牛(鹿児島県鹿屋市、宮崎県都農町、佐賀県嬉野市、山形県舟形町など)やエビ、カニ、魚介類などの水産品(北海道東雲町、静岡県焼津市、佐賀県玄海町)がずらりと還元率80%超えで並びます。ただし、人気が殺到するとすぐ定数をオーバーするので、その点はご注意を。

珍品は見かけたら即ゲット!が鉄則

 自分の「ふるさと」を絶対応援したい!という人も、珍しいお礼品には心が動かされます。たとえば刃物の町で有名な岐阜県関市では、刀匠が作った1本100万円以上する日本刀を期間限定募集したところ、直後に品切れになるなど、大人気。最近では、東京都国立市が高性能ドローン「DJI Phantom4」をお礼の品にしたことで話題になりました。

 自治体間の競争が高まるなか、オンリーワンの特産品を持つ自治体がクローズアップされています。たとえば将棋の駒の生産量日本一を誇る山形県天童市です。れっきとした職人さんが作り、名入れサービスもついた縁起物の将棋駒ストラップは、3~4か月待ちでもゲットしたい魅力的なお礼品(寄附金額10,000円)。2015年にはふるさと納税の寄付先第3位にランクインしています。

 三國シェフが推奨する北海道のおせち(北海道稚内市・寄附金額50,000円)からカブトムシ幼虫観察セット(福島県田村足・寄附金額10,000円)まで、何がヒットするかは、探せばキリがありません。こちらもやはり、ふるさと納税サイトを活用しましょう。ファッションと寄附を両立したいなら、「no-ma style(ノマスタイル)」、高級自転車や高級腕時計などプレミアム商品を探すなら「ふるさとプレミアム」がオススメです。

 年末に向けての駆け込み寄附には、ポイント制で後からゆっくり吟味できる「ふるぽ」が便利。JTBの運営なので、トラベルギフトも充実しています。体験型といえば、「ご当地ヒーロータカゴールドになれる券」(兵庫県多可町・寄附金額1,000,000円)が話題の的。実際になってみた人はいるのでしょうか。

 「案ずるより産むがやすし」のふるさと納税、地方が過熱しては政府からのてこ入れが繰り返されているので、気になったら即!申し込んでみるのがよさそうですよ。

<参考サイト>
・ふるさと納税に関する現況調査結果
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/file/report20160802.pdf
・ふるさとチョイス
https://www.furusato-tax.jp/
・さとふる
https://www.satofull.jp/
・ふるなび
https://furunavi.jp/
・楽天ふるさと納税
https://event.rakuten.co.jp/furusato/
・noma-style
https://noma-style.com/
・ふるさとプレミアム
https://26p.jp/https://furu-po.com/

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