社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
原価はいくら?カップラーメン儲けのカラクリ
日本人の国民食と言っても過言ではないインスタントラーメン。日本即席食品工業協会によると、昨年2017年は即席麺出荷額総需要が過去最高を記録。なんと5826億5300万円(56億6131万食)に達しました。
インスタントラーメンのなかでもとりわけ消費量が多いのがカップラーメンです。読者のみなさんはこのカップラーメンの儲けのしくみをご存知でしょうか。
言い換えれば、1ヶ月に3~4食はインスタントラーメンにお世話になっているということです。ちなみに、世界に目を移してみると、昨年2017年の全世界における消費量はなんと、なんと1001億食にもなるのだそうです。
インスタントラーメンのスゴさが分かったところで、本題に入りましょう。先述の通り、インスタントラーメンのなかでも好まれているのがカップラーメン。インスタントラーメンのうち69.3%はカップラーメンです。そのカップラーメンの儲けのカラクリにいよいよ迫りたいと思います。
カップラーメンを成立させる要素は麺、スープ、カップですが、「安い」「うまい」の決め手となっているのはスープです。実はほとんどの場合、スープは、ナトリウム塩、化学調味料、酵母エキスなど、化学的に合成抽出した物質でできています。これが原価をグーンと低く抑えることができる理由です。もし、本物の「鶏ガラ」や「とんこつ」を作ろうと思えば、べらぼうに原価が上がります。高い食品加工技術、偉大な化学の力によって低価格を実現しているというわけです。
実際に原価を数字で見てみると、麺は約15円、スープは13~15円、カップは18円ほど。つまり、1個あたり原価は50円程度ということになります。
まずメーカーは90~95円程度で問屋に卸します。今度はそれを問屋は100円前後でスーパーやコンビニに卸します。そして最後に、われわれ消費者はスーパーやコンビニでそれを買って食べるという流れです。
つまり、カップラーメン1個あたり、メーカーは40~45円、問屋は5~10円儲けているということになります。では、スーパーやコンビニはどうでしょう。
コンビニはスーパーのように大量に販売することはできません。そのため、150~160円で販売することで50~60円の粗利益を得るようにしています。
ぜひぜひ、カップラーメンを食べるときは、その価格や儲けの構造も想像してみてください。おいしく味わいながら、仕事のヒントが思い浮かぶなんていう良いこともあるかもしれません。
インスタントラーメンのなかでもとりわけ消費量が多いのがカップラーメンです。読者のみなさんはこのカップラーメンの儲けのしくみをご存知でしょうか。
インスタントラーメンの世界年間消費量は1001億食
どれだけインスタントラーメンが現代の日常生活に欠かせないものになっているのか。数字でみると、よくわかります。日本即席食品工業協会はインスタントラーメン・データというものを公表しており、たとえば、日本人の年間消費量は、一人当たりおよそ44食。言い換えれば、1ヶ月に3~4食はインスタントラーメンにお世話になっているということです。ちなみに、世界に目を移してみると、昨年2017年の全世界における消費量はなんと、なんと1001億食にもなるのだそうです。
インスタントラーメンのスゴさが分かったところで、本題に入りましょう。先述の通り、インスタントラーメンのなかでも好まれているのがカップラーメン。インスタントラーメンのうち69.3%はカップラーメンです。そのカップラーメンの儲けのカラクリにいよいよ迫りたいと思います。
カップラーメンの原価はいくら
カップラーメンはなんといっても「安い」「うまい」にその良さがあります。でも、どうしてそんなに安いのでしょう。理屈は簡単、原価が安いからです。問題は、どうして原価を安くできるのかという点です。カップラーメンを成立させる要素は麺、スープ、カップですが、「安い」「うまい」の決め手となっているのはスープです。実はほとんどの場合、スープは、ナトリウム塩、化学調味料、酵母エキスなど、化学的に合成抽出した物質でできています。これが原価をグーンと低く抑えることができる理由です。もし、本物の「鶏ガラ」や「とんこつ」を作ろうと思えば、べらぼうに原価が上がります。高い食品加工技術、偉大な化学の力によって低価格を実現しているというわけです。
実際に原価を数字で見てみると、麺は約15円、スープは13~15円、カップは18円ほど。つまり、1個あたり原価は50円程度ということになります。
カップラーメン儲けのカラクリ
メーカーから回り回って原価50円のものがどのようにして私たちの胃袋に届くのか、誰がどのくらい儲けているのか、儲けのカラクリにさらに迫っていきます。まずメーカーは90~95円程度で問屋に卸します。今度はそれを問屋は100円前後でスーパーやコンビニに卸します。そして最後に、われわれ消費者はスーパーやコンビニでそれを買って食べるという流れです。
つまり、カップラーメン1個あたり、メーカーは40~45円、問屋は5~10円儲けているということになります。では、スーパーやコンビニはどうでしょう。
スーパーとコンビニの違い
実はスーパーとコンビニでは儲けのしくみが異なります。スーパーでは、だいたい120円ほどで販売しているので、20円ほどの儲けということになります。ただし、スーパーは販売量に応じてメーカーから販売奨励金をバックされるようになっていて、一定量を超えた数を販売すれば、25~28円ほどの粗利益が得られるようになっています。コンビニはスーパーのように大量に販売することはできません。そのため、150~160円で販売することで50~60円の粗利益を得るようにしています。
ぜひぜひ、カップラーメンを食べるときは、その価格や儲けの構造も想像してみてください。おいしく味わいながら、仕事のヒントが思い浮かぶなんていう良いこともあるかもしれません。
<参考文献・参考サイト>
・インスタントラーメン・データ
http://www.instantramen.or.jp/data/d_01.html
・『知らないとソンする!価格と儲けのカラクリ』(神樹兵輔・21世紀ビジョンの会著、高橋書店)
・インスタントラーメン・データ
http://www.instantramen.or.jp/data/d_01.html
・『知らないとソンする!価格と儲けのカラクリ』(神樹兵輔・21世紀ビジョンの会著、高橋書店)
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景
グローバル・サウスは世界をどう変えるか(3)インドネシアの成長とトルコの外交力
グローバル・サウスの中でも高度経済成長を遂げているのがインドネシアだ。長期のスカルノ時代とスハルト時代を経てその後に民主化が進んだ、東南アジアで最大のイスラム教国である。また、トルコは多国間に接する地理的特性と...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/17
多神教の日本と民主主義…議論の強化と予備選挙の導入を
民主主義の本質(4)日本の民主主義をいかに強化するか
民主主義の発展において、キリスト教のような一神教的な宗教の営みがその礎にあった。では、そうした宗教的背景をもたない日本で、民主主義を育てるにはどうしたらいいのか。人数が多ければ正しいというのは「ポピュリズム」の...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/16
26歳で老中首座…阿部正弘が幕末の動乱期に担った使命とは
徳川将軍と江戸幕府~阿部正弘編(1)若き老中首座・阿部正弘の使命
阿部正弘は幕末の若き老中首座として、徳川家斉・徳川家慶・徳川家定の時代を支えた。黒船で泰平を揺るがしたペリーが再来し、日米和親条約が結ばれ、鎖国政策は終わりを告げる。近代日本への舵取りを果たしたと評価される阿部...
収録日:2021/03/29
追加日:2024/03/09
きわめて特異的な「ウイルスと宿主の関係」
ウイルスの話~その本質と特性(1)生物なのか、そうではないのか
ウイルスとはいったい何なのか。彼らは生物とは異なり、自分でエネルギーを生み出して生存するわけではなく、遺伝情報のみを持ち、他の生物の機能を利用して自らを複製している。そうした「ウイルスと宿主の関係」はきわめて特...
収録日:2020/02/17
追加日:2020/03/12
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
「心理的安全性」は近年もっとも注目されるビジネスバズワードの一つともいわれている。その背景には、コロナ禍におけるリモートワークの増大、社会全体が未来予測の難しい「VUCAの時代」に入ったことがある。職場環境が多様に...
収録日:2022/04/26
追加日:2022/07/23