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DATE/ 2018.09.24

薄い爪や二枚爪…爪が脆くなる原因は?

 肌色のくすみ、目の下のたるみ、ほうれい線などが目立つ人は、実年齢より老けて見えますよね。自分にそのようなサインが出てきたら、マッサージやアンチエイジングの化粧品などで対策するのではないでしょうか。顔は他人に見られる部分だから、きちんとケアする方が多いのです。ところが顔と同じようによく見られるのに、ケアを忘れがちなパーツがあります。それが手です。

いまや男女問わず爪のケアは常識

 手はジェスチャーしたりなにかを指し示したりしたときには、顔よりも視線を集めます。だからこそ、乾燥やしわが目立つと全身が老けているイメージを持たれてしまいがち。中でも気をつけたいのが爪です。爪はさまざまな労働や水仕事で酷使されるうえ健康状態が反映されやすいため、すぐに割れたり変形したりする繊細なパーツ。大切にケアしないと美しさを保てないのです。

 ネイルケアというと女性がするものというイメージがあるかもしれません。しかし近年では男性向けのネイルサロンも登場しており、人と接する機会が多い接客業や営業職の男性に支持されています。清潔感が重視される今の時代、爪のケアには男女関係なく気を配る人が増えているのです。

爪は皮膚同様に乾燥がとても苦手

 それでは、爪をケアするときにはどのような点に気をつければよいでしょうか。まずは爪の健康を保つために、爪の基本構造と脆くなる原因を探ってみましょう。

 爪の材料はケラチンというタンパク質の一種。人間の皮膚や髪の毛のほか、馬の蹄やサイの角の材料にもなる強靭な構造の物質です。このケラチンがそれぞれの指の先端にある爪母という部分でまとめられ、爪として生成されます。爪は一枚でできているように見えますが、実は外側からトッププレート、ミドルプレート、アンダープレートの3層構造になっており、トップとアンダーは縦方向、その間のミドルは横方向にケラチンが連なっています。この層の間に水分と脂質が含まれるため、爪には透明感や適度な弾力があります。

 すぐに欠けてしまう薄い爪は、ケラチンや水分が不足して乾燥していると考えられます。皮膚にも爪にもケラチンが含まれている点から考えれば、爪も皮膚と同じように乾燥してしまうのは納得ですよね。乾燥が進むと爪が複数の層に割れてしまう二枚爪になることもあります。これは爪が3層構造になっているための症状です。

 爪に縦線が現れる症状は「爪甲縦線」といい、やはり乾燥が原因です。必ず縦線が現れるのは、トッププレートのケラチンが縦方向に連なっているため。爪甲縦線は放っておくとこれに沿って割れてしまう「爪甲縦裂症」まで進行することもあります。こうなると痛みに苦しむ場合もあるので、早めに皮膚科で治療しましょう。

 また横方向にできる溝のようなへこみは、その爪が生成された時期に鉄分やビタミン類などの栄養素が不足していたサインです。へこみが続けてできる場合は、食生活を見直したほうがよいでしょう。

美しい爪のために心がけたいこと

 つまり爪を美しく保つ秘訣とは、「乾燥と食生活に気をつける」という美肌の秘訣と同じもの。その具体的な方法をご紹介します。

 乾燥対策にはハンドクリームを爪の先まで塗ることが効果的。1日1回で満足するのではなく、手を洗ったあとや水仕事をしたあとにはこまめに塗り直してください。また、ネイルは続けてしないようにしましょう。ネイルには必ず乾燥させる成分が入っているので、爪から水分を奪ってしまいます。一度ネイルをしたら2~3日は爪を休ませてあげるとよいです。爪も肌の一部と思ってケアしてください。

 栄養素で重視したいのは、ケラチンのもとになるタンパク質です。タンパク質はアミノ酸の集合体なので、アミノ酸をバランスよく含む豚ロース肉、アジ、卵、牛乳、大豆などが理想的。これに加えてビタミン類のEとBは健康な組織の生成を助けます。ビタミンEは緑黄色野菜や果物類、ビタミンBはレバーやナッツ類に多く含まれます。爪がへこみやすい人は鉄分不足の可能性があるので、レバー、貝類、カカオ成分が多いチョコレートなどを食べると症状が改善するでしょう。

 そして、爪に衝撃を与えないことも大切です。爪を短くするときは爪切りでバチバチと切るより、やすりで丁寧に削るほうが負担を軽くできます。パソコンのキーボードやスマホ画面をタッチすることも、爪が割れたり折れたりする原因に。爪は伸ばしすぎず、白い部分が少しだけ残る程度の長さを保ちましょう。

 爪を美しくケアして、若々しく爽やかな印象を手に入れてください。

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