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DATE/ 2018.02.14

コーヒーを飲む人は口臭に注意?意外な口臭雑学

 日ごろから口臭が気になっている方、実は多いのではないでしょうか。今回は「いかにおもしろい話をして笑ってもらえるか」という一風変わった姿勢で歯科治療を行う野村洋文氏の著書『たいへん申し上げにくいのですが』を紹介しながら、口臭に関するお話を中心に取り上げます。

口臭、実は気のせいかも

 野村氏は、「口臭が気になってしょうがないのですが」と遠慮がちな声で言う患者さんに頻繁に出会うそうです。しかし、実際に口臭測定器で調べると異常がある人と正常の人の比率は3対7とのこと。つまり、口臭がすると思っている方の7割は気のせいということです。気になる人は、全国の歯科大学附属病院の中には「口臭外来」というのもあるので、足を運んでみるのも一策とのこと。

空腹・疲労で交感神経が優位になると口臭がする

 しかし、やはり口臭がするときはありますよね。これがなぜかといえば、緊張したときに優位になる交感神経と、リラックスしたときに優位になる副交感神経が関係しているそうです。例えば、お腹がすいたり、疲れてきたりすると、交感神経が優位になり、サラサラした唾液から、ネバネバした唾液になって、口腔内の潤滑さが失われて口臭がするとのこと。

ダイエットをすると口臭がする!?

 また、ダイエット中は口臭にも注意が必要です。お腹がすくと血糖値が下がり、脂肪代謝が生じてアセトンが発生し、口臭がするとのこと。今回紹介している本では詳しく触れられていませんが、アセトンは甘酸っぱいにおいで、「ダイエット臭」などと呼ばれることもあるそうです。さらに嗅覚研究所代表の外崎肇一氏によると、「糖尿病の初期は尿や体から甘いにおいがするが、進行すると甘酸っぱいにおいになる」とのこと。甘いにおいは要注意です。

コーヒーは口臭予防にならない!?

 コーヒーは口臭予防になる、と思われている方も多いかと思いますが、この点についても野村氏は、実はその逆であると言います。焙煎したコーヒー豆の粒子が舌の表面に停滞し、口臭の原因となるとのこと。さらに、コーヒーは酸性の飲み物なので、口腔内の酸度を上昇させて唾液の分泌を低下させるらしいのです。ただし、野村氏は、ネスカフェゴールドブレンドへの個人的な思い入れを語ったのち「コーヒー自体は超健康有料ドリンクです」と強調します。

口臭を予防には、パセリが効果的

 口臭予防にはパセリが効果的、とのことです。パセリの匂いの元となるピネン、アピオールという精油成分は、殺菌力にすぐれているとのこと。またパセリを咀嚼することで、葉緑素の中のクロロフィルが臭気ガスを打ち負かし、消臭効果が出るそうです。しかし、野村氏が危惧するのは、「パセリは食べられない」という人も多い気がするということ。これについては「頑張って食べてください」とエールを送っています。

 今回紹介した『たいへん申し上げにくいのですが…』は、まじめな話の合間にあらゆる雑学や著者の正直で率直な経験談がちりばめられています。それがこの本の面白みです。何割か「それは歯科とは関係ないのでは……」と突っ込みを入れたくなるのですが、何よりも著者の話ぶりが面白く、楽しく健康のことを知るにはうってつけの一冊かと思われます。

<参考文献・参考サイト>
・『たいへん申し上げにくいのですが…』(野村洋文著、秀和システム)
・日経スタイル:体臭で病気の種類まで分かる?がん発見に活用も
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO90756210Q5A820C1000000?channel=DF140920160927

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