テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
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DATE/ 2024.03.04

会話がつまらない人・おもしろい人の違い

 話がおもしろい人のまわりには自然と人が集まってきます。芸人さんはそれを商売にしているわけですが、プロにならないにしても、誰でも話をするとき、おもしろい話をしたいと思っているはず。でも、おもしろい話をしようと思っても、実際のところ、なかなかうまくいきません。

 今回のコラムは、おもしろい話、すべらない話ができるようになりたいという方、必読です。おもしろい話をするにはコツがあります。逆に会話がつまらない人には共通する特徴があるのだそうです。

会話がつまらない人の特徴

・特徴その1:ともかく自分の話ばかりする
 つまらない会話をする人にはどんな特徴があるのでしょうか。30代女性のAさんに質問したところ、「ともかく自分の話ばかりする」「相手の話を聞かない」と回答。たしかに、いつも自分の話ばかりされたら気が滅入ります。その相手が好意をもっている人だったら気にならないのかもしれませんが。しかも、こちらの話を聞いてくれないとなるともう勘弁です。

・特徴その2:否定ばかりしてくる
 また、40代男性のBさんは「否定ばかりしてくるネガティブな人」と回答。こちらは話し手というより受け手側の反応の仕方を指摘しています。ふだんのコミュニケーションでもそうですが、仕事においても否定ばかりしてくるアイデアキラーは嫌われます。そんな相手だと、会話したり、何か提案しようという気持ちも起こりません。また、そんな相手にかぎって「なぜ話をしないんだ」「早く提案しろ」とむちゃくちゃなことを言ってくるものです。

おもしろい話とは、なにか

 会話がおもしろいといえば、やっぱり芸人さん。それからバラエティ番組の放送作家さんです。放送作家の美濃部達宏さんには、まさにドンピシャリな『なぜ、あなたの話はつまらないのか?』という著書があります。秋元康さんも「AKBのメンバーにも読ませたい本だ!」と絶賛しています。

 美濃部さんは話がつまらない人の特徴として「自分の話がおもしろいと勘違いしている」を挙げています。これはAさんの話に出てきた「自分の話ばかりする人」にも当てはまります。相手が聞きたがっているわけでもないのに、武勇伝やマニアックな話をしてしまう人は、自分がおもしろいと感じているか、相手にとってもおもしろいはずだと勘違いしているのです。

 おもしろい話とは、自分がおもしろいと感じたことではなく、相手がおもしろいと感じること。まず、ここを見誤ってはいけません。武勇伝で笑いが取れることなんてほとんどありません。むしろ真逆の情けない話の方が笑いはとれると美濃部さんは強調しています。

共感力を鍛えるには客観的な分析が必要

 だからこそ共感が重要であると美濃部さんは指摘しています。共感する力がなければ、相手がおもしろいことを想像することはできません。Bさんが会話のつまらない人として「否定ばかりしてくるネガティブ人」を挙げていましたが、まさにその方は共感力が欠如しています。共感を得るには、感覚的なアプローチも重要ですが、客観的な分析が必要です。相手をじっくり観察し、相手がどう思うかを深く考えるのです。そうすれば、相手がおもしろいと思うネタがチョイスできるようになります。

笑いの黄金方程式を身につけよう

 ネタ選びがうまくいったら、次にすべきことは話の順序を考えること。ここに放送作家の美濃部さん独特の理論が反映されています。笑わせるためには「オチ」が必要なことは多くの人が知っています。そのため、みんな一生懸命「オチ」ばかり考えるのですが、そもそも「オチ」の前にかならず「フリ」がなければ、話は面白くなりません。

 「フリ」とは結論のオチを強調するための前振りのことです。この「フリ」→「オチ」の順序で話を構成するようにすることが大事。「フリ」→「オチ」は笑いの黄金の方程式で、すべてのおもしろい話に共通するようです。まわりで話がおもしろい人も、バラエティ番組の芸人さんの話も、ただただ笑って聞いているのはもったいない。これからは、どんな「フリ」→「オチ」の構成になっているのかに注意しながら聞いてみましょう。日々、勉強です。

<参考文献>
・『なぜ、あなたの話はつまらないのか?』(美濃部達宏著、あさ出版)

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