テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2018.09.30

日本は何位?世界のパスポート自由度ランキング

 海外旅行へ行くときは、最低限航空券の手配さえすればOK。実は、これは当たり前のことではありません。普段あまり意識することはないかもしれませんが、日本のパスポートは超優秀。世界最強と言っても過言ではないのです。

189か国へビザなしで渡航可能

 イギリスのコンサルティング会社ヘンリーパートナーズが「パスポートの自由度ランキング」を毎年発表しているのですが、それの最新版で日本が世界1位となりました。具体的に何が基準になるかというと、ビザなしで渡航可能な国・地域の数です。189か国へ行ける日本はシンガポールと並び世界1位に輝いたのでした。

 日本、シンガポールに続く国はドイツが188か国で2位。スウェーデン、フィンランド、イタリア、スペイン、デンマーク、フランス、韓国が187か国で3位となります。一般的なランク表記だと1位が2か国ある場合、それに次ぐ国は3位とするケースが多いですが、「パスポートの自由度ランキング」ではもっと単純に(渡航可能な国・地域の数が)1位のグループ、2位のグループ...とランク付けしているようです。

 では逆にランク下位にはどんな国が入るのでしょうか?ワースト3か国は100位が33か国へ渡航可能なパキスタン。101位が32か国のソマリアとシリア。最下位の102位は30か国のアフガニスタンとイラクでした。

“世界最強”パスポートでもビザが必要な国は

 ヘンリーパートナーズのサイトではビザなしで行ける国、ビザが必要な国を地図上で表示できるインフォグラフも用意しており、1位の日本は当然と言えば当然ですが、ビザなしで行ける国が世界中に広がります。逆に世界最強の日本のパスポートであってもビザが必要な国はどこかと言うと、同サイト調べではロシア、北朝鮮、ブラジル、キューバ、サウジアラビアなど37か国。中でもアフリカはビザが必要な国が23か国もあり、気軽に渡航できる地域とは言いづらいようです。

 日本とは逆にビザなしで渡航可能な国・地域が限られるアフガニスタンは、どんな地域にビザなしで行けるのでしょうか?アフガニスタンと同じアジアではバングラデシュ、カンボジア、マカオ、モルディブ、東ティモールのみ。30か国中、14か国がアフリカとなっています。

 そのほかにも72か国に渡航可能で69位と“パスポート力”では目立たない中国がアフリカにおいてはビザなしで行ける国がそこそこあったり、アメリカのパスポートではアジア、中東地域にビザなしでは行きづらかったり。表面的なニュースからは伝わってこない国際関係も見えてきます。

 日本のパスポートが世界一になれたのは、外交もさることながら、これまでの日本人の信用力があってこそ。海外旅行へ行くときは、先人たちの積み重ねにも感謝したいものですね。

<参考サイト>
・Henley Passport Index 2006 to 2018
https://www.henleypassportindex.com/passport-index
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

OpenAI創業者サム・アルトマンとはいかなる人物なのか

OpenAI創業者サム・アルトマンとはいかなる人物なのか

サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(1)ChatGPT生みの親の半生

ChatGPTを生みだしたOpenAI創業者のサム・アルトマン。AIの進化・発展によって急速に変化している世界の情報環境だが、今その中心にいる人物といっていいだろう。今回のシリーズでは、サム・アルトマンの才能や彼をとりまくアメ...
収録日:2024/03/13
追加日:2024/04/19
桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト
2

「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷

「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷

文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元

日本語の発音は、漢字到来以来一千年の歴史を通してどう変わってきたのか。また、なぜ日本語は「文明語」として世界に名だたる存在といえるのか。二つの疑問を解き明かす日本語学者として釘貫亨氏をお招きした。1回目は古代日本...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/03/08
釘貫亨
名古屋大学名誉教授
3

歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える

歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える

運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」

歴史における「運」とはどういうものだろうか。例えば、富裕と貧困という問題について、「運」で決まるのか、あるいは「運」とは異なる努力、教養、道徳などの要素で決まるのかという点でも、思想家たちの考え方は分かれる。第1...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/04/18
山内昌之
東京大学名誉教授
4

急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(3)インドネシアの成長とトルコの外交力

グローバル・サウスの中でも高度経済成長を遂げているのがインドネシアだ。長期のスカルノ時代とスハルト時代を経てその後に民主化が進んだ、東南アジアで最大のイスラム教国である。また、トルコは多国間に接する地理的特性と...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/17
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
5

ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?

ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?

和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1

日本古来の詩の形式である和歌。しかし、その中身について詳しく知っている人は少ないのではないだろうか。渡部泰明氏が和歌のレトリックについて解説するシリーズレクチャー。第一弾である今回は枕詞についてで、その知られざ...
収録日:2019/03/11
追加日:2019/06/15
渡部泰明
東京大学名誉教授